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Jリーグ気候アクションと地域活性化のロードマップ
こんにちは。PAF MALLのエシカル男子、【14期】エシカル・コンシェルジュ講座受講生のカワムラです。
第6回講義は、「この危機とモヤモヤを乗り越えよう~意識と行動で仕組みを変える~」 講師:辻井隆行さん(Jリーグ執行役員 サステナビリティ領域担当、元パタゴニア日本支社長)。
以前このnoteで、Jリーグと僕たちPAF MALLのようなエシカル通販との共通点を書いたことがありました。
本講義では、Jリーグが取り組んでいる「Jリーグ気候アクション」についての話がありましたのでご紹介します。Jリーグによるエシカル・アクションの最新版です。
Jリーグ気候アクションとは
1991年の発足から、Jリーグの理念のひとつに掲げている「日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進」。そのために、Jリーグはスタジアムの整備や教育機関でのサッカー教室といった普及活動を、ホームタウンの人たちと進めてきました。
ですが昨今、スポーツをするための土台である環境そのものが脅かされていると感じているそう。2018年頃から台風や線状降水帯など自然災害の激甚化が増え、熱中症による救急搬送も増えてきました。実際、自然災害などにより中止となった試合数は、この10年で約4倍にもなっているのです。
このまま気候変動への対策をしなかった場合、安心してサッカーを楽しめる環境でなくなってしまうかもしれないのです。。
また、Jリーグでは、気候変動により受ける影響だけでなく、気候変動に与えている影響についても考えたそう。
年間1,220試合を行うJリーグ。ナイターを行うための照明、芝の管理のためのボイラー、食品販売、空調や運輸などのエネルギー消費など、試合の運営において、当然ながらJリーグもCO2を排出しているのです。
そこで始まったのが「Jリーグ気候アクション」。
年間1,220試合の電力を再生可能エネルギーで賄うなど、クリーン運営というアクションを行なっているのです。
それでも、世界で330億トン、日本が11億トンというCO2排出量からしたら、Jリーグの全試合をクリーンにしても電気だけで数千トンの排出抑止にしかならず、気候変動対策のアクションとしてはインパクトが足りません。
そこで、試合日以外もアカデミーやスクールなど事業運営しているJリーグでは、その事業運営もカーボンニュートラルにしていく2030年までのロードマップを策定しました。
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ホームタウンすべてでカーボンニュートラルと地域活性化を
8府県10クラブで開幕したJリーグは、2024年には41都道府県、60クラブにまで増えました。クラブ名に企業名ではなく地域名を冠するなど、常に地域密着で実施してきたホームタウン活動。
年間約1,100万人の来場者数、約23,000回のホームタウン活動、日本全国の87%をカバーする60クラブ数。 地域とともに発展してきたJリーグだからこそ、このポテンシャルをもって気候変動へのアクションに取り組み、同時に地域活性化も実現していこうと考えているのです。
地域のステークホルダーとポジティブなインパクトを起こすため、産官学福と連携したアクションによる
意識改革(2024-2025 意識が変わる)
行動変容(-2027 行動が変わる)
システムチェンジ(-2030 仕組み、社会が変わる)
までが描かれたロードマップ。
自治体、企業、ファン・サポーターなど、それぞれの立場でできるアクションを呼びかけていることもJリーグならでは。
最後に、辻井さんたちは、このロードマップ策定にかなりの時間をかけたという話をご紹介します。ロードマップに必要なのは、まず現状を把握すること。
策定時は、自分たちがどれだけのCO2を排出しているかということもわからなかったそう。それを可視化し、課題を洗い出し、目標への道筋を定めていく。その際の周囲との対話に、かなりの時間をかけてきたといいます。
ロードマップに基づいたアクションの進捗公開、そして常に発信し続けることも重要。そう語る姿が印象的な講義でした。