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詩とか創作とか

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いつものメイドのこと

いつものメイドのこと

わたしの身体にはリボンがたくさん。数を数えてみたならば12個ついています。リボンは膝下まである靴下の、両脇にも及んで、さらにフリルと、レースもたくさんついた、そんなワンピースのお洋服…。これは花子の趣味で、わたしは基本的にずっとこの格好で生活をしています。
生活といっても、わたしは皆さんの暮らしぶりとは少し違って、花子の家にいつもいます。花子が帰ってくる間、そして帰ってきたあと、家にいて、過ごすの

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察してちゃん

察してちゃん

友人に、相談をした。

私「私はほんとうは、毎日のように遊んで帰ってくる彼に、もっと私との時間を作ってほしいと思ってるのに、言えない。

彼にとっては皆大切な友達だって分かっているし、
私に迷惑をかけているわけでもないから。でも、

やっぱり気になってしまって、もやもやだけが残る。

人に強要をしたくない、期待しすぎて縛りたくもない。でも、それを言えないからってもやもやしているのでは、逆に不健康な

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石にされちゃうわ

石にされちゃうわ

晶はいつも帽子をかぶってた。ハットや、キャップじゃなくて、頭をすっぽり覆ってしまう伸縮性のある素材の、ニット帽よりは少しだけ薄い、冬以外の季節でも平気なやつ。

彼を含めた仲間たちとは大人になってから、友人の紹介で知り合った。彼らと会うときはいつも夜集合で、特に悪いことをするわけではないが、うるさいところで音楽を聴いて、疲れたらその足で酔っ払ったまま、朝まで居酒屋や誰かの家で過ごすことが多かった。

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冬の間眠る

冬の間眠る

じっと 待っている 春が来るのを

今は 眠っている

まるで 枯れたみたいに。

植物は 冬 苦手なんだと思う

陽の光が浅くて 夜が早いから

空気は澄んで 生き物が活動しない分

二酸化炭素も 少ないのかな

活動を止めて 春を待つなんて
なんて賢くて 強いのだろう

冷凍保存された 微生物みたいに
その時が来るまで 静かにしている

春がきたら 木は起きて

そうすると私も やっと起きら

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【詩】あなたとわたし

【詩】あなたとわたし

ネイルを、した 爪 キラキラになって
眺めてると 海みたい

シルバーのストーンは 泡みたい、
散り散りになったラメは
海に反射する 太陽の光の粒なんだ

残念だけど いつも隣にいるあなたには
分からなかったみたい
実用的なものが すきなんだ
そういって 切りそろえられた 人間の
生きものの 爪

わたしのすきなココアを
パチンと開けてくれるんだ

水色の爪は わたしのためのもの
ずっと ここに

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