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映画「室井慎次 敗れざる者」 そりゃそうだよね

内容に触れています、ご了承下さい
ぐだぐだの雑文です


前作同様の高揚感を味わえると期待したヒトは多いと思うが、
それを見事に裏切ってくれる

そりゃそうだよね、随分年数を経過して年齢を重ねたんだから、組織での立場や役割は変わり、結果も出ているのだから、
躍動感がある作品は必要ではなく、それに応じた内容にするのは当たり前のこと

作る側も、演じる側も、そして観る側も、みんなイイ歳になってる

それを勘案して、相変わらず観る側を魅了する脚本は、お見事でした

この作品が始まったのは、バブル崩壊後の混沌としていた時代、
みんな苛立っていたと思う
そんな中で、サラリーマンの悲哀にフォーカスし、変えていくことの大切さを訴えてくれた

若いヒトは、青島に自分を投影し、会社を変えるのは現場の俺たちだ、
若い管理職のヒトは、室井さんに感化され、会社を風通しのよい組織に変えてやる、なんてね、

心地よいスピードとテンポで、若者の共感を得ていく


テレビにまだ大きな影響力があり、そこで人気の役者を躍動させ、さらにお台場という公共の場所をコンテンツとして活用し、世界観をよりリアルなものとした

時代の流れを読み込んだお見事な作品でした


現役世代でこのシリーズを見ていた人は、室井さんほど明確で大きな目標では無くても、それなりの想いは持っていたはず、

それが組織で定められた年齢というゴールにたどり着いた(ゴールが見えた)とき、どこまで出来たかの答え合わせが始まる

この作品の決定的だったシーンは、筧利夫演じる新城本部長の台詞

「終わりがここだと思わなかった」

組織の中での年月と年齢は、とても残酷です
ほとんどのヒトは、挫折感と後悔を咀嚼しながら生きているのではないかな、

それでもまだ前を向こうとしているヒトと、いつまでも後ろ向いてグダグダしているヒト

ワタシは後者です


エンターテイメント作品なので、若いヒトを使って色々枝葉つけて話を広げてますが、二作目で上手く回収して、その世代が、その想いが引き継いでくれるような展開を期待しています


ワタシが観た回の観客は、同世代のご夫婦が多数おられました
皆さんそんなことわかっているはずなのに、劇場の階段を降りる足取りは、少し重いように見えました


どこまで出来たか、と、どれだけやったかは、違うはず

まだまだ、敗れてないよね、と自問自答して、次回作のサブタイトルを呟きつつ帰る



封鎖は出来なかったんだよね

今観ても、全然古くない

スピンオフでは一番面白かった

タイトルの元ネタ、もう一度観よう

これも好きなシリーズでした