詩人の句読点
一口で、まぐろは、小さな赤い魚たちを、
一ぴきのこらずのみこんだ。
にげたのはスイミーだけ。
スイミーはおよいだ、くらい海のそこを。
こわかった。さびしかった。
とてもかなしかった。
小学2年生の国語の教科書に載っている、「スイミー」というお話です。
作者はレオ=レオニさん。
訳は谷川俊太郎さん。
作品が、お話も絵も両方ともに素晴らしいのはもちろんなのですが、谷川俊太郎さんの句読点の打ち方に不思議をみます。特に目に留まるのが「スイミーはおよいだ」のあとの読点です。
この読点はどういう意図だろう。
そしてどんなリズムで読むのだろう?
声に出して読んでみました。お話に悲壮感が生まれます。畳み掛ける様に読むところ、間を開けて余韻を持たせるところ。その様にして、句読点により、お話の意図がさらに深く表されているのです。
谷川俊太郎さん訳のお話を音読するのは、とても好きです。子ども達もノリノリで表情豊かに読んでくれます
やはり谷川俊太郎さんは、詩人なのだなぁとしみじみ思った、句読点のお話でした。