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怒涛の6月
今日は別の仕事がある為、通院した日を除けば約1ヶ月ぶりとなる下山だ。昨日宿泊した100名様分の朝食をスタッフ達が慌ただしく対応してる間に、私は客室の掃除に走り、極力この後の業務の負担を減らしてから鳩待峠へと歩き出した。連日の疲れも蓄積している事からも、お客様には申し訳ないが、掃除が終わってからランチまでの二時間くらいは売店やレストランを完全休業し、身体を休めるよう山口君に申し添えた。
昨日の営業で、6月の最大のピークは越えたと言っていいだろう。月末にかけて客数も少ない日があるので、うまくエネルギー回復できるように調整が必要だ。
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気がつけば、7月の入口が見え隠れしている。
尾瀬に来て1ヶ月以上経過するわけだから、当然ながら尾瀬ヶ原の見え方も変わり、随分と景色を進めていた。気温25℃。湿原ではレンゲツツジ、ワタスゲ、カキツバタ、ヒメシャクナゲなど初夏を感じさせる植物が顔を覗かせる。今年は尾瀬への上山時も通院時も行き帰りは全て雨だったので、久しぶりに天候が当たり日だった。足早に歩きながらも、3度ほど足を止めては絶景にカメラを向けた。
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この土日は今シーズンで一番完璧な天気だった。
白い虹、澄み渡る青空、満天の星。
訪れた多くのお客様が尾瀬の景色に魅力された事でしょう。私も眠たい目をこすりながら、一瞬の隙を見計らってカメラ片手に湿原へと繰り出した。そこには1ヶ月の疲れが洗い流されるかのような景色が待っていた。
どんなに忙しくてもこの素晴らしい尾瀬の景色を伝えるということは、私が山を楽しむ側から楽しませる側に立ち位置を変えた根幹であり、継続して大事にしている信念である。
6月も残り約10日、お客様に魅力を伝える以上、自分自身が尾瀬の景色を楽しむことを忘れてはいけない。
さぁ、明日からも頑張ろう。
尾瀬小屋
工藤友弘