おゆめ

映画のようなこの人生、切ないのに愛おしい日々を記録する。

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マガジン

  • いつも帰りはタクシーで

    この10年間をまとめた、ノンフィクション日記。

最近の記事

EP5 中学生活中編

高校受験には、受ける学校へ願書を提出しに行くという決まりがあった。短くした制服のスカートをできるだけ伸ばし、自転車で30分かからなかった。 知らない団地を抜け、川沿いを走った。 いかにも東京の田舎だった。結構いいかも。 願書提出の教室につく。 部屋の一番後ろに、立ち見の状態で自分の番号が呼ばれるのを待っていた。すると、しーちゃんがひょこっとドアから入ってきた。驚いた。 しーちゃんとは、幼稚園からの幼なじみで、ありえないくらい純粋な心の持ち主。国民的アニメに例えていうならば『

    • EP4 中学生活前編

      中学校に入学した。もちろん君はいない。 入学そうそう、陰湿ないじめに遭う。 少しヤンキーの子の彼氏が私のこと好きだったみたいで、それが気に食わなかった子達が、体育後の私の制服の着替えを隠したりした。教室でずっと泣いていたこともあった。なんとなく、みんなに避けられはじめた。 あんなに一緒にいたさし子も皆の前では隠れていて、少人数になると私に話しかけにきた。おかしな子だった。 部活は、バスケを選ばす陸上部にした。 仲のいい友達が何人かできた。私のクラスで起きているいじめをみん

      • EP3 冬の行事、淡々と

        私には、仲のいい女友達がいた。 さし子といって長髪で高身長、私とは対照的だった。 君とも仲が良かった。 年明け、君が中学受験をすることを知った。 頭いいもんな。 バスケのクラブチームにもあまり顔を出さなくなった。多分、猛勉強をしている。なんとなく距離を感じた。 私と違う事で頑張っている。やっぱり距離を感じた。 バレンタインデー、クッキーにチョコペンで君の背番号を書いたものをあげた。しかしこれも私の手で渡したかどうか、記憶が曖昧。 ホワイトデーのお返しがなかった。アメリカ

        • EP2 何も喋らない

          君の日本語はたまにおかしくて、 ちょっと真似してみたりした。 でも頭が良くて、いつもテストの点数が高かった。 席替え、隣になることはなかったけど 真後ろになったり、通路挟んで隣になったり、 なんとなく近くに君はいた。 でも、絶対、私とは会話をもたなかった。 同じバスケのクラブチームだった。 私は女子の4番。 その頃、ブザービートでロングシュートがバンバン入った私は、チームで気に入られた。きっと君もそれを見ていた。 君は男子の5番。 アメリカで本場のバスケを見てきたから、き

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        • いつも帰りはタクシーで
          7本

        記事

          EP1 初恋

          2009年、小学校6年生の時だ。 アメリカから帰ってきた君に恋をした。 あれから10年経った今、思い出してみても なんで好きになったのかわからない。 でも、当時を思い出してみると未だに緊張する。 ドキドキが色あせない、私の記憶。 結局、人伝に告白をして多分承諾を受けたけど 2人きりの会話やデート、手を繋ぐ事さえ無かった。 だって私たちはまだ、小6だったから。 これ言い訳になるかな。てか本当に付き合ってた?

          映画

          2020年3月16日。 今日から2年間、君は大阪へ研修に行ってしまう。 文字にすることで記憶に残したいのか、 自分自身を落ち着かせたいのか、 綺麗な思い出としていたいのか、分からないけれど。 出会って10年、時間はいっぱいあったけどな。 最低で最悪な私が、君を想う大好きな気持ち。 きっと、こんな人生を歩んだのは私だけだろう。 何か起こるたび、映画のように思えてしまう。 今日を切り返し地点として、はじめます。 ここから書き連ねる、「いつも帰りはタクシーで」。