EP2 何も喋らない
君の日本語はたまにおかしくて、
ちょっと真似してみたりした。
でも頭が良くて、いつもテストの点数が高かった。
席替え、隣になることはなかったけど
真後ろになったり、通路挟んで隣になったり、
なんとなく近くに君はいた。
でも、絶対、私とは会話をもたなかった。
同じバスケのクラブチームだった。
私は女子の4番。
その頃、ブザービートでロングシュートがバンバン入った私は、チームで気に入られた。きっと君もそれを見ていた。
君は男子の5番。
アメリカで本場のバスケを見てきたから、きっとわたしなんか弱いエースだなって思ってただろうな。
てかほんとのとこ、知らないけど。
だって全然喋ってくんないから。
私とは会話しないけど、
他の女子とは会話をする。
ずるいな。
あれ、付き合ってんの?