EP5 中学生活中編

高校受験には、受ける学校へ願書を提出しに行くという決まりがあった。短くした制服のスカートをできるだけ伸ばし、自転車で30分かからなかった。
知らない団地を抜け、川沿いを走った。
いかにも東京の田舎だった。結構いいかも。

願書提出の教室につく。
部屋の一番後ろに、立ち見の状態で自分の番号が呼ばれるのを待っていた。すると、しーちゃんがひょこっとドアから入ってきた。驚いた。
しーちゃんとは、幼稚園からの幼なじみで、ありえないくらい純粋な心の持ち主。国民的アニメに例えていうならば『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんだ。そして私がちびまる子。

お互いすぐにわかった。
先に提出の順がきた私は、外でしーちゃんを待った。
本当に嬉しかった。
いじめられていたことを知ってるか知らないか分からないけれど、しーちゃんはそんな事気にしない子だったから、私の夢みる高校デビューに支障はないと思った。周りが全員敵に思えたのに、勝手に彼女が救世主にみえた。
そして一緒に帰った。純粋で穏やかな、平和主義の彼女と話していると、嫌だったことを全部忘れられた。

家に帰って猛勉強した。
お互い受験に受かって早く一緒に登校したい。
心からそう思った。

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