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魔法のブラシ

雲ひとつ無い9月のある日。

終点でバスを降りると、熱の国。
来週は秋分だというのに、太陽はまだまだ夏モードでした。

海からの強い風に帽子をギュッと押えながら歩きます。
雑草だらけの道。
よく焼けたアスファルトの熱がサンダルの裏からも伝わってきます。

ふと、高架の上にピンクのお花が見えました。
近づいてみると、大きな木。
行儀良く並んだ小さな葉っぱの上に、ふわふわのメークブラシのようなお花が咲いていました。

ネムノキです。

強烈な太陽光と海風を物ともしない、余裕の微笑み。
さすが夏のお花です。
種が入った茶色くて長〜い鞘もたくさんぶら下がっていました。

夜は葉っぱが閉じ垂れ下がるそうです。
まるで眠っているように見えるから、ネムノキなんだって。
ネム〜って、かわいい名前ですね。

魔法のブラシ

谷空に  かざして合歓の  ひるのゆめ 長谷川素逝
(※合歓・・・ネム)


ネムノキを見ていたら、空の青さに気づきました。
この濃い青にお花の色がとってもお似合い。
うっとりする夏のラストステージーでした。

では、またね。
今日も暑いみたい。
体調に気をつけて、よい時間をお過ごしください。

ごきげんよう。

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