親孝行Week / 手作り料理
今回初めて行った家族のイベントがある。
私たち夫婦の両親は、どちらも父親が他界しており、母親がそれぞれ1人暮らしをしている。去年、私が病気になり生活が一変したときには2人の母親から溢れるほどの愛をもらった。健康も仕事も失い、何もできなくなってしまった私のそばで何気なく優しい言葉をかけてくれたあの半年間をこの先忘れることはない。
そのとき、今まで「仕事が忙しいから」となかなか家族に会いに行けなかったことを悔やんだ。毎日仕事に追われ、週に1度の休みは家事をこなし、疲れを癒す間もなく終わってしまう。充実はしていたのかもしれないが、知らず知らずのうちに心と身体に負担をかけて、家族や友人そして自分をも大切にできなくなっていたのだと思う。
いつかこの闘病中のこともnoteで書けたらと思っている。
自分が絶不調のときに支えてくれた方々は大切にしたい。まずは家族に少しずつ恩返ししていこうと考えた。
その1つが『親孝行Week』である。
親孝行といっても人により様々な孝行の仕方がある。
私たちが今回行ったのは、それぞれの親の元で1週間過ごすというものだ。つまり私は母と共に1週間過ごし、夫は夫の母と共に1週間過ごす。
社会人になり、さらに結婚をすると親とゆっくり過ごす時間も減ってしまうものだ。住んでいる場所が遠ければ余計にそうだろう。この機会に1週間共に過ごし、普段できない掃除や片付け、買い物などを手伝う親孝行をしようということになった。
もちろん先に予定は合わせておかなければならないが、ほとんどサプライズともいえるこのイベントをどちらの母親もすごく喜んでくれた。
食事の用意が大変だろうと思い、私たちで少しばかり料理を作り持っていくことにした。
・あんこ
・切り干し大根の煮物
・ピーマンの肉詰め煮(記事の最後に簡単レシピ有)
・ポテトサラダ
・シーフードピラフ風炊き込みごはん
・ポテトコロッケ
・自家製なめたけ
「あんこ」「切り干し大根の煮物」は、夫特製!
他は、義母が好きそうな材料や親戚から頂いたおいしいじゃがいもを活用して私が作ったものだ。写真を撮り忘れてしまったが、実母へも同じように料理を持っていった。健康上の理由で、あんこなどの甘いものや揚げ物はやめて、代わりに「カボチャの煮物」や「ひじきの煮物」などを作った。
かわいい付箋やメモ用紙を用意し、それぞれの料理名と材料などを書き込み、タッパーの蓋にマスキングテープで貼る。誰かに料理を作ったときは必ずそうするのだが、これがとても喜ばれる。私の母に至っては今までのメモ全て、引き出しの中にしまってあるそうだ。
誰かに料理を作るのは勇気もいるし労力を費やすのだが、喜んでもらえると疲れなど吹っ飛んでしまう。そして"もっとおいしく作れるようになろう"という向上心へつながる。
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帰省当日、「ただいま」と帰ると「おかえり」と玄関へ出てくる満面の笑顔。
いつもは一人暮らしの母、相手がいるからなのか四六時中話が止まらなかった。こちらが聞き疲れを感じてしまい「ちょっと一旦落ち着いて静かにしてー」と言ってしまうほどであった。私が何か作業をしている間も、ずっと話しかけてくる。相槌をやめたら止まるのかと試みたのだが、それでも気にせず話しているのでまるでラジオを聞いているようだった。ほぼ独り言なのかもしれない。それは私が自宅へ帰る日まで続いた。
相当に嬉しかったのだと思う。
夫に聞くと、義母も同じだったようだ。
いわゆる"終活"をどちらの母も始めていたので、私たちも手伝い1週間でかなり進めることができた。
親孝行Weekが終わり自宅へ帰るときは、夫婦2人とも両手では持ちきれないほどの食材や生活雑貨でいっぱいだった。いつもたくさんのお土産を持たせてくれる母たちだけれど、いつにも増して多い気がする。
このイベント大成功!と言いたい。
ただ持ち帰ったたくさんのお土産の袋に囲まれた私たちは『年金暮らしの親に余計に気を遣わせてしまったのではないか』という気持ちに押しつぶされそうになる。
素直にその気持ちを母2人に伝えてみたところ
「本当に楽しく素敵な親子時間を与えてくれたから」
「親にとって子供はいつまでも子供なの」
と返ってきた。
やはりどんなことをしても母には敵わない。
私たちにとっても素敵な思い出となる1週間となった。仕事で忙しくなりすぎては、このような日は決して訪れなかっただろう。
いつも大切な人に優しくできるくらいの、心のゆとりを持っていたいものだ。
▼1つだけ簡単にレシピを紹介🫑