かぎ針あみの実用小もの「ヘンプのイス脚カバー」(無料編図つき)
こんにちは! 前回は、ヘンプ(麻の一種)の糸で椅子の脚カバーを編もうと奮闘中でした。
水で濡らしてジャストフィットさせた試作品も、乾くとゆるくなって脱げてしまう……。
1段の目数を24→20に減らして再挑戦しました。
一晩たっても問題なく使えています。
そこで勇気百倍し、タイミングよく届いた追加の糸でもっと編み始めました。実は試作の段階で、すでに新しい糸を注文しちゃっていたのです。うちのカーテンの色に合わせて「ライムグリーン」と「ダークブラウン」を選択。
1段目は糸の輪に編み入れてぎゅっと絞ります。2段目はふつうに細編み。このとき糸端を編みくるみ、余った分は切り落としておきます。3段目以降はぜんぶ「細編みのすじ編み」にします。
前段にある2本の糸のうち奥の1本だけをすくうと、残ったほうの糸が筋になって見えるのでこう呼ばれます。2本ともすくうのは固くて編みにくいけど、1本だけならラクに編めます。
緑の糸をはりきって編み、さっそく脚にかぶせてみると……あれ?
小さすぎて、どうしてもかぶせることができません。
よく見るとうちの椅子は、前脚と後脚で微妙に形がちがうのです。太さもわずかにちがうみたい。測ってみると、後脚のほうが5mmほど太いことがわかりました。
前脚にぎりぎりはまるサイズだと、後脚にははまらないわけです。
私は編物や手芸の本はかなりいろいろ見てきましたが、この「椅子の脚カバー」というアイテムが載っているのはまだ見たことがありません。自分で作ってみて、その理由がわかったように思いました。
つまり厳格なサイズ合わせが必要で、しかも難しいのです。「どの椅子にも使えるサイズ」では、ゆるすぎてすぐにズレます。「うんと引っぱれば入る」というキチキチのサイズ感がベストですが、限界を超えればもちろん使い物になりません。
難しい……。
それでも気を取り直してせっせと編み、3日ほどで3脚分、つまり12個のカバーを編み上げました。
糸が足りなくて2色で編んだのもありますが、それがかえってオシャレに見えるみたい。ほかのもそうすればよかった。
脚にきっちりはめたら、霧吹きで軽く湿らせてさらにフィットさせます。これで完成!
時間が経つとやはりすこーしゆるくなって、はずれやすい個体が発生しましたが、もう編み直す気力がないので、脚の底に薄く糊をつけることで解決しました。
上は8段目まで編んだところです。丈は好みですが、ここでは11段まで編みました。
ご存知のように、細編みをするときはふつう、立ち上がりの鎖を1目に数えません。でも今回は糸が太いので、立ち上がりも1目にカウントしています。だから写真のように各段の最後まで編んだら、立ち上がりの鎖に引き抜き編みをします。
お役に立つかどうかはわかりませんが、編図も描いたのでよかったらご利用ください。
もっと大きくしたければ、2段目の角の鎖を2目に増やして、3段目で細編み2目ずつ編み入れるとよいと思います。すると目数は全体で4目増える(24目)ことになります。
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