ダイエットの難しさは本人にしかわからない
私は過去に10キロ太ったことがあり、何を試してもダイエットが上手くいかなかった時期があります。
デブは甘え、という言葉がある通り、世間の目は太っている人にとても厳しいです。太った経験がない人は、食べるのを辞めたらいいとか、運動したらいいとか、それをとても簡単なことのように言います。
しかし、食べるのをやめられない原因があります。それは多くの場合ストレスです。私は太っていた時代、無自覚にストレスを溜めていて、それを食べることだけが解消してくれていました。
食べることだけが自分に快楽をもたらしてくれる人生。このとてつもない虚しさを太っている人たちは経験しています。
ストレス軽減のために過剰に食事をしている人たちは、これを簡単にやめることはできません。やめてしまえば心が蝕まれてしまいます。代わりの幸せを見つけるしか方法はありませんが、本人にとっては食べること以上に手軽で簡単な方法はありません。
例えば、優等生は学校でいい成績をおさめることは、当たり前で努力次第でなんとかなると思っています。おしゃれな人は努力したら誰でもお洒落になれると思っています。しかし、これは他の人にとっては簡単ではありません。やりたくもない勉強をするストレスや無理におしゃれになろうとするストレスを感じたら、心を守るためにそれを行わなくなるでしょう。誰かの当たり前は、他の誰かの当たり前ではない。
そして、そもそも痩せる必要はないのです。単に現代における他人の評価基準に踊らされているだけ。自分自身が苦しんでまで実行する価値がありますか?その価値がなければ、自分の心を守る選択をしたほうがいい。
私は、太っていること自体がストレスになったので、ダイエットを頑張るという選択をしました。きっかけは他人からの「デブはどんなに料理や勉強やおしゃれを頑張ってもデブだなぁとしか思わない」という辛辣な言葉を聞いたからです。この言葉が、私にとっては食べることを我慢すること以上の大きなストレスになりました。他人に何を言われても食べることを我慢するストレスの方が勝る人は、食べてください。それが心を守り生き抜く力になります。
ダイエットの難しさは本人にしかわかりません。現代人は皆心の闇を抱えていて、その闇に飲み込まれないように必死に自分をコントロールしています。そのコントロールの仕方は人それぞれで、食べること、遊ぶこと、寝ることでストレスを抑えています。その結果何かが過剰になっていても、それをやめることは本人にとっては容易ではありません。