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「難しい」で終わらせない
ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52カ所」で3番目に取り上げられ、にわかに浮き足立っている山口市に早速新たな名物が誕生しました。
山口市湯田温泉の観光誘客事業を企画する山口フェス実行委員会は、2月から飲食店複合施設「こんこん山」で販売する、白狐の形をしたチーズプリン「湯田温泉プリン」を開発しました。
湯田温泉の白狐伝説
湯田温泉の起こりは、室町時代の三十世大内義興公の時代にまでさかのぼります。
村のお寺にあった小さな池に、ケガをした一匹の白狐が毎晩傷ついた足をつけにやって来ていました。
不思議に思った和尚さんが、白狐をつけていた池の水をすくってみると、ほんのり温かい。さらに深く掘ってみたところ、なんと大量の湯がこんこんと湧き出てきたのです。
池から出てきたのは温かい湯だけではなく、同時に薬師如来の金像が現れました。喜んだ和尚さんは池を屋根で覆い、傍らに仏堂を建てて薬師如来を安置し、湯田温泉を鎮護する仏としたのです。
それ以来、山口の民衆が多く集まり、薬師如来を礼拝しては入浴するようになりました。この仏像は拝んで湯あみをすると難病も治る「白狐の湯」として評判となり、温泉は栄えるようになったそうです。
めでたしめでたし。
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これまでにないプリンの型を作る工程
という「白狐伝説」をモチーフにした新しいお菓子を開発したい、というところから「湯田温泉プリン」プロジェクトはスタートしました。
3Dプリンタを使ったものづくりを行っているわたしたちは、このプリンの型を制作する工程を依頼されました。0から1を生み出すとてもエキサイティングな仕事です。
まずはお客様とイメージを共有するために、ラフスケッチを描きました。当初は狐が丸くなって寝ている構図が第一候補でした。
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ラフスケッチを元に、2Dのデザイン案を作成しました。今回は採用されたものを含めて3つの案を制作しました。
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デザイン案が確定したら、3Dモデリングソフトでデータを作成。
3Dプリンタでマスターモデルを出力しました。
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その後、いつもお世話になっている山口県産業技術センターに相談してデータを調整。真空成型が得意な業者さんを紹介していただき、PP1mmという耐熱性90℃の素材を使用してプリンの型が完成しました。
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ゼロイチの仕事に取り組むときに大切なこと
かいつまんで工程を紹介しましたが、マスターモデルを送って型を送り返してもらったり、試作品でプリンを作ってみて調整したりと、なんだかんだで完成までに6ヶ月ぐらい掛かりました。
今回のプロジェクトで特筆すべきことは、関わっている誰もがやったことがない仕事に取り組んだということです。できるかどうかわからないなかで、どうすれば良い結果が出せるか?と試行錯誤して完成にこぎつけました。
このようなゼロイチのプロジェクトを成功させるカギは、メンバー全員のマインドにあります。まだ見ぬゴールを目指して全員がポジティブに、かつ柔軟に関わり合うことで、最適解に辿り着くことができるのです。
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やったことがないことをやるのは困難なものです。ですが、そこで「難しい」で終わらせてしまっては、新しい価値を生み出すことができません。
私たちは日々、さまざまな課題に直面します。ときに、その困難さに圧倒されて、挑戦する前に諦めてしまうこともあるでしょう。ですが、そうした「難しい」という壁に立ち向かって、それを乗り越えたときに成長することができるのです。
「難しい」という感覚を否定するのではなく、それを成長への一歩と捉え、前向きに取り組むことです。困難に直面したとき、私たちはより強く、賢く、そして寛大になれるのです。
ゼロイチのご相談をお待ちしてます
と、さも自分がやり遂げたような感じで書いていますが、今回のプロジェクトは弊社のスタッフ2名が担当しました。モデリングを担当したのは、4月に入社したばかりの新人です。
昨今は人手不足に悩んでいる企業が多いと聞きますが、幸い弊社にはゼロイチのマインドを持った優秀なスタッフが集っており、日々モチベーション高く仕事に取り組んでくれています。
私自身、やったことがないことに取り組むのが好きで、自分自身も「難しい」で終わらせないように意識していますし、できるだけ自らが体現して示していくようにしています。なので、ゼロイチのマインドをスタッフと共有できているのはとても嬉しく思います。
今後もチャレンジングな仕事にどんどん取り組んでいきたいので、難しいオーダーをお待ちしております。
では。