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ニュースの手帖

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2020年10月の記事一覧

王将戦リーグが滅法(めっぽう)面白い件(その1)

王将戦リーグが滅法(めっぽう)面白い件(その1)

▼2020年10月現在、将棋の世界には「四強」がいる。

藤井聡太二冠、永瀬拓矢王座、渡辺明名人、豊島将之竜王の4人だ。

羽生善治氏は、この4人に入っていない。

▼まず、いつものように2種類のレーティングでトップ10人を見ておこう。

▼将棋棋士レーティングランキングhttps://shogidata.info/list/rateranking.html

レート更新済み : 10月28日対局

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日本人は大麻についてよく知らない件(その3)

日本人は大麻についてよく知らない件(その3)

▼大麻について、「精神科治療学」2020年1月号が特集していた。その紹介を続ける。

同誌はバリバリの専門誌だが、前回メモした、その1、その2を読めば、理解不能なことが書いてあるわけではないことがわかる。

要するに、薬物依存の治療の専門家が、「私たちは大麻について知らないことが多い」と明言しているのだ。

▼知らない、ということを知るところから問題の認識が始まるのは、この世を賢く生きていくための

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2020年8月に高校生が42人自殺した件

▼「コロナ渦(か)の自殺」について、重要なニュースが報道された。清水康之氏が代表を務める「いのち支える自殺対策推進センター」の発表から。2020年10月21日配信のNHKニュースがくわしい。適宜改行と太字。

〈女性の自殺 7月以降増加「新型コロナの影響で悩みなど深刻化」2020年10月21日 18時29分〉

〈ことし7月以降、全国で自殺する女性が増えていることについて、厚生労働省から分析を依頼

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杜撰な「本人確認」で複数の「本人」が誕生している件

杜撰な「本人確認」で複数の「本人」が誕生している件

▼最近、ドコモ口座を悪用して、お金が勝手に引き出されてしまう事件が頻発(ひんぱつ)し、全国的なニュースになった。

不穏(ふおん)なニュースだ。

「時代が変わっても変わらないもの」と、「否応(いやおう)なしに変えなければならないもの」とについて、それぞれ考えさせられる記事があった。

▼ひとつめは、2020年9月22日付の日本経済新聞「春秋」から。適宜太字と改行。

〈数年前、口座をつくるため訪

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マスメディアは互いに批判し合ったほうがいい件

マスメディアは互いに批判し合ったほうがいい件

▼好感のもてるコラムが2020年10月20日付の日本経済新聞「春秋」に載っていた。

▼マスメディアは、互いに批判し合わなければならない。「インサイダー」という映画の名作がある。それを見ればよくわかるが、マスメディアが悪さをした場合、同業他社に批判されることによって、そのマスメディアは、よりよくなることができる。

この原理を支えているものは、泡(あぶく)のように頼りない感情や、党派的な立場論など

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「神保町ブックフェスティバル」の代わりに小規模のフリマが行われる件

「神保町ブックフェスティバル」の代わりに小規模のフリマが行われる件

▼1カ月以上前、なじみの神保町の古書店主から「今年は神田古本まつりは中止です」と聞かされ、「神保町ブックフェスティバルも中止です」と追い打ちをかけられ、ガッカリしていた。

▼しかし、神保町ブックフェスティバルのほうは、皆無ではなさそうだ。白水社が声をあげた。

「新文化」の2020年10月19日配信の記事から。

〈白水社が2日間にわたる「神保町ブックフリマ」の出展社を募っている。「神保町ブック

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日本人は大麻について多くを知らない件(その2)

日本人は大麻について多くを知らない件(その2)

▼松本俊彦氏の文章の続き。なぜ「私たちは大麻について多くを知らない」のかについて。前号と同じく、専門性の高い文章で、少し難しいのだが、大麻について考えるためには必須の文献だと考えるので、そのまま紹介しておく。適宜改行と太字。

〈思えば,米国は長きにわたって大麻を「スケジュールI」 という最高度の規制対象に位置づけ, 研究目的での使用さえも制限して 「パンドラの箱」が開かれることがないよう封印を守

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日本人は大麻について多くを知らない件(その1)

日本人は大麻について多くを知らない件(その1)

▼「常識」というものほど恐ろしいものはない、と思い知らされる事件が多い。

▼東海大学の野球部員が大麻を使い、大学は野球部を無期限活動停止にした。

筆者は、この対応は過剰反応の極みだと考える。しかし、廃部にしなかっただけ、まだマシだと考えることもできる。

▼2020年10月17日配信の朝日新聞デジタル記事から。適宜太字。

〈強豪・東海大野球部員が大麻使用か 部は無期限活動停止 10/17(土

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アメリカでは選挙戦に銃が使われる件

アメリカでは選挙戦に銃が使われる件

▼アメリカで起こっていることは時間差で日本社会でも起こる、というが、以下のニュースは例外だろう。

2020年10月17日のNHKニュースから。適宜太字。

〈米大統領選挙 ミシガン州 投票所や周辺での武器所持禁止を発表 2020年10月17日 10時52分〉

〈アメリカ大統領選挙まで3週間を切る中、中西部ミシガン州は投票所や周辺で銃などの武器を見える形で所持することを禁止すると発表しました。州

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女性の自殺者が去年より増えている件

▼世の中には、当事者でないとわからない現実ばかりだ。だからニュースが大事だ。なかでも、フィルターバブルを避けられる、新聞や、編集されたマスメディアの報道が大事だ。

▼NHKのニュースから。

〈9月の自殺者 全国で1805人 女性が大幅に増加 警察庁 2020年10月12日 17時39分〉

〈先月、自殺した人は全国で合わせて1805人で、去年の同じ時期より143人増えたことが分かりました。こと

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こどもの窒息事故の記事は朝刊に載せてほしい件

こどもの窒息事故の記事は朝刊に載せてほしい件

▼新聞の夕刊に載っている記事が、朝刊に載ったらいいのに、と思うことがよくある。

すでに、夕刊が配達されない県が複数ある。つまり、その地域には、その新聞の夕刊は存在しないわけだ。

朝刊には「かたい記事」が優先され、「やわらかい記事」が脱落するのだが、日常生活に近い話題を朝刊に載せてほしいものだ。

▼2020年10月13日付の朝日新聞夕刊1面トップの記事も、朝刊に載せてほしい記事だった。

9月

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「食糧が最大のワクチンである」件

▼ノーベル平和賞は人々に「考える」きっかけを与える。今年のテーマは「食」だった。NHKニュースから。

〈ノーベル平和賞にWFP 国際社会からの支援拡大に期待の声も 2020年10月10日 4時41分〉

〈ことしのノーベル平和賞に、世界各地で食糧支援を行っている国連機関、WFP=世界食糧計画が選ばれたことについて中東の紛争地などで食糧支援を必要としている人たちからは受賞をきっかけに国際社会からの

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コロナ感染がアメリカで再拡大している件

コロナ感染がアメリカで再拡大している件

▼4週間ほど更新をやめてみて、やはりページビューの傾向を見ると、将棋ブームの下限が「藤井棋聖誕生」の前後で底上げされていることがわかった。

竜王戦の番勝負が始まっているが、今回戦っている豊島将之氏、羽生善治氏のどちらかと、藤井聡太氏が番勝負を戦う時、最大の将棋ブームの波が起こるだろう。

▼今号は久しぶりに将棋以外の話題について。

▼コロナウイルスに感染しても、発症しにくい謎の原因があり、それ

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