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ニュースの手帖

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2020年2月の記事一覧

日本は優生思想に寛容である件(7)「何をするか分からない」人は誰?

日本は優生思想に寛容である件(7)「何をするか分からない」人は誰?

▼植松聖被告が相模原市で障害者19人を殺した事件の裁判が始まっている。

植松被告が主張する優生思想については、すでにメモしたとおり、日本社会に生きている一定程度の人々が共感し、支持している。

今号は、その背景について分析した記事を読む。2019年12月23日付の毎日新聞。シリーズ「優生社会を問う」の「地域で暮らす 上」。上東麻子・千葉紀和記者。

〈障害者 拒(こば)み 共生遠く/入居者「どこ

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将棋の歴史上初めて「女性のプロ棋士」が生まれるかもしれない件

将棋の歴史上初めて「女性のプロ棋士」が生まれるかもしれない件

▼数カ月間、このメモを放っておいたら、毎日更新している時と閲覧者数があまり変わらず、拍子抜けした。そして、最も閲覧者数が多いのが、マスメディアについてのメモではなく、個人的な趣味の話だったのにも、拍子抜けした。去年の3月に書いた、将棋の話。

〈将棋のトッププロに見えている残酷な現実の件〉

上記メモで紹介した大崎善生氏は、将棋業界の書き手のなかで群を抜いて筆力のある人だ。代表作は映画にもなった『

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日本は優生思想に寛容である件(6)ひきこもりの本人が一番「つらい」と思っている

日本は優生思想に寛容である件(6)ひきこもりの本人が一番「つらい」と思っている

▼ひきこもり傾向にあった息子を殺した元農林水産事務次官に、懲役6年の判決が言い渡されたのは、去年(2019年12月)のことだった。

2カ月も経つと、だいたいのニュースは「ああ、そんなことがあったなあ」という印象になる。

▼去年の8月に、筆者はこんなメモを書いている。

〈日本は優生思想に寛容である件(5)無知でデマを騒ぎ立てる人が多すぎる〉

これは、ひきこもりが人間扱いされていない日本社会の

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