見出し画像

生理前に眠いのはナゼ?原因を知り、科学的に証明された方法で対処しよう。

生理で日常に支障をきたすほどの不調を感じたことがありますか?

女性向けサプリメントの販売を行うゲンナイ製薬株式会社の調査では、2,188人の女性にアンケートが行われました。


その結果、9割近くの女性が生理で「日常に支障をきたすほどの不調がある」と回答しています。

もっと女性のからだのしくみについて正しく学べる機会が必要だったと思いますか?

さらに「もっと体の仕組みについて正しく学べる機会が必要だったと思いますか?」という問いに対して、89.6%の方が「はい」と回答しています。

生理についての知識は思ったより知られていないんですね。

生理の時に辛いのは「お腹の痛み」だけなら、100歩譲って許してやるか・・・と思っていると、「眠気」「だるさ」などワケのわからん症状まで出てくる始末。本当にイライラしますよね。

生理痛について解説している記事はたくさんありますが、

今回は生理のせいで起こる「眠気」「だるさ」についてその原因がわかるようになる情報を詰め込みました。

さらに、生理に伴って出てくる症状を解決するためにできることを、いくつもの論文から導き出していきます

・生理痛以外の症状に悩まされがちな方
・生理で眠気がきて1日をムダにしてしまう
・女性パートナーをもつ男性
・「市販薬以外」の生理関連のツラさへの対処法

これらの情報を公開していきます!

■ナゼ、生理で眠くなるの〜?

生理で眠くなる原因は、ほぼ解明されています。

眠さとだるさの原因

生理の時にはプロゲステロンというホルモンが出てきます。このホルモンは子宮の発育のために大事な役割をはたすホルモンです。

プロゲステロンは、体の中でTH-DOCという物質に変化します。この名前はどうでもいいんですが、THーDOCに睡眠薬として使われるベンゾジアゼピン系の薬と同じような効果があることが知られています。

そのせいで、プロゲステロンは最終的に眠気を引き起こしたり、だるさを引き起こしたりするのです。

もうちょっと深掘りして考えてみましょう。

女性は生理痛、頭痛、吐き気やメンタルの不安定など、様々な症状を経験します。これはとてもストレスの強い状態です。プロゲステロンは、辛い状態の女性に無理をさせないように、リミッターをかけるように働くのです。そう考えると、体はとても理に適っているなぁと思いませんか?

現代社会においては、邪魔な眠気ですが、辛い時はできるだけ自分を休ませてあげるのも大切なことです。無理はしないでくださいね〜!


■とはいえ、眠気やだるさに対処したい!

画像4

とはいえ生理だからって都合よく仕事を休めるとは限りません。生理休暇がある会社もありますが、男性の目もある中で、自由に取るのはちょっと恥ずかしいですよね。

そんな方のために、生理で起こる眠気に対処する方法をご紹介します。

お手軽にできる一番良い方法は、
「日中、きちんと日光に当たること」
です。

2007年にセントルイス大学で行われた研究では、日光に当たると、生理前のうつ症状を吹き飛ばすことができることがいくつものデータによって示されています。

光を浴びるだけで、生理関連の諸症状が改善する理由は、光が体のリズムを整える「メラトニン」という化学伝達物質と強く関係していることにあります。

光に当たってメラトニンのリズムを作り、体のリズムを整えることで、生理に伴う症状が改善すると考えられています。

朝の光がいいという研究もあれば、夕方の光がいいという研究もあるので、正直どちらでもいいです。

*しかし、これからの季節、真っ昼間に直射日光を浴びるのはめまいや頭痛の原因になるのでやめておきましょうね。


■大切な女性パートナーをもつ方は知っておかなくてはいけないこと

画像5

月経前症候群(PMS)の治療に経口避妊薬(俗称:ピル)抗うつ薬を使うことがあります。でも、それらを使うのは妊娠しているからでも、精神的な病気なワケでもありません。

あくまでPMSなどの生理関連のツラさに効く薬だから飲んでいるだけだということをきちんと把握しておきましょう。

大切なパートナーをもつ人はもちろん、女性が経口避妊薬(ピル)や抗うつ薬を使ったからと言って、意味不明な疑いをかけることだけはゼッタイにやめましょう。


■アルコールは気をつけよう

生理前にキツい症状が出る方がアルコールを飲むとヤバいかもしれません。

2018年にBMJ誌に掲載されたメタ分析の結果によると、生理前症候群(PMS)の症状が、アルコールを飲むと飛躍的に上昇してしまうことが記されています。

画像6

・アルコール摂取=PMSリスクが45%増加
・大量摂取   =PMSリスクが79%増加

てな感じで、大量飲酒をすると生理前のつら〜い症状が出てくる可能性を飛躍的に高めてしまいます。

*2時間以内に4杯以上飲む女性は、大量飲酒に入ります


■最強の方法は、病院に行くと手に入る

画像7

生理前の症状に最も効く方法は、SSRIと呼ばれる抗うつ薬や、経口避妊薬を使うことです。特に経口避妊薬については、使用すればほぼ確実に症状を抑えられるのでとてもおすすめです。

ただし、リスクがないわけではないので、症状が我慢できるくらい軽いのであれば、まずは自分で試せる方法をやってみるのは良い考えです。


■自分たちでできること。

生理関連のツラさを感じたとき、病院に行かなくてもできる方法もいくつかあります。

■1番のおすすめは、カルシウムをとること

例えば、テヘラン大学の研究では500mgのカルシウムを1日2回とった方は、メンタル状態がよくなったり、疲労が改善することが示されています。

この研究成果は、アメリカで行われた400人を超える女性を対象にした研究によっても実証されています。

カルシウムのサプリは安いので、生理関連で悩まされている方は、とりあえずとっておくべきオススメサプリです。

生理関連だと、ハーブとか生薬などがとても効くように紹介されている場合が多いのですが、大したエビデンスがあるわけではありません。
さらに、ビタミンDやB6がいいとする論文もありますが、質もデザインも結果も微妙な感じ。

まずカルシウムから試してみるのがオススメです。


■生理関連の不調は、決して治らないワケじゃない

画像8

月経前にイライラ・肌荒れ・体の不調をきたす月経前症候群(PMS)と診断されても、過度に落ち込む必要はありません。

2004年にフランス国立保健医療研究所が発表しているデータによると、最近PMSだと診断された女性のうち、72%の症状が変化したことが明らかになっています。

とにかくキツいなら、産婦人科で相談してみる。
自分でなんとかできそうならカルシウムなどを試してみる。

よくなってきたら、それぞれやめてみる。

人生のステージの中で、
柔軟に対処方法を変えていけばそれでOKです。

悩みすぎず、できることをはじめていきましょう。


今回のギモンの提供者

今回は、KaMaFuChiさんのギモンを解決していきました!
体調をうまくコントロールする手助けになればうれしいです...!!


【サークルについて】

みんなでギモンを共有して、話し合いながら、
「面白い答え」を考え出しましょう。

【サポートについて】

情報を広く、正しく知ってもらうために無料で記事を書いています。
共感できる方はサポート頂けたらとても嬉しいです🎉
質の高い情報発信を続けていけるよう、
サポートで応援をお願いします。🙇

【ツイッターについて】

icons8-twitter-(四角)-96

https://twitter.com/hagakun_yakuzai

ツイッターでは、noteの更新情報を発信しています。
フォローで僕の記事を逃さず読む事ができます。


引用

渋井佳代. "女性の睡眠とホルモン." バイオメカニズム学会誌 29.4 (2005): 205-209.

Barron, M. L. "Light exposure, melatonin secretion, and menstrual cycle parameters: An integrative review." BIOLOGICAL RESEARCH FOR NURSING 9.3 (2008): 264-264.

del Mar Fernández, María, et al. "Premenstrual syndrome and alcohol consumption: a systematic review and meta-analysis." BMJ open 8.3 (2018): e019490.

Ghanbari Z, Haghollahi F, Shariat M, Foroshani AR, Ashrafi M. Effects of calcium supplement therapy in women with premenstrual syndrome. Taiwan J Obstet Gynecol. 2009;48(2):124–129.

Thys-Jacobs S, Starkey P, Bernstein D, Tian J; Premenstrual Syndrome Study Group. Calcium carbonate and the premenstrual syndrome: effects on premenstrual and menstrual symptoms. Am J Obstet Gynecol. 1998;179(2):444–452.

Potter, Julia, et al. "Premenstrual syndrome prevalence and fluctuation over time: results from a French population-based survey." Journal of Women's Health 18.1 (2009): 31-39.




この記事が参加している募集

私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。