【エッセイ】アイルランドに、荷物を送った。ほか【活動報告】
まえがき
冬の足音が聞こえます。
このあいだアイルランドにいるMUちゃんと通話をしたところ、「クリスマスの気配がする」と興奮を抑えきれない調子でした。
なにせクリスマスが大好きな子なのです。
たぶんそろそろ、クリスマスソングをたくさん聴きはじめ、気持ちを高める時期に入ってくると思います。
妖精の国で過ごすクリスマス。
彼女のわくわくも、またひとしおという感じでしょうか。
さてちょっと最近こまごまとしたことがいろいろとあり、その一つ一つを記事にしていたら、僕の命がいくつあっても足りないと思ったので、まとめて報告させていただくべく、こうして筆を取りました。
肩の力を抜いて読んでいただければ幸いです。
コングラボードを頂いた。
先週の話になるのですが、久しぶりにコングラボードをいただきました。
『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』という作品です。
この作品は、ちょっとあからさますぎるくらいだらだらした変な題のものを書きたくて、なんならタイトルだけで「面白いね」と素通りされてもいいや、くらいの気持ちで立ち上げていったので、そこが受け入れられたのでしょうか。よくわかりません。
とにかく、ありがとうございます。
じゃあまた、よくわからない変なもの書きます。
セレクションに選ばれた。
こちらは一度つぶやきもしましたが改めて報告をと思い、また、何度もお知らせすることで、「ああ、乙川さんってやっぱすげえや」と思ってもらうというねらいがあります。
たぶんもう一度くらい、どこかで擦るかもしれません。
しかし僕としては選ばれたということそのものよりも、たらはさんにちゃんと届いていた、ということがわかって嬉しかった気持ちのほうが強いかもしれません。
公募作品を完成させた。
件の10万字のジャンプホラー小説大賞の作品を仕上げて、無事、応募することができました。
今回、文量が文量なので執筆はNola、推敲はWordというやり方を採用。
やはり横書き→縦書きにしてみると、ぜんぜん読み味が違います。
例えばカタカナなんかは印象がガラリと変わって、床屋にいった家族が想像以上に髪をバッサリいってて、慣れるまでどこか他人のような感じがするみたいなことが起きました。
『マルカジリ』
『マ
ル
カ
ジ
リ』
こんな具合でしょうか。
そして無事、〆切一日前に作業を終えた僕は金沢にやってきて、姪と戯れたり、1人で映画『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観に行ったり、そこでレディー・ガガが歌っていた「Close To You」がすごくよくて、藤井風さんカバーを聴きまくったり、とにかく小説から離れた一週間を過ごせました。
【言葉偏愛】を連載しはじめた。
ただ、文を書かないというのはやっぱりどうにも落ち着かない。
こういうときはいつも『何か書きたいな』という気持ちの波だけが、ただ打ち寄せる。
なので、振り返りも兼ねてnoteにちょこちょこ顔を出していました。
それゆえ今週は『note強化週間』だったと言えなくもないかもしれません。
人の記事を読んだり読まれたり。
コメントをしたりされたり。
ときには自分の記事を読み返して「ああ、変なこと書いてるなあ」と呆れてみたり。
なかには、発見もあります。
毎日投稿していたころは、とにかく書けるものを書いていた感じなので、あまり意識してはいなかったのですが、どうも僕は「言葉の違和感」というものを、そのままにはしておけない性分なようです。
いくつかそのようなタイプの記事を見つけ、「これにフォーカスして書いてみるか」と思い立ち、【言葉偏愛】と銘打って、書いてみることに。
せっかく盛り上がっていますし、「なんのはなしですか」の力もお借りしてみました。
思えば、頭から「なんのはなしですか」という体で書くというのは、はじめてのこと。
これはこれで感じたことのない執筆体験で、新鮮でした。
面白そうなので、これから不定期にでも連載するかもしれません。
マウスをトラックボールにした。
『note強化週間』に関連することなのですが、マウスを替えました。
きっかけはこちらの記事。
田舎にいて、部屋で孤独に作業しているときは、なんとも思っていなかったのですが、金沢の家ではデスクが決して広いとは言えず、隣の部屋で両親も寝ているため、活動をある程度制限しなくてはいけません。
突然ですが、ここで質問。
皆さまは執筆作業する際、一番うるさい音はなんだと思いますか。
僕はマウスが接地する音だと考えました。
その音は長文を書き終えた時、興奮にまかせて「よし!」という言葉とともにEnterキーを「カッターン!」と打鍵する音にも匹敵します。
ただマウスの場合、動かすたびにその音がなるので、優しく、知的で、つつましい僕としてはもうちょっとスマートに静かにならんかなということでトラックボールの採用を決めました。
いえ、けっして「ろくに働いてもいないくせに耳障りな音だけ立てやがって」と思われているんじゃないだろうか、とかそんな小心者みたいな心配をしたからではありませんよ。けっして。
結果。
「人類いままで何してたん」という疑問が浮かびました。
すぐさま歴史の教科書に『トラックボールマウスの発明』という項を増やしてほしい。
『2001年宇宙の旅』で、モノリスを前にしたお猿さんたちの気持ちが分かる気がしました。
この功績により、人類は新たなステージに立ち、僕の子どもの子どもの次の
子どもくらいの代には、中指と同じくらいの長さの親指を進化により獲得し、関節もひとつ増え、更に精緻な文明を築くことができる。
もうクルマの運転とかも、これにしようよ。
そんな提案をしちゃう程度には、感動してしまいました。
PCで活動している方には、とってもおすすめです。
アイルランドに、荷物を送った。
最後にものすごく個人的なことを。
以前、MUちゃん宛てに送った荷物がこのあいだ、やっと届きました。
郵便局に持っていったのが7月だったので、実に3ヶ月と半月くらい。
船便であることと、日本→アイルランドという時差にして9時間もの距離にある僻地to僻地への輸送であること、そしてかの国は税関がやたら厳しいことなどが大きな背景にあります。
海外に荷物を送る際、アルコールがダメだったり、国特有の禁制品があったりします。
それに加え、この地球上でなぜかアイルランドだけ、品目を指定するときに、10桁もある独自の税関コードを要求され、例えば米を送るのであれば、『Rice』という品目名を英語を記載し、それが精米されているか、どの程度加工されているのか、原材料は米のみなのか、はたまた別のものが混ざっているのか……などことこまかに分類がなされているのです。
更にその10桁の独自コードを調べるには、アイルランド政府のサイトにアクセスし、目眩のするような膨大な英語の表をなんとか手探りで訳していかなければなりません。
なにかを間違えてしまえば、返送される可能性は充分にあります。
「……上等じゃねえか」
僕はその小さな段ボールひとつ分の作業をする期間、公募とかそっちのけで注力しました。
借りられる力は、なんでも借りた。
ChatGPT、税関事情にあかるい国内外のサイト、郵便局のおっちゃん、はては祖母の知恵に至るまで。
10万字の長編を書くよりも、ハードな作業だったかもしれません。
かくして、荷物はMUちゃんの暮らすシャアハウスに届けられ、僕は愛する彼女の感謝の言葉を噛み締め、今年イチバンの幸せ気分を味わったのでした。
最後にここに僕のアイルランドへの怨嗟を、語彙力の限りありったけぶちまけてもよいのですが、いやいやもっと前向きなことを。
もしもこのときの僕のように、海外に荷物を送りたい方がこの記事にたどり着いたなら、ぜひコメントください。
本当はルポとして事細かに記事にするのがいいのかもしれませんが、残念ながら僕のなかにそこまでの情熱はもうなくて。
しかし、簡単なご質問にお答えするくらいならできるかも。
あるいはもっと単純に、作業で溜まった鬱屈や不安を吐き出しに来られてもいいのかもしれません。
僕自身、税関のサイトとかより、noteとかXとかの体験談や生の声や愚痴の方に救われたことが大きいんじゃないかと思います。
そのために、この記事のタイトルはわかりやすくしておきますので。
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