砂糖の保水性
「吸湿性」は水分を吸着させる性質ですが、
「保水性」はこの吸着した水分を
逃がさず、保持する性質のことです。
「保水性」も「吸湿性」と合わせて、
お菓子作りに重要な要素。
その事例をいくつか挙げて、解説します。
の作用
○ゼリーの固さを保ち、離水を防ぐ
ゼラチンなどの凝固剤を用いて固めたゼリーは
その中で網目状の構造を作ります。
その網目の中に水分を抱えており、
これがゼリー特有の弾力を作り出しています。
ゼリーに加えられている砂糖は、
その「保水性」によってこの水分が保持し、
外に出ていかない役割を担っているのです。
逆にここの砂糖の量が少ないほどゼリーの固さは
ゆるい状態になります。
またゼリーは時間がたつと、その網目構造が
収縮し、押し出された水分がにじみ出てきます。
これを「離水」と呼びます。
砂糖はこの「離水」をしにくくさせる効果も
あるのです。
○ジャム特有のとろみをつける
ジャムを作る際は、果物に含まれるペクチンか
粉末のペワチンを用いることで、どろっとした
ゲル化の状態を促します。
このゲル化が生まれるのは、多量の砂糖の
「保水性」によって、ペクチンのまわりにある
水が保持されることにより、ペクチン同士が結合。
より安定した網目構造を作るようになるからです。
○スポンジ生地がしっとりとした質感になる
ショートケーキに使われるようなスポンジ生地は
ふんわりとした弾力と共に、口溶けよく
しっとりとした質感であることも重要です。
スポンジ生地に牛乳等の水分を加えたりすることで
そのしっとり感を強めることが出来ますが、
砂糖の量を増やすことで、「保水性」により
生地中の水分が保持されしっとり焼き上がります。
ただその場合、甘みも強くなるので
控えたい場合は、トレハロースのような
別の砂糖を用いる等といった方法が
必要であるかもしれません。
○ デンプンの老化が起こりにくくなる
以前、小麦粉を用いたお菓子やパンに起こる
「デンプンの老化」という現象を解説しました。
この「老化」は、糊化したデンプン分子の間に
入りこんだ水分が時間経過で失われて起こります。
砂糖は、「保水性」によってこの水分を
保持するので、デンプンの「老化」は
超こりにくくなり、日数が経っても、
スポンジ生地やパンは固くなりにくくなります。
※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe
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