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【読書記録】遠い太鼓 村上春樹
村上春樹のエッセイ本は2冊目で、まだ小説は読んだことがない。
この本は1986年〜1989年までの3年間のヨーロッパ(主にギリシャ・イタリア)滞在記で、1990年に講談社から出版されたものだ。
四十歳というのは一つの大きな転換点であって、それは何かを取り、何かをあとに置いていくことなのだ、と。そして、その精神的な組み換えが終わってしまったあとでは、好むと好まざるとにかかわらず、もうあともどりはできないのだ。
私はもうすぐ20代を終える。
このタイミングで読んだこの冒頭の文には考えさせられ、どこかに記して置かなければならないと思ったのでここに残すことにした。
人生の節目がやって来ようとするところでこの本を読んで良かったと思った。
毎日小説を書き続けるのは自分の骨を削り、筋肉を食いつぶしているようだとあった。
それでも書かないでいるのはもっと辛かったと。
私のような一般人からしてみれば、たくさんの創作を世に送り出している著者であれば創作するというのは難しいことではないと思っていた。
溢れてとまらないイメージが筆を走らせるのかと。
そんなきれいで簡単なことではなくて、苦痛を伴って創作が生まれているのかと思うと、様々な創作物(本・漫画・アニメ・イラスト・造形など…)が好きな私は改めて創作物に感謝して生きなかればならないと思った。
また、それ以上に創作していないことが苦しいというのは、創作で生きる人間共通の苦しみなのかもしれない。
また、この本では旅行雑誌には乗っていないイタリアの面白いところ?がたくさん書かれていた。
イタリアはスリが多くて、目の前で被害にあっている人を目撃したり、著者の奥様が実際に被害にあっている。
交通事情もひどくて、運転が下手な初心者ドライバーは野次られるらしい。
一番ひどいと思ったのが、郵便事情で、荷物が届かなかったり、手紙が届かなかったりと言うのは日常茶飯事のことらしい。
(郵◯局での勤務経験がある私にとっては驚きでしかない。)
旅行ではわからないその土地で生きる人のいきいきとした姿を見ることが出来る素敵なヨーロッパ滞在記、長編エッセイだと思う。
ローマへの移住を憧れていた人がこの本を読んだら少し考え直すかもしれない笑
それくらいローマという土地の面白さ笑 が描かれている。
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