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ドラマ『謗法』と続編映画『呪呪呪/死者をあやつるもの』を観た。
『呪呪呪/死者をあやつるもの』(原題:謗法: 在此矣、英: The Cursed: Dead Man’s Prey)は、2021年の韓国のホラー映画です。
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2020年に韓国tvNで放映されたテレビドラマ『謗法~運命を変える方法~』のその後を描いた劇場版です。
『呪呪呪/死者をあやつるもの』は、ドラマの終了時から3年が経過した設定とのこと。さらに続編と言うよりは、スピンオフという位置づけらしいですが、ちゃんと続編として成立していました。
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ちなみに「謗法」は「ほう‐ぼう/ぼう‐ほう」と読みます。
「誹謗正法(ひぼう-しょうぼう)」の略で、日本の仏教、あるいは一部の宗派間で使われる用語です。
“誹謗正法”とは、仏教の正しい教え(正法)を軽んじる言動や物品の所持等の行為を指します。
誹・謗とは “そしる”、つまり貶す、腐す、非難するなど、悪く罵ることです。
仏法をそしり、真理をないがしろにし、成仏せず、人を呪い、災厄をもたらし死にまで至らしめることを…謗法といいます。
ドラマ版『謗法』は、真実を追い求める女性ジャーナリスト「イム・ジニ」と、呪いで人を殺す力を持つ少女謗法師「ペク・ソジン」の二人が主人公。
対するは、国内最大のIT企業フォレストのCEO「チン・ジョンヒョク」と彼を助ける謎の巫女「ジン・ギョン」…。
大手企業が秘める途方もなく巨大な闇に主人公達が立ち向かう全12話からなる物語です。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が原作・脚本を担当しています。
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⚠️ 例によって例の如く、先ずはドラマ版『謗法』全12話をなるべくネタバレせずに(笑)解説しますね。
では登場人物から…。
[謗法・登場人物]
イム・ジニ
チュンジン日報社会部記者。ソドン警察署のチョン・ソンジュンを夫に持つ。
[劇場版]独立系ネットニュースチャンネル「都市探偵」の共同代表兼キャスター。
ペク・ソジン
巫女の娘として生まれ、呪いの能力を持つ謗法師。呪う対象の写真、漢字名、所持品だけで呪い殺すことができる。
[劇場版]フォレスト事件の後、行方不明となるが…。
チョン・ソンジュン
ソドン警察署強力チーム班長。イム・ジニは妻。
[劇場版]広域捜査隊に栄転。
キム・ピルソン
警察を退職した後、興信所『都市探偵』を設立。
[劇場版]独立系ネットニュースチャンネル「都市探偵」の社長。
タク・ジョンフン
地方大学で民俗学を教える准教授。
[劇場版]教授に昇進。
チン・ジョンヒョク
フォレスト代表。
イ・ファン
フォレスト常務。フォレスト創立メンバーでジョンヒョクの右腕。
ジン・ギョン
不思議な力でジョンヒョクを助ける巫女。
チョン・ジュボン
ジン・ギョンの部下。
[︎劇場版]意外な場面で登場…。
オオトモ
日本の霊能者。ジン・ギョンによって儀式の為に招聘された。
[謗法 〜運命を変える方法〜]あらすじ
第1話「謗法師」
チュンジン日報社会部記者イム・ジニは、IT企業フォレストの不正解雇について証言を受ける。これが事件の発端となり、やがて若き謗法師ペク・ソジンと巡り合うことに。
注:始まりから引き込まれ、衝撃のラストは息を呑む醶さです。
第2話「怪事件」
前回の衝撃展開を解説(怖)から始まり、物語が緩やかに動き出す。
第3話「呪いの森」
フォレストのチン・ジョンヒョク代表の指示を受けたイ・ファン常務が暗躍、新たな犠牲者の存在が更なる波紋を広げ…。
注:キーワード「呪いの森」に注目です。
第4話「呪い返し」
チン代表を謗法するソジン、しかし呪い返しを受けソジンは…。
第5話「峨神洞の少女道士」
前回の呪い返しによって謗法師の存在がチン一派に知られ、更にジニが雇った探偵キム・ピルソンからジニの情報が…。
第6話「株式会社進境」
遂にソジンが謗法師であることに辿り着いたチン一派。しかしジニは巫女ジン・ギョンの弟子チョン・ジュボンを罠に掛けることに成功、恐るべき陰謀の一端を知ることに…。
第7話「護符」
世界中から招聘される祈祷師達の中に日本の霊能者オオトモの姿が…。そして事態は最悪の展開へと。一方、ソジンは民俗学准教授タクのもとを訪れ…。
第8話「新道林」
巫女ジン・ギョンの手に落ちたジニを助けるべく単身で対峙するソジン…そして第1話の醶さ再び…。
第9話「鬼仏」
天宝山にある鬼仏とは一体?
チン代表と対峙するソジン。しかし、鬼仏が持つ圧倒的な地下に翻弄され…。
第10話「都市探偵」
探偵キム・ピルソン再び。そして遂にチン代表の目的とされる儀式の内容が判明…その恐るべき目的とは…。
第11話「犬神」
ジニとソジンは最後の戦いに備えるべく、チン代表の生家へと赴く。
注:過去に起きた出来事の真相と、張られた伏線が明かされます。
第12話「終現」最終話
フォレスト株式上場の日、イベントが執り行われる会場には関係者が集う。そして怪しげな儀式が始まります…、果たして、呪いの森にタグ付けされた人々の運命や如何に…。
ジニとソジンは仕掛けらた巨大な呪いに打ち勝つことができるのか…。
ドラマ版『謗法』は恐ろしくも切なく悲しい物語でした。
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中央にジニとソジンの姿が描かれています
さて、いよいよ『謗法』の劇場版『呪呪呪/死者をあやつるもの』です。
HPでは、やたらと新感覚ゾンビ映画と謳っていますが、わたしは、この映画をゾンビ括りにするのは違うと思うのです。
これは、あくまでも個人的な見解です。
正直、ゾンビものに辟易しているわたしがいて(笑)この映画をゾンビ括りにすることに抵抗を感じるのです。
それは…。
ブードゥー教が土着の宗教として定着している地域に於いて、実しやかに語られる “ ゾンビ・パウダー “ の存在。
文化や生活に密着し、身近に存在する “ 呪術 “ への畏怖。
アジア地域に偏在する “ 死者を操る方法 “ などは、宗教的思想によって齎された恐れのカタチのひとつであり、昨今流行りのゾンビとは明らかに違うからです。
ゾンビものはヒットしないというジンクスも今は昔…ドラマ『ウォーキング・デッド』に肖ろうと、二匹目のドジョウを狙い “ 我も我も “ とゾンビものを濫発したため、今や飽和状態感は否めません。
それだけ扱い易いテーマなのでしょうが、だからこそ安易さが露呈し易いのもまた事実と言えます。
ドラマ性を上げるためなのか何なのか、ゾンビものに悲哀やロマンなどを組み込んだ作品も多々存在しています。
ここまで来るとさすがに頂けない(><)
わたしにとってのゾンビものって、ある意味、結果が見えている…そんな予定調和を楽しむものでした。
如何に加味し盛ったとしても結果は変わらない…それらを享受するのはやはり難しく、故に苦手となっとしまいました。
わたしが思う楽しかったゾンビ映画は『ウォーキング・デッド』以前のものが多く、以後に展開されたゾンビものは、その自由度の幅から矢張り苦手のようです(><)
わたしの個人的見解はさておき、お話しを『呪呪呪/死者をあやつるもの』に戻しますね。
[劇場版・登場人物]
ジェシー・ジョン
都市探偵に新しく参加した撮影スタッフ。
キム・ジョンギュン
スンイル製薬・研究員。
パク・ヨンホ
ヒルハウスホテルに現れた、死体が人を殺した事件の犯人だという謎の男。
キム・ミンソプ
スンイル製薬・理事。殺害予告の1番目に指定されている。
イ・サンイン
スンイル製薬・専務。殺害予告の2番目に指定されている。
ピョン・スンイル
スンイル製薬・会長。殺害予告の3番目に指定されている。
ピョン・ミヨン
スンイル製薬・常務。スンイルの娘であり次期会長の座を狙っている。
『呪呪呪/死者をあやつるもの』あらすじ
冒頭、不可解な事件が発生します。
それは、とある事件現場でのこと…被害者の側に頽れた容疑者の死体が発見されます。
検死報告によると、被害者の体内からは多量の麻痺性貝毒が検出。
容疑者とされる頽れた死体は、3カ月前に死亡したものだった。
死体が殺人を犯す…この事態に、
「奇怪な事件が起きたな、また…」
と、広域捜査隊班長チョン・ソンジュンが呟く。
これが物語の始まりとなります。
韓国で配信中のネットニュース「都市探偵」の共同代表であり、『嫌悪と呪術』の著者イム・ジニがゲスト出演したネットラジオに、謎の人物からのジニ宛の電話が入る。
⚠️DJが明らかに不遜な態度であり “ 迷信にとらわれたと非難され、この本で汚名をそそごうと、刺激的な話しを盛り込んでいる “ など、多分に失礼な決めつけ発言を繰り返しており、このことから「フォレスト事件」の後、ジニがかなりの風評被害を受けていることが判ります。
⚠️また、当時、姿を消したという謗法師の話しを振り、 “ 連絡は取れていない “ と言うジニに対し、事件の裏付けとなる唯一の証人はいない…とまで言い切っていることからもジニはあまり良い立場に置かれていないことが判ります。
「昨夜、死体による殺人が起こりました。警察に問い合わせれば事実と判明するでしょう。わたしが犯人です。明日、午後2時にインタビューを…」
謎の人物は “ 住所を送った “ と告げ、ジニの携帯に “ ヒルハウスホテル6階 宴会場 “ と記されたメールが届く。
ジニは都市探偵の事務所へ。共同代表であるキム・ピルソンが手配した警察内部資料に目を通す。
被害者の名前はキム・ジョンギュン 元スンイル製薬・研究員だという。
犯人の遺体の検死報告には、死後3ヶ月は経過しているという。
「ラジオで言っていた通り、死体が人を殺した事件だ」
と、ピルソン…さらに、犯人の身元を洗い出すと言う。
そこに夫のソンジュンが部下を連れて現れ “ インタビューをするな “ と苦言を呈す。
ソンジュンの忠告を聞かずにインタビューを強行するジニ。
ヒルハウスホテルに現れ、怪事件の犯人だと主張する男のインタビューが始まる。
男の名前はパク・ヨンホ…、死体を操る呪術師だと言う。
ジニは、インタビューを要請した理由を訊ねると、パクは “ 警告するため… “ だと言い、 “ 今後、さらに3人を殺すつもり “ だと言う。
そして3つの犯行予告が語られる。
「先ず、2日後の 明後日 午後2時にスンイル製薬のキム・ミンソプ理事。その2日後の 午後2時にスンイル製薬のイ・サンイン専務。その2日後の午後2時にスンイル製薬のピョン・スンイル会長を殺します」
「殺人を防ぐ方法は簡単です。ピョン会長が自らの過ちに対して誠意ある謝罪をするだけでいいのです。他の方法ではダメです。会長が謝罪すべきです。誠意ある謝罪かどうか…イム・ジニさんか判断して世に出して下さい…話しは以上です」
パクは言い終えるとジニを人質にしホテルから出て行こうとするが、警官たちに阻まれ1階のエントランスで土塊のように崩れ、死体と化し動かなくなる。
ジニは民俗学のタク・ジョンフン教授のもとを訪れる。
「調べてみたんですが、呪術師に操られる死体を「在此矣」と言います。更に「在此矣」の腕に付いた紋様を使う国は1つだけ…インドネシア…」
「黒魔術を使う “ ドゥクン “ と呼ばれるインドネシアの呪術師です」
と断言するタク教授。
この事件には、スンイル製薬が何らかのカタチで関与していることは明らかである。
しかしそれが何を意味するものなのか。
さらに、呪いによって動く死体在此矣、黒魔術、インドネシアの呪術師ドゥクン…その呪いの根幹にある隠された秘密とはいったい…。
ジニはこの呪いと如何に対峙するのか。
そして、ソジンの行方や如何に…。
楽しんで下さいね♪
妖怪、呪術、怪異…と、このての題材が大好物な弥栄が、放っておく訳がない作品でした(笑)
可能であればレンタルや配信などで、ドラマ版から観て欲しい作品です。
劇場版だけでの情報では偏りがあるため、かなり足りないと思います。
ドラマ『謗法』で物語の背景などを知ったうえで劇場版を観ると、物語がより鮮明に判じ得ると思われます。
良かったら是非…お薦めです。
最後に、劇場版のラストシーン…病室の場面です。
(実は、このシーンの後、エンドロールの始まり直後に、この物語の結末をとなる1シーンと、エンドロール後にまた何かが蠢きだす、そんな不穏で怪しい気が漂う1シーンが用意されています。これが次回作へのフリなら嬉しい限りです)
何気ない雰囲気で、それが当たり前のように自然に締め括られたラストカット…その最後ワンカットに込められ思いに、思わず目頭が熱くなり “ 観て良かった “ と実感したのでした。
『謗法』という作品がわたしの中で昇華したような温かい感覚。
それは『謗法』を好きだと言う人が見たかったであろうシーン…だと思うのです。
たぶんこれは、ドラマと映画を通して観た人への、ちょっとした特典のような、そんな感じでした。
あなたは何を感じるのでしょうか✨
では…。
最後まで読んで下さりありがとうございました♪感謝✨✨