George Asami

歌とギターとベースと酒 https://www.youtube.com/channel/UCaKwzQYv_4kC3R1vSR7I--g 万願寺卍Burning ベース/ボーカル ボカロサークル「オトホギ」 公式:otohogi.com Tw:@project_otohogi

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最近の記事

太宰治の『右大臣実朝』とジル・ドゥルーズ

太宰治の『右大臣実朝』を読んでみようと思ったのは、昨年自分の周りの多くの人がとてもいいと言っていた『鎌倉殿の13人』の総集編を年末年始に一気見して、ずっと昔に読んだこの小説を思い出したから。 昔は吾妻鏡の引用がかったるくて真剣に読んでいなかったし、当時から太宰治のイメージってそんなに洗練されたものでもなくて、今こうして太宰治なんて名前を文スト以外の文脈で書き連ねてネットに晒すことにも、なんだかとても大きな恥の感覚を伴う。 それでも『親友交歓』や『トカトントン』みたいな途轍

    • ジェリー・ジェフ・ウォーカーと、ルッケンバックに住んでいた老人の話

      ホンドクロウチという人の名前を不意に思い出してググってみたのだけれど、日本語では殆ど何も情報が得られなかった。なんだよクソみたいな情報は山ほどあるのに。 まあ確かにこんな人のことを調べようと思う人もまずいないだろうから仕方ないだろうとは思う。自分もこのホンドクロウチをうまく紹介できるほどにはよく知らない。 彼の美しい横顔はJerry Jeff Walkerの70年代後半のアルバム『A Man Must Carry On』の2枚組見開きジャケットで見ることができる。ライナー

      • 国道26号線を走りながらカーステレオで聴いたトニー・ジョー・ホワイト

        勿論そんなことは誰もが知っているし言っていることなので、取り立てて強調するほどのことではないけど、この「For Ol' Time Sake」が納められたトニー・ジョー・ホワイトの6枚目のアルバム『Homemade Ice Cream』はとてもいい。多分これは心斎橋のどこかの中古レコード屋で手に入れた。 手に入れたのはおそらく80年代後半で、この手の音楽はまだまだアナログ盤でしか聴けなかったんじゃないかな。Tony Joe Whiteの初期Monument時代のアルバムは3枚

        • フジファブリック「若者のすべて」の副助詞「も」の話

          この歌には花火が出てくる。 夏の空に打ち上がり、瞬間あまりにも華麗な姿を晒した後、消えてゆく。その瞬間の華麗すぎる美しさ故に、消えてしまったときの、終わってしまった時の切なさは大きい。 打ち上がっては消えてゆく花火の、その一瞬の刹那の美しさと儚さは、天気予報士が出ているテレビや、夕方5時のチャイムや、ひとつずつ灯ってゆく街灯などの「繰り返される日常」の言葉と対比されている。 うんざりするほど繰り返される日常を、垂直に切り裂いて広がってゆく花火の美しさ。でもこの歌はそんな

          Charley Pride - Is Anybody Goin' To San Antone -

          タイトルの写真に載せた『Doug Sahm And Band』は数あるダーグ・サムのアルバムの中でも名盤という話は多分衆目の一致するところで、フィドルを持ったダーグ・サムの隣で楽しそうにギターを弾いている絵はボブ・ディランで、ピアノにMac RebennacことDr.Johnがいて、クレジットにはFlaco Jimenezの名前もあって、もうこの絵を見ているだけでも楽しそう。 この「サンアントンへ行こう」はこのアルバムの冒頭に収められているけど、最初に聴いたのは、ダーグ・サ

          Charley Pride - Is Anybody Goin' To San Antone -

          Elvis Presley - In The Ghetto -

          エルヴィス・プレスリーって、いま若者たちにどのような受け止められ方をしているのでしょうね。60年台生まれの私にとっては、70年台にベガスのショーで歌っていたイメージが強くて、50年台の、あまりにもカッコ良いエルヴィスの姿に辿り着くまでには少し時間がかかったような気がする。 偉大な人って、偉大で影響力が大きいからこそ、次の世代からすると、ちょっとした揶揄の対象になってしまうようなことって、よくありますよね。私も、大仰な暑苦しいダサい感じのイメージを持ってました。一世を風靡した

          Elvis Presley - In The Ghetto -

          Ray Price - For The Good Time -

          最初にこの曲を聴いたのが、誰のバージョンだったのか、すでに思い出せない。多分アル・グリーンだったような気がする。当時は3連のバラードって、あまり好んでなかったので、そんなに印象に残らなかったのかな。 RCAのカントリーのオムニバスの中で、Jimmy Dean & Dottie Westが歌っていて、最初はこっちが強く印象に残ったんですよね。Ⅱmから始まるAメロがなんとも素敵だなと思い。スチール・ギターの音色とフレーズがたまらなくいい。二人の声とハーモニーも素敵。いま聴きなお

          Ray Price - For The Good Time -

          The Stills-Young Band - Long May You Run -

          元々こうやって自分で歌ってYouTubeに曲をUPしていこうと思った時に、50曲か100曲くらいやるまでは1アーティスト1曲に限定してあげて行こうと考えたんですね。恐らく自分が好きで歌いたいアーティストって、少なくとも100組くらいはいるだろうと。 でも実際やってみると大変でして。聴くのと、弾いて歌うのとでは大違いというか。当たり前ですけどね。でもこの半年で40曲以上はこの原則を守りながらUPできたので、今しばらくこの原則も続けようかなと。 この「Long May You

          The Stills-Young Band - Long May You Run -

          Guy Clark - Like A Coat From The Cold -

          デニムのシャツが白い壁にかかっていると思ったらそれはキャンバスに描かれた白い壁とシャツ。このアルバムカバーを見ながら何回聴いたんだろう。ガイ・クラークの1stアルバムのジャケット。 このジャケットが好きな人、とても多いんじゃないかな。まあもちろん中身もいいからですけどね。新橋の素晴らしいBar「Sleep Walk」にも飾られていて、店に入った瞬間に目に飛び込んできてとても嬉しかった。全然行けてないな…Sleep Walk。 この帽子。デニムのシャツ。くわえタバコ。白い壁

          Guy Clark - Like A Coat From The Cold -

          The Slickers - Johnny Too Bad -

          伊勢に外村伸二さんという知る人ぞ知る素晴らしいシンガーソングライターがいて、いま私が歌っている曲って元々この人から教えてもらったものも多くて。この曲も最初は学生時代に彼がやっていたバンドではじめて聴いたのかな。 その頃タージ・マハルの『Mo.Roots』というアルバムを、これも確か彼の下宿で聴いたか、彼からレコードを借りたんですよね。その後ベスト盤を買って、他のアルバムもいくつか聴いて。タージ・マハルって、変わった名前だし、歌もアレンジもなんか独特な雰囲気のある人ですよね。

          The Slickers - Johnny Too Bad -

          The Cascades - Rhythm of the Rain -

          邦題は「悲しき雨音」。いい曲。でもそもそもカスケイズについてはほぼ何も知らない。シルヴィ・バルタンのは持ってましたが、この有名なオリジナルはほとんど聴いたことなかったかも。 Wikiによると1962年のシングルで、全英5位。「さらば青春の光」のサントラでも使われたと。日本ではザ・ピーナッツがヒットさせてましたね。越路吹雪、弘田三枝子もカバーしてますが、ピーナッツとは違う歌詞を乗せてます。 この歌を、改めていいな、と思ったのは、ジェシウィンチェスターが2014年にリリースし

          The Cascades - Rhythm of the Rain -

          The Beatles - Blackbird -

          私が最初に聴いた「Blackbird」は、実はジャコ・パストリアスの『ワード・オブ・マウス』に入ってるやつなんですよね。革命的なベースによる演奏。多分高校一年生くらいでしょうか。その頃はベースばかり弾いてて、ジャズライフだったかな、雑誌にスコアが載ってて一生懸命コピーした。 ビートルズにあまり興味なかったんですよね、高校生当時って。ビートルズどころか全てのロックに対して、さして興味がなかったし、ほとんど聴いてもいなかった。格好つけてジャズばかり聴いてたからw。だからこの有名

          The Beatles - Blackbird -

          Tom Waits - San Diego Serenade -

          ちょうど昨日(2020年11月1日)、辻堂のBAY134でShime&西海孝のライブを観てきたんだけど、そこでも演ってましたね「サンディエゴ・セレナーデ」。この曲の歌詞が好きな人、多いだろうな。『The Heart of Saturday Night』の2曲目。1曲目の「New Coat of Paint」から続けて聴くと本当にこの人の歌の世界にやられてしまう。それにしてもなんて素敵な詩なんだろう。 昔民放で井上堯之が司会をしている音楽番組があって、そこで「in the n

          Tom Waits - San Diego Serenade -

          Duane Allman with Cowboy - Please Be With Me -

          ロックを聴き始めたとき、オールマン・ブラザーズは既に伝説だったし、デュアン・オールマンはもちろん他界して、伝説以上の圧倒的な存在だった。当時はシンプルで短い歌が好きだったから、一曲20分くらいの曲が入っているフィルモアのライブとかは、長い間聴く気になれなかった。今は凄いなーーと思いますけどね。 人のセッションのバックで弾いているデュアン・オールマンがとても素敵だなと思ったのはいつ頃だったかな。レコードコレクターズなんかを読み漁っていた時期のはず。Ry Cooderのスライド

          Duane Allman with Cowboy - Please Be With Me -

          Bobby "Blue" Bland - Members Only -

          マラコレーベルのこのアルバムをどうして知ったのか、あまり記憶にない。CDで持ってるということは社会人になってから聴いたんだと思う。これ、めっちゃええ曲やん、と思ったのは覚えてて、このアルバムがボビー・ブランドとの出会いだった。 ボビー・ブランドは、ええ声。そう思い、古いレコードを見かけると買うようになって、ABC時代のも聞くようになった。遡るようにデュークでの強烈なBluesも聴くようになった。 50年代、60年代のデューク、70年代のABC/MCA、80年代以降のマラコ

          Bobby "Blue" Bland - Members Only -

          Bobby Charles - Small Town Talk -

          おおはた雄一さんの2007年のアルバムは、この曲のタイトルがアルバム名になってました。あわせて「I Must be In A Good Place Now」もカバーしてて。とても素敵なギターの響き。やっぱりボビー・チャールズ好きなんよね、わかるよ!わかるー!って思いながら聴いてました。 シャノン・マクナリーも2013年のアルバムをこの曲のタイトルにしています。彼女の声もこの歌に実にフィットしてる。いい。ほんと、いい。アルバムごととてもいい。 『It all Comes B

          Bobby Charles - Small Town Talk -