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Charley Pride - Is Anybody Goin' To San Antone -
タイトルの写真に載せた『Doug Sahm And Band』は数あるダーグ・サムのアルバムの中でも名盤という話は多分衆目の一致するところで、フィドルを持ったダーグ・サムの隣で楽しそうにギターを弾いている絵はボブ・ディランで、ピアノにMac RebennacことDr.Johnがいて、クレジットにはFlaco Jimenezの名前もあって、もうこの絵を見ているだけでも楽しそう。
この「サンアントンへ行こう」はこのアルバムの冒頭に収められているけど、最初に聴いたのは、ダーグ・サムの別のライブアルバムだったと思う。そこでは「クレイジー・アームス」や、テックスメックスのスタンダード「Jolie Blonde」なんかも演奏してて、音は悪かったんだけど、小さな南部のライブハウスの雰囲気と、演奏のご機嫌さが伝わってくる感じで、特にこの曲はお気に入りだった。
どうでもいい話ですが、この人は「Doug Sahm」名義と別に「Sir Douglas Quintet」名義でもすごくご機嫌なアルバムをたくさん出してて、itunesでアーティスト検索するときにDとSを行き来しなきゃならないのが面倒だったな。
テキサスとメキシコのボーダーの音楽の歴史を語れるほどに詳しくはないのだけれど、ダーグ・サムの名前はそんな所謂「テックスメックス」の言葉とともに記憶されてて。ライ・クーダー経由でフラーコ・ヒメネスを知ったり、もともと好きだったアメリカの南部の音楽が、ダーグ・サム周辺のおかげでさらに好きになった。
スペインの血を受け継ぐメキシコと、フランスの植民地だったルイジアナと、この辺りのケイジャンやザディコやクリオールといったキーワードを深く探究してみると面白いよね、とか思いながら結局好きな音楽を時々思い出して引っ張り出して聴く、ということを30年ほど繰り返してるだけであまり掘り下げられていない。アメリカの南部の歴史とも合わせて、色々掘り下げて聴いてみたいと、改めて思うけど、根が怠惰なので、やるかどうか。
さて、ダーグ・サムの事ばかり書いてきましたが、ちなみにこの曲のオリジナルはチャーリー・プライドで、実はこの人は黒人で初めて成功したカントリーシンガーとして有名らしい。カントリーシーンに与えた影響はかなり大きいらしく、コロナでつい先日逝去されたんだけど、とても大きく報道されている。
白人がソウルやリズムアンドブルースを歌って成功している例はたくさんあるけど、ナッシュビルのカントリーシーンって、なんか私は保守的なイメージを持っていたので、そこで大スターになるって、並大抵のことではないような気がして。でも確かにいい声なんですよね。カントリーにすんなりハマっていて、とても素敵。
Charlie Pride
Doug Sahm
雨が俺の帽子の縁から滴り落ちる
今日は確かに寒い
俺はルート66を歩いているところ
彼女が俺をこんな目にしなけりゃと
道路脇の公園のテーブルの下で眠る
男は 朝起きたら死んでいるかも
だけど俺たちのキングサイズベッドで寝るより
はるかに暖かく思える
誰かSan Antone かPhoenix , Arizona
に行く人いないかい?
どこだっていいんだよ
しばし彼女が忘れられる所なら・・・