イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実
ヒマラヤに棲むといわれる、謎の生物「イエティ」を追った本です。ヒマラヤの雪男とも呼ばれるものですね。
著者の根深さんは、生粋の山男です。一九七〇年代から、ヒマラヤに通い詰めているという方です。ヒマラヤの地形、気候、風俗などに精通しています。
イエティがいるといわれる、その現場を知り尽くしていることは、大変な強みです(^^)
根深さんは、その知識や、体力や、登山技術や、人脈を駆使して、イエティの正体に迫ってゆきます。
本書は、「イエティ」半分、「ヒマラヤ紀行」半分といった内容です。やはり、謎の生物イエティには、そうそう遭えるものではないため、そうならざるを得ないんですね。
でも、「ヒマラヤ紀行」の部分も、面白いです(^^) ヒマラヤの実情を知ることなしには、ヒマラヤの生物なんて、探りようがありませんからね。
そもそも、普通の日本人では、ヒマラヤに行くことさえ、難しいわけです。なかなか見られない世界を、根深さんが紹介してくれています(^^)
根深さんのおっしゃることには、「イエティは、謎の生物なんかではない」そうです。
それは、既知の、ある生物の呼び名だというのです。
その生物こそが、イエティの正体、なのですね。ネタばれしては面白くないので、ここで、その生物を明かすのは、やめておきます。
興味深いのは、ヒマラヤで暮らしている人々の多くが、「イエティ」を、私たち日本人が思うような、未確認生物だとは思っていないことです。たまにしか見られないけれど、既知の、普通に生きている生物だと思っているそうです。
現地での認識と、世界に広まってしまった認識とには、ギャップがあります。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
プロローグ ヒマラヤ放浪の果て
第一章 クーンブ イエティの起源を探る
クーンブへの旅
観光化が進むクーンブ地方/古馴染のアヌー・シェルパ/エヴェレスト街道/
シェルパの故郷 ナムチェ・バザール/雪男はどのように登場したのか
イエティの目撃談と伝承
イエティに襲われた少女/タンボチェ僧院に現れたイエティ/
バンボチェの僧院へ/高僧が語るイエティ伝説/心眼に映るイエティ
イエティが現れた谷へ
アヌー・シェルパとの道中/イエティに襲われたカルカ/
ヒラリーとイエティの毛皮/イエティをだました民話/イエティの頭皮は本物か
雪男探検隊が追い求めたもの
イエティは未確認動物か/日本で最初の雪男探検隊/
日本にあった雪男の足
第二章 トルボ ヒマラヤ辺境にメテを追う
トルボへの旅
西北ネパールの辺境へ/チベットの”テモ”の剥製【はくせい】/
険路、峠を越えて/馬方ヌルブとの再会/大峡谷の集落サングダ村/
巡礼の家族/標高五千メートルの峠越え/無人地帯とカンパ・ゲリラの家
メテの正体が判明
変貌したツァルカ/懐かしいアマの家へ/メテの頭骨の謎/
ツァルカ村滞在の日々/伝統医が見せてくれたメテの写真
雪男の真実に迫る
雪男の正体/ヒトラーと雪男/雪男、イエティ、ヒグマの関係/
さらば、トルボ/雪男の剥製の手がかり
メテの棲息地調査
メテが棲息するチャンチュン・コーラ源流/メテはマーモットを食べる
第三章 ムスタン 生きている雪男を探し求めて
ヒマラヤの小王国ムスタンの旅
ジョムソン街道/カリ・ガンダギをたどる/茫漠の荒野をツァランへ/
河口慧海【かわぐちえかい】ゆかりの村/城郭都市ローマンタン/
ムスタン・ラジャに謁見/雪男の毛皮はどこに?/
村人たちがメテを殺した話/ジャビアンとの道中記
ダモダールクンド探検
メテが出没する聖地/総勢四名の雪男探検隊/先行き不安な出発/
旅の母娘と同行する/赤ん坊のミイラ/困った馬方と旅の道連れ/
桃源郷ダモダールクンド/メテの痕跡を見つける/ペワ・ヒマールIII峰登頂/
ガウギリ登山の顛末【てんまつ】
エピローグ ヒマラヤ観光化の時代に
あとがき
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