大恐竜時代―中国・日本の研究最前線
中国と日本の恐竜について、詳しく載っている本です(^^)
ただし、二〇一二年現在では、二〇年前の本です。情報が古いのは、いなめません。
けれども、二〇年前の本であることには、利点もあります。
一九九〇年代といえば、日本で、続々と恐竜化石が発見され始めた頃です。その頃の熱気を感じることができます。
ちなみに、この頃には、まだ、福井県立恐竜博物館―恐竜ファンの聖地!―は、できていません。
また、日本の恐竜と類縁が深い中国の恐竜について、まとめて紹介した本は、今でも少ないです。本書は、その点で貴重です(^^)
一九九〇年代には、中国での恐竜発掘の成果が、世界に紹介され始めました。当時としては、驚くべき成果が、本書に紹介されています(^^)
例えば、剣竜【けんりゅう】の仲間の多くに、肩の棘があったことは、この頃に発見されました。
竜脚類【りゅうきゃくるい】の一部の種に、骨質尾錘【こっしつびすい】があったことも、この頃の発見です。骨質尾錘とは、骨でできた尾の棍棒【こんぼう】です。肉食恐竜に対抗する武器として、使えます。
黎明期の日本の恐竜研究と、中国の恐竜研究の成果を、お楽しみ下さい(^^)
イラストや写真が多く、説明も、わかりやすいです。恐竜がお好きな方なら、楽しく読めるでしょう。
なお、恐竜の種名として、普通に挙げられる「○○サウルス」というのは、ラテン語の学名です。
本書には、この学名以外に、中国語名(漢字名)も載っています。カタカナの羅列では、意味がわからない名前も、漢字名になると、わかりやすいです。これは、ありがたい情報ですね(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
日本の恐竜研究最先端
第1章 ヴェールをぬぐ神秘の恐竜たち
共倒れ
砂に埋もれた甲竜の子供たち
新発見!剣竜の肩棘と皮膚
巨大なプロトセラトプス
窃蛋竜(オヴィラプトール)の悲劇
アジア最大の竜脚類
竜脚類にもあった骨質尾錘【こっしつびすい】
セグノサウルスの謎
姿を見せはじめた日本の恐竜たち
第2章 中国の恐竜たち
中国の恐竜発掘の歴史
ルーフェンゴサウルス動物群
シュノサウルス動物群
マメンチサウルス動物群
シッタコサウルス―翼竜動物群
チンタオサウルス動物群
恐竜時代の終焉
第3章 日本の恐竜と中国の恐竜
日本の恐竜
手取層群の恐竜動物群
座談会 日本の恐竜と中国の恐竜との関係
索引