人魚伝説 (「知の再発見」双書)
人魚という幻想の存在について、いろいろと解説した本です。
不思議なことに、人魚という存在は、世界の各地で、語り継がれてきました。ヨーロッパと日本のように、遠く離れた地においてさえ、ある程度、共通したイメージがあります。
けれども、「半分がヒト、半分が魚」という、人魚の実在が証明されたことは、これまで、一度もありません。
証明されたように見えた時もありました。それは、常に、何かの間違いでした。
にもかかわらず、人魚の伝承は、二十一世紀の現在にまで、語り継がれています。
人類にとって、人魚とは、非常に想像力を刺激されるもののようです。
人魚のイメージが、どこで、どのように伝えられてきたのか、本書は、それを追っています。
著者がヨーロッパの人なので、ヨーロッパの伝承が中心です。アジアの伝承も、少し、取り上げられています。
人魚について知りたいなら、本書は、一読の価値があります。
ほとんどのページに、人魚に関する図版があります。その多くが、カラーです。図版を見ているだけでも、楽しい本です(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
日本語版監修者序文 荒俣宏【あらまた ひろし】
第1章 セイレーンの歌声の魅惑
第2章 セイレーンから人魚へ
第3章 人魚の正体
第4章 人魚姫
資料篇(1)怪物と博物学の出会い
(2)古代の神話
(3)中世の想像界における驚異
(4)博物学者たちにとっての謎
(5)人魚、詩人たちの詩神【ミューズ】
(6)東洋の人魚
(7)日本の近代文学の中の人魚
(8)人魚はまだ生きている
INDEX
出典(図版)
参考文献