沈黙の古代遺跡 マヤ・インカ文明の謎
題名は、『マヤ・インカ文明の謎』ですが、紹介されているのは、この二つの文明に限りません。
アステカ、オルメカ、ナスカなど、中米と南米の有名な文明は、だいたい網羅されています。
写真や図版が多く、わかりやすいです。そのうえ、文庫本なので、手軽に入手しやすいです。
中米や南米の古代文明を知りたいなら、入門書として、お勧めです。
この本では、中米・南米のものに加えて、南太平洋のイースター島の文明や、日本の北硫黄島【きたいおうとう】の遺跡まで、紹介されています。
イースター島の文明は、「南米の文明と、関わりがあるのではないか?」といわれていますね。このために、一緒に載せたようです。
ただし、二〇一〇年現在では、「イースター島の文明と、南米の文明とは、関わりがあったとしても、薄い」という説が、有力です。
北硫黄島の遺跡については、日本国内でも、ほとんど知られていませんね。
なにしろ、現在では無人島であり、絶海の孤島―東京から南へ、一三〇〇キロ!―ですから。この島の遺跡の報告として、貴重です。
ちなみに、この島の遺跡が、中米や南米の文明と関係している証拠は、一切、ありません。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
カラー折り込み
古代アンデス文明の五つの時代
マヤ・アステカの遺跡と文化圏
古代アメリカ文明の評価――まえがきにかえて
第一章〈カラー版〉驚異のマヤ・インカ文明
世界最大ナスカ地上絵の謎
ナスカ・パーフェクト・マップ
プレ・インカの巨大ピラミッド
幻の黄金郷シカン
インカ帝国最後の都マチュ・ピチュ
マヤ・アステカ「最後の絵文書」
オルメカの巨石人頭
テオティワカン市街の復原図
ティカル市街の復原図
暦のピラミッド、チチェン・イツァー
チチェン・イツァー案内図
イースター島モアイ像
第二章 ナスカ地上絵の謎
極限まで乾燥した砂漠に残る ナスカ地上絵二〇〇〇年の謎
第三章 神秘の古代アンデス文明
[1]ナスカからインカ帝国まで 古代アンデス文明五つの謎
[2]プレ・インカのタイムカプセル 古代ペルーの巨大ピラミッド
第四章 太陽の帝国インカの黄金伝説
[1]アンデス黄金文明のルーツ 幻の黄金郷シカン発掘
[2]インカ帝国最後の都市 マチュ・ピチュ、天の要塞
[3]二五〇〇キロをわずか五日で結ぶ インカ帝国・驚異の情報ハイウェイ
第五章 マヤ文明の起源
[1]奇妙な文字が記した高度な暦や血の儀式 マヤ・アステカ「最後の絵文書」
[2]マヤにつながるメソアメリカ最古の文明 オルメカ「巨石人頭」の謎
[3]メキシコ高原に栄えた世界有数の古代都市 テオティワカンの巨大ピラミッド
第六章 暦が語るマヤ文明
[1]紀元前三一一四年八月一三日、何かが始まった マヤ文字で読むティカルの興亡
[2]暦のピラミッド チチェン・イツァー謎の天文学
[3]コパンの石碑が記録する マヤ文明の滅亡
第七章 イースター島巨石文明の謎
[1]南太平洋の絶海の孤島、イースター島 沈黙の巨像モアイは誰が造ったのか
[2]ドクター・シノトーに聞く古代文明の謎 イースター島モアイ像のルーツ
第八章 縄文人は太平洋を渡った!?
[1]縄文人は太平洋の島々にまで航海したのか ポリネシアにあった縄文遺跡
[2]南太平洋の幻の古代民族 ラピタの驚異の航海術
[3]北硫黄島は伝説の“見えない島”か? 絶海の無人島に謎の古代遺跡発見
[4]ミトコンドリアDNA、頭蓋骨計測で検証 縄文人は南米まで行ったのか?
索引