メキシコから来たペット―アメリカの「都市伝説」コレクション
ブルンヴァンを読まずして、都市伝説を語ることなかれ!
都市伝説という言葉を、世に広めた功労者、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の著作です。邦訳では、ブルンヴァン氏の第三作となります。
邦訳第一作『消えるヒッチハイカー』と、第二作『ドーベルマンに何があったの?』(または、『チョーキング・ドーベルマン』)を読んでいなくても、楽しめます(^^)
第一作・第二作と同じように、米国の都市伝説を、たくさん紹介しています。
この第三作は、前の二作を含めた総集編の色が濃いです。前二作と重なって、同じ都市伝説がいくつも紹介されています。「そこが納得いかない」という方も、いるでしょうね。
逆に考えれば、総集編だから、良いこともあります。
有名な都市伝説が、これ一冊で、おおむね、網羅できます(^^)
都市伝説について、実のあることを語ろうとするなら、ブルンヴァン氏の著作を読まずに済ませることはできません。
米国の都市伝説とはいえ、二〇一二年現在では、かなりのものが、日本に輸入されています。
表題になっている「メキシコから来たペット」の話からして、私は、日本で聞いたことがあります。
「メキシコから来たペット」の話は、以下のようなものです。
ある米国住まいの女性が、メキシコへ旅行に行きました。彼女は、そこで、自分になついてきた子犬を、米国へ連れ帰ります。やがて、子犬の具合が悪くなったため、彼女は子犬を獣医へ連れてゆきました。すると、獣医が驚いて言います。「これをどこで見つけましたか? これは……」
続きは、ぜひ、本書でお読み下さい(^^)
この話のバリエーションは、きっと、いくつもあるでしょう。舞台になるのは、メキシコでなくても、東南アジアとか、南米とか、やや「未開」だと思われている地域のはずです。
これは、「未開の地」に対する恐怖を表わした都市伝説ですから。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
この中には、あなたが聞いたことのある話が、一つや二つ、必ずあるはずです。
はじめに・都市伝説に終わりはあるのか
謝辞
1 動物の話
「メキシコから来たペット」 「盗人カンガルー」 「巨大なナマズ」 「蛇の缶」
「不運な水上スキーヤー」 「不注意な泳ぎ手」 「包み中の死んだ猫」
爆発する動物 「動物の復讐」 「のどをつまらせたドーベルマン」
2 車にまつわる話
「消えるヒッチハイカー」 「首をはねられたペットあるいは人」
「バックシートの殺人者」 「アレチネズミ(あるいは蛇)が原因で起きた事故」
「狂人とタイヤのナット」 「切断された指」 「老人対若者」
3 怖い話
「小利口なベビーシッター」 「戦争成金」 「母親の脅し実行さる」
「キャベツ畑の悲劇」
医療にまつわる怖い話―「クモの咬み傷」、「髪の毛の玉」、「結腸・直腸のハツカネズミ」
「わたし、メアリー・ワースの存在を信じるわ」
4 汚染の話
「ユッカの中のクモ」 「不運なコンタクトレンズ」 「他人の入歯」
「盗まれた検体」 ポインセチア神話 「秘密の成分」 「食べられたペット」
人種に対するステレオタイプ的な伝説をさらに
「ユダヤ人の秘密の税金」 「革命のための共産主義者の規則」
5 セックスとスキャンダル
緑色のM&M's 蛇の話 「スキー事故」 「露出狂のエイボン化粧品売り」
「グリーン・スタンプ」 「初対面のデート」 「キルケニーの未亡人」 「七面鳥の首」
「つかまえた!」―「証拠」、「犬の散歩」
「悩んだ花嫁」
6 犯罪の話
「ビスケットの包み」 「うしろめたいダイエット中の人」 「くじ引き券」
「万引きと冷凍チキン」 麻薬の密輸に関する伝説 「助けになるマフィアの隣人」
「誘拐未遂」 「毛むくじゃら腕のヒッチハイカー」
7 製品、職業、有名人
「安あがりの車」
製品の誤用についての伝説と、法律にまつわる怖い話―「芝刈り機事件」、「ブタン入りライター」、「コンタクトレンズ」
法律上の怖い話 報償のうわさ
「ゲイのイエスを題材にした映画に関する嘆願書」
有名人のうわさと伝説―抜粋―「ケネディ紙幣」、「マイケル・ジャクソンの電話番号」、「マイケル・ジャクソンのダンシング・パートナー」、「道化者ボーゾーの失敗」、「ドリー・パートンのダイエット」―あるジャーナリストの放浪の旅―
大学に関する伝説 「曲芸師のような教授」
大学試験答案用紙についての伝説
寮生活(と死)―「びっくり!」 寮生活(と死)―「ルームメートの死」
おわりに・都市伝説は決して終わらない
訳者あとがき
索引