魔術の歴史
題名のとおり、魔術の歴史を解説した本です。
手品という意味の魔術ではありませんよ? 『ハリー・ポッター』に登場するような魔法や魔術の本です。
これ一冊を読めば、世界の魔術や魔法について、大ざっぱなところはわかります。
中でも、ヨーロッパの魔術について、詳しいです。
一九八七年に出版された本ですが、内容は、古びていません。
ヨーロッパや米国で起こった、悪名高い「宗教裁判」や、「魔女狩り」についても、載っています。
読んでゆくと、「魔術とは、社会的な文脈の中で生まれるものだ」ということが、はっきりとわかります。単なる超常的な力を指して、魔術と呼ぶのではありません。
少なくとも、現代の先進国では、「魔女狩り」は、過去のものになりました。
けれども、現代の先進国においても、魔術を本気で信じて、実行している人々がいます。「新しい魔女」などと呼ばれる人々です。
その魔術に、実際に効力があるかどうかはともかく、「効力がある」と信じている人たちは、実在します。
本書では、そのような現代の魔術についても、取り上げています。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
序
訳者はしがき
はじめに 魔女とは何か
第一部 魔法と歴史的魔術
1 魔法
世界中に現存する魔法
古代の魔法
魔法と宗教
2 ヨーロッパの魔術の起源
ヨーロッパの魔術の解釈
異教時代のヨーロッパの魔法、民俗、宗教
魔法の法的な位置
3 魔術、異端、宗教裁判
二元論の異端
魔法から魔術へ
4 ヨーロッパ大陸の魔女狩り
魔女狩りの広がり
魔女狩りの頂点
5 イギリスとアメリカの魔術
イギリス諸島の魔術
アメリカの英国植民地における魔術
6 魔術と社会
魔術と女性
セイレムの魔女裁判
7 魔術の衰退
ロマン派による魔術の復活
第二部 現代の魔術
8 残存する物と復活した物
現代の魔法
サタニズム
9 魔女の宗教
新異教主義魔術の発生
魔術とフェミニスト運動
今日【こんにち】の魔術
10 魔術の役割
付録 witchという語の意味
参考文献
図版目録
索引
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