たったひとつの冴えたやりかた
もはや、私ごときがレビューを書くまでもありません。SF小説の中の、永遠の名作です。
普段、SFを読まない方にも、お勧めできます(^^)
この中には、三篇の小説が収められています。表題作「たったひとつの冴えたやりかた」と、「グッドナイト、スイートハーツ」と、「衝突」の三話です。
表題作の評判が高いですが、他の二作も良いです。私は、「衝突」が好きですね。
「衝突」は、ヒトではない宇宙の知的生命体と、ヒトとの接触を描いています。いわゆるファーストコンタクトものですね。全然違う生物同士なのですから、すんなりと友好的な交流が始まる、はずはありません。
異質なもの同士が、どうやったら、破滅的な交流をせずに済むのか、考えさせられました。
表題作「たったひとつの冴えたやりかた」も、ファーストコンタクトものの一種といえます。
けれども、それよりは、元気な少女の宇宙冒険もの、といったほうが、しっくり来ます。
この作品は、「泣ける」と評判ですね。私は、泣きはしませんでした。でも、感動しました。
「たったひとつの~」の主人公コーティーは、物語の最後のほうで、重大な選択をします。それは、彼女にとって、「たったひとつの冴えたやりかた」でした。同時に、人類全体にとっても、「冴えたやりかた」でした。
ただし、人類にとっては、それを「たったひとつ」と評するのは、ためらわれます。この選択をためらわないような冷血なヒトとは、私は付き合いたくありません。
私がコーティーの立場だったら、彼女と同じ選択ができるかどうか……私には、自信がありません。
できれば、彼女と同じ選択ができるヒトになりたい、と思います。目標は高く(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
第一話 たったひとつの冴えたやりかた
第二話 グッドナイト、スイートハーツ
第三話 衝突
訳者あとがき