
古生態図集・海の無脊椎動物
これは素晴らしい本です! 可能ならば、満点を五つ星として、六つ星くらいあげたいです。
この本では、絶滅した海の無脊椎動物が、ていねいな絵で、紹介されています。三葉虫、チョッカクガイ(直角貝)、アンモナイト、フデイシ(筆石)、ウミリンゴなどですね。
前記の生物名に、まったく心当たりがない人も、多いでしょう。
でも、大丈夫です。どれか一つの生物名に心当たりがあれば、そこから入ってゆけます。この本は、とても絵が多いからです。
この本の絵は、生物学的に可能な限り、生きていた当時の姿を、正確に再現しています。それにとどまらず、どの絵も、生き生きしています。
科学的な正確さと、生気あふれる姿とを、ここまで両立できている絵は、珍しいでしょう。
前記の生物名を見て、ぴんと来るものがあった方、この本は、そんなあなたのためにある本です(^^)
クラゲ、ウミウシ、オウムガイ、ヒトデなど、海の無脊椎動物の不思議さに打たれたことのある方なら、本書を面白く読めると思います。
本書が出版されたのは、一九九六年です。二〇一〇年現在から見れば、古い知識に基づいた絵や、解説もあります。
けれども、そのことは、本書の価値を減じていません。本書の絵は、古代の生物たちの躍動する世界へ、想像の翼を広げて、私たちを連れて行ってくれます。
私が中高生の頃に、この本に出会っていたら、「海の無脊椎動物を研究する古生物学者」になっていたでしょう。
そのくらい、知的好奇心を刺激する本です。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
1. 原生動物
2. 海綿動物・古杯動物
3. 刺胞動物・有櫛動物
4. 古蠕形動物・環形動物
5. 外肛動物・腕足動物・毛顎動物
6. 軟体動物(腹足類・掘足類・斧足類)
7. 軟体動物(頭足類)
8. 節足動物(三葉虫類)
9. 節足動物(三葉虫形類)
10.節足動物(カブトガニ類・ウミサソリ類・ウミグモ類)
11.節足動物・甲殻類(カンブリア紀の奇妙な甲殻類・フィロカリス目の仲間・貝形類・橈脚類)
12.甲殻類(蔓脚目)
13.甲殻類(等脚目・十脚目・口脚目)
14.棘皮動物(ナマコ類・ウミユリ類・エオクリノイド目およびパラクリノイド目の仲間)
15.棘皮動物(ウミリンゴ類・ウミツボミ類)
16.棘皮動物(ウニ類・クモヒトデ類・ヒトデ類・ヘリコプラクス類・座ヒトデ類・蛇函類)
17.半索動物(筆石類・腸鰓類)
18.石灰索動物
19.原索動物・コノドント動物
20.所属不明の動物たち
参考図書
索引