シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)
シルクロードを実際に旅した著者が、それぞれの土地の文化や歴史について、書いた本です。
著者が旅した範囲は、西はトルコ、東は中国、南はイエメンやインド、北はウズベキスタンやタジキスタンにわたります。
これだけ広い地域には、さまざまな人々の生活があるなあ、と感じられます(^^)
解説書や事典というよりは、エッセイです。著者の素直な感動や感想が見られます。
題名には、「事典」とありますが、普通の事典のように、きちんと項目ごとに分かれてはいません。項目を引いて調べるには、向かない書物です。
題名が誤解を招くので、ちょっとだけ減点ですね。
広い地域を扱っているかわり、一つ一つの地域については、それほど、突っ込んで書いてありません。
これを良いと見るか、もの足りないと見るかは、人それぞれでしょう。さらりと読めて良いと感じる人もあれば、もっと詳しく書いて欲しかったと感じる人もいるはずです。
文章は、読みやすいです。写真が多いのも、嬉しいですね。
欲を言えば、写真の多くがモノクロなのが、惜しいです。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
シルクロード地図
1章 トルコ
1 グランドバザール 2 アヤ・ソフィア
3 トプカプ宮殿 4 隊商都市サフランボル
5 ヒッタイト帝国の都ハットゥシャ 6 カッパドキア
7 風薫るヒッサリックの丘、トロイ
2章 シリア
1 隊商都市パルミュラ 2 ヒジャーズ鉄道
3 ゴラン高原クナイトゥラ 4 断食明けの食事
5 最後のモスク、ウマイヤ
カラー写真のページ
3章 イエメン
1 砂漠の摩天楼シバーム 2 石鍋料理
3 葉をかむ楽しみ、カート 4 乳香
5 シバ王国
4章 イラク
1 円城都市 2 イブン・シーナー
3 両替商 4 戦争
5 二つのモスク
5章 イラン
1 ペルセポリス 2 ペルシアじゅうたん
3 アーシューラー 4 イスファハーン
5 小砂利の上で焼くパン 6 ゾロアスター
6章 パキスタン
1 苦行 2 カラコルム・ハイウェイ
3 タキシラ 4 アショーカ王の法勅
5 カイバル峠
7章 インド
1 ベナレス 2 沐浴祭クンブメーラ
3 アジャンター仏教石窟 4 エローラ石窟
5 ナーランダー仏教大学 6 カレー
7 コショウ
8章 ネパール
1 聖獣 2 生き神様
3 捨身飼虎【しゃしんしこ】 4 ダサイン
5 ビスケット祭
9章 ウズベキスタン
1 結婚式 2 春分の日ナウルーズ
3 アフラシアブ丘 4 青の世界
5 金の延べ棒
10章 タジキスタン
1 アレクサンドロス像 2 最後のソグド王
3 ペンジケント 4 タフティ・サンギーン遺跡
5 米料理
11章 中国
1 玉の市、ホータン 2 キジル、クムトラ千仏洞
3 ベゼクリク石窟 4 莫高窟【ばっこうくつ】
5 敦煌【とんこう】の人と暮らし 6 カラホト
7 張掖【ちょうえき】の搓魚麺【さぎょめん】 8 西安(長安)
9 開封の結婚式 10 泉州の沈没船
参考文献