ビジネス成果重視のアクションラーニング
こんにちは、秋山です。
今日は、論文読んでみたシリーズ。昨日に引き続き、アクションラーニングについてです(あと10日間くらい続きそう)。
久々に、SNSにも検索にもほとんど出てこない著者の方でした。論文のテーマ的にもご経験的にもとても興味があり、ぜひお話ししてみたい方なのですが、残念です。どうにか直接お話ししてみたい。
エグゼクティブ教育とアクションラーニング
従来、欧米でもエグゼクティブ教育の方法は、座学が中心だった。一般的な経営知識やケーススタディを通して学ぶプログラムだ。しかし1990年台に入ると、グローバル化とIT化が急速に進展。従来の教育方法では、対処できなくなった。
エグゼクティブに必要な能力は、自社が直面しているビジネス課題を正確に捉え、組織変革をどう実施するのか道筋を描き、実践することである。あらかじめ正解が準備されているパズル型の問題をいくら解いても、これらのスキルは身につかない。
そこで白羽の矢がたったのが、アクションラーニングだ。現実に起こっている生きた課題を多様性あるチームで一緒に課題解決を検討し、実践的に学ぶこと。会社の未来を担うエグゼクティブの学び方として、これが最適だと注目されるようになった。
ビジネス・ドリブン・アクションラーニング
アクションラーニングの原型
他の論文にもある通り、アクションラーニングの父はレヴァンスである。彼は1930年代に、炭鉱業界の管理者研修の中でアクションラーニングを取り入れた。従来の管理者研修は、現実から遊離していることに違和感を覚え、以下のアクションラーニングの原型を作った。
・パズル(ひとつの正解がある、解決策がすでに用意されている問題)ではなく、プロブレム(ひとつの正解があるわけではなく、人や状況により解決策が異なる問題)を通じて人は育つ
・行動なくして学習はない。また学習なくして行動もない。
・L(learning)=P(programmed knowledge) + Q(questioning)
・L(learning) >= C(change)
🙄 正直三つ目の定義はよくわからないので原著をあたってみようと思う
参加者は、プログラムを通じて
・何が問題かを把握し
・自分の弱点や長所を含め自己認知を高め
・学ぶことのプロセスを学び
・学んだことを一過性ではなく、応用の聞くものとして自己成長する
次に、レヴァンスが定めた原型から、リフレクション重視のアクションラーニングに発展していく。
リフレクション重視のアクションラーニングに変化
1970年台に入ると、ピーター・センゲの学習する組織に効果的な手法として、リフレクションを付加する形で発展していく。特徴は3つある。
リフレクションを重視すること
L=P+Q+A(action)+R(reflection)に発展
自分の経験や行動に対する理解を深めるリフレクションの時間が十分に取られるようになる
ファシリテーターの存在
P,Q,Rのプロセスを促進するために、ファシリテーターの役割を重視するようになる
ALコーチと呼ばれたりする
個人と組織の学習、どちらも重要視する
長期視点をもち、個人の能力開発と組織づくりの両方を大事にする
9ヶ月から一年半とプログラムが長いことも特徴だ
ビジネス・ドリブン・アクションラーニングの台頭
1990年代にはいると、リフレクションの色を残しつつ、よりビジネスに直結した内容のプログラムが行われるようになる。GEのワークアウトや、Johnson&Johnsonが有名である。これらを総称して、ビジネス・ドリブン・アクションラーニングと呼ぶ(以下、BDAL)
BDALは、リフレクション以外に必要に応じて、コーチングや360°フィードバック、講義、インタビューなどが組み合わされる。とても行動で応用的な手法である。コストもかなりかかるが、それを上回る成果が得られる。
何が普通のアクションラーニングと違うのか
レヴァンスやリフレクション重視のALが個人と組織の学習に力点を置いているのに対して、BDALは学習とビジネスとを統合し、学びを成果に直結させることに力点を置いている。
学びのための学びではなく、学びとビジネス双方のためのプログラムであること、が最大の特徴なのだ。
🙄 まさに秋山が求めていたやつだ…!LDCはこれだ…!
さらに加えると、経営トップのコミットメントが不可欠である。トップがプログラムのスポンサー(お金の意味でも、時間の意味でも)となり、自ら抱えている問題を提示し、その具体的解決策を参加者に求める、というのが肝要なのだ。
BDALの概要
プログラムのテーマ傾向
①組織変革
多様な人との関わりを介して、視野を広げることを目的とする
②人材の早期選抜
優秀な人材を抜擢し、次世代を担う候補を育成することを目的とする
③社の業績に直結したプログラム
増収、コスト削減計画など具体的な課題を提示し、提案されたプランを実行し、その効果に応じて教育効果を判断するもの
3つの目的は複合されて1つのプログラムになることもある。
ヨーロッパでは、9ヶ月〜一年半のプログラムで②のテーマを取り上げることが多い。アメリカでは、3-4週間の短期集中で③を取り上げることが多い。
プログラムの構造
個人的感想
これを探してたーーー!という論文に出会えて、テンションが上がった。
本庄さん、今は拓殖大学の講師をされているらしく、コンタクトをとって色々お伺いしてみたい。
また参考文献も熱いものばかりで、全部読むぞ。
本部中にあった、アクションラーニングフォーラムが5月にベルリンであるらしいので、行こうかな。行っちゃおうかな。
以上!
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