「日本人にとって意見を出しやすい環境づくりに必要なものとは?」を話し合ってみた≪イベントレポート≫
こんにちは!オシンテックの「モノ言う」学生インターン、ダイキです。
2021年10月29~31日にかけて行われたデモクラシーフェスティバル(https://democracyfestivaljapan.jp/)でオシンテックも一コマ頂き、表題のイベントを主催しました。企画した経緯や、僕自身の経験、当日のディスカッションをご紹介したいと思います。
デモフェスって?
デモクラシーフェスティバルは、北欧で盛んに行われているイベント。民主的に、みんなで話し合おうということを目的にしたものなんです。素晴らしい!!
コミュニケーションのお祭り!
デモクラシーフェスティバルはコミュニケーションのお祭りです。
人と話すことを思いっきり楽しみましょう。もちろん誰でも参加OK!
人の話を聞き、自分の考えを話し、みんなで笑いましょう!
(デモクラシーフェスティバルジャパンのウェブサイトより引用)
その主旨に則ったものであれば誰でもイベントを開けちゃうシステム、ルールの民主化を掲げるオシンテックとして、これはやるしかない。そこで、オシンテック代表の小田真人と番頭の小田一枝が親しくしている、株式会社LiquitousのCEO栗本拓幸さんにも「トークイベントを一緒にやりませんか?」と、お声がけしたところ、二つ返事でご了承。
栗本さんありがとうございます!
テーマどうする?
栗本さんをお招きして「デジタル民主主義」に絡めた内容にしようというところから始まったのですが、僕はその前に、なんとなくひっかかるものがありました。それは、デモクラシーフェスティバルの概要から受けた小さな違和感です。
人と話すことを思いっきり楽しみましょう。もちろん誰でも参加OK!
人の話を聞き、自分の考えを話し、みんなで笑いましょう!
・・・って言っても、そもそも
「日本人って自分の考えを言わなくね??」
って思ったんです。これは元々僕が日本人に対して持っている先入観というかイメージからくるものなんですが。本音では結構いい意見もってるはずなのに。
中1のときのカルチャーショック
十数年前のこと、僕自身小学校は特殊なフリースクールに通っていたので、それはそれはフリーに遊んで勉強していました(そうゆう意味のフリーではないですよ!!)
そしていろんな学校を経験してみたいな、という思いが(なぜか)あったので中学受験をし、私立の中学校に入学したんですが、そこで見事なカルチャーショックを受けました。
みんなあまりにも自分の意見を言わない!!
三年間いるうちになんとなく理解したんですが、日本の教育っていうのは目立たないほうがいいと。意見があっても挙手しない、本音とは違っても他者と足並みをそろえる、波風立てないように生きてるのがいいんだと。まさに今、求められている社会人の正反対のことを推奨しているんだな、というふうにわかってきました。
この経験をふまえて、
まずは、どうやったら意見が言いやすくなるか、
日本人がもし話し合いをする場を作ったとして、ほんとにみんな話せるの?デモクラシーを日本でもっと広めるためには、まず話しやすい環境づくりが必要なんじゃないの?という意識から、
「日本人にとって意見を出しやすい環境づくりに必要なものとは?」を話し合えたらなという風に思って企画したわけです。
イベントの成否
前置きが長くなってしまいましたが、結論から言うと今回のイベントは大成功だったと思います。
ディスカッションに先だって、栗本さんからは、Liquitousが取り組む最新の合意形成のDXのお話を伺ったり、オシンテックからは、テクノロジーを使った情報の民主化の手法を紹介したりしました。参加者は30人近く(おそらくデモフェスでも規模の大きいイベントになったと思います)。それぞれが、それぞれに異なる意見を出しながらも、とても楽しい話し合いの時間を過ごすことができました!!
体験談を語ってもらう
参加者の皆さんには最初に「意見を出しにくかった経験、意見を出しづらくさせてしまった経験、言わないほうがいいなと思った経験」なんかをあらかじめチャットに書いておいてもらいました。
それをこちら側からピックアップして話を聞いていき、ああこんな特徴あるなと思った単語をホワイトボードに挙げていくスタイルでやってみるとこれがもう、いろいろな話が出てくる出てくる。
そうすると、いろいろな視点から見た日本人の特徴や今の「話し合い」の問題が見えてきました。
見えない壁
そしてここからがイベントの本題、じゃあ実際にどうしたらその問題が良くなるのか?というところへ移っていくんですが、ウォーミングアップでかなりの経験談の提供があったからか、こちらもいろいろな意見がたくさん出てきました。
企画した自分自身も驚きと共感を覚えながら拝聴。
その中で、共通意識として参加者の方々にあったもの、それが「見えない壁」の存在です。
「人前で話して何か間違ってしまったらどうしようと不安で話せない」
「手を挙げただけで周りから浮いてしまう」
など今回話を聞いているとやはり話すことに対する恐怖や不安から話しづらいと感じていて、実際に話してみたらこうだったというよりは、そもそも話せないつらさを抱えている人が多い印象でした。
これに対して、みなさんからは失敗談を共有することで、成功談や、完璧に話さなきゃいけないというハードルが下げられるのでは?との意見が。
続々出てくる良い提案
失敗談を話すこと自体のハードルについても、失敗を笑いに変えることができれば場もなごむし、意見が出やすくなるのではないかな?
と、もうひとひねりまでいただきました!
間違えてはいけない、完璧じゃないと意見してはいけないという風に思っている人には失敗してもいいんだと思えるきっかけになってくれそうですね!
話し合いのルール
あらかじめ話し合いにルールを設けるとよい、という意見を多数いただきました。参考に出していただいたのはこちら。
フィンランドの小学5年生が作ったという『議論のルール』。https://www.cgkeimeikan.jp/shibutablog/wp/?p=1342
こういうきまりを設けて進めるのは良い工夫ですね。
ただ、ここからはみ出てしまう、日本人の意見を阻んでいるものが暗黙のルール、いわば裏ルールのようなもの。表向きには言われない、逆らってはいけないルールがあるんですよね。
フラットな場づくりってむずかしい
例えば「上司の意見には逆らうな」だったり、「意見を言うからにはそれ相応の知識がないと資格がない」という空気感を経験されたという方もいました。
こちらの経験に関してはホワイトボードにもたくさん書かれていました(+_+)
敬語をあまり意識しない外国語だとラクに話せるのに、などという意見も。言語的な背景も大きく影響していそうです。
やはりシニアからの働きかけが必要不可欠になってくると思います(上下が存在する時点でおかしいのかもしれませんが)。より良い意見を引き出すために、グループとしてより良い結論をという気持ちがあると、この暗黙のルールというものは取っ払えるかもしれません。
文化がもたらす安定感
ここまでネガティブなイメージを並べてきましたが、この文化が日本の和平の一因でもありそうです。
暴動やクーデターが起きないのも、どれだけ国の政治に反感を持っていたしても、政治家を暗殺するような人は出てこないのも、「違っていることへの恐怖」と「暗黙のルール」で違う意見は抑えられ、グループの分断を防いできたからなのでしょう。
だからってそれでいいわけじゃない
スパイラルアップを目指して
僕は、思ったことはすぐ言うし、自分の意見をしっかりいうタイプなので、イベントをするまでどちらかというと、なんで話さないんだろう、一回言ってみればいいのに、という気持ちでした。
でもこのイベントを通じて、自分がやらなければいけないことは2つあると思いました。
1つ目はその不安をできるだけ取り除くこと。安心できるルールを設定したり、失敗談をほめるといった工夫がそれにあたります。
2つ目は自分が試験体になることです。自分が一回話してほら大丈夫でしょ?と見本になる。やはり最初に意見を言うというのは緊張するものだし意見をいうことに対して耐性がある人が前例になって引っ張ってあげることで、じゃあ私も話してみようかなとなる人は多いと思います。
その人たちが成長していつしか1番目になっていく、そんな感じでこの見えない壁が少しずつなくなっていくといいなと思います。
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さあ長くなってしまいましたが改めて今回のデモクラシーフェスティバル、とても楽しいイベントでした!毎年開催しているので是非興味のある方は来年参加してみてください。
そして最後にこのnoteを読んでくださっている皆さんに一言。
日本人が意見を出しやすくする雰囲気づくりのために、今日でも明日でも、職場で、学校で、おうちでも、あなた自身から、一言発するところから始めてみませんか?
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