「平安オタク」だったJK時代は枕草子を漫画に二次加工していた
今は、まごうことなきBBAだが、私にも女子高生時代があった。白いシャツにネクタイを締め、ボックスプリーツのスカートをはいて、毎日赤い名鉄電車に乗って通学していた。
当時、流行していたのはアムロちゃんだった。はい、年齢がバレますね。
ギャル女子高生の多くはシャギーヘア。こんがり焼けた顔に、釣り上がった眉を乗せたメイクが流行していた。
私はというと、くせ毛で頭髪がもじゃっぴー。シャギーヘアを再現するのは不可能だったので、諦めてひっつめにしていた。
そんな流行に乗り切れない女子高生の私がハマっていたのは「平安時代」である。もし、当時の私が2024年にタイムスリップして大河ドラマを見たら、さぞかし喜んだことだろう。
平安時代の何にハマっていたかというと、平安時代の全てである。
平安時代の全てとは、文学作品や当時の生活の様子、なんとなく平安っぽい現代音楽(もはや平安時代でもなんでもないが)などなど。
源氏物語は古典を読んだわけではなく、大和和紀先生の「あさきゆめみし」で学んだ。当然、物語も絵も素晴らしいが、数多の女性と関係を持つ光源氏に、どうしても共感できなかったことを覚えている。
そして、光源氏が過去を回想したときに、末摘花が後ろ姿で描かれていることに少し寂しさを感じた。関係を持った女性はみな顔が描かれているのに。
高2の時に仲がよかった友達のみっちゃんも、同じように感じていたらしい。
枕草子は古文の授業で読んだ。たまたまそういった内容が教科書に選ばれただけなのかもしれないが「自分はすごいんだぜ」と自慢ばかりする清少納言のことを、最初は好きになれなかった。(個人の感想デス)
しかし、いくつか枕草子を読んでいくうち、彼女の性格に少しずつハマり、面白いやつじゃないかと思うようになっていった。
「学習は、復習することで定着する」
このようなことを、学校の先生が言っていたことを思い出し、私は清少納言の書いた枕草子を、漫画に起こした。
先生は、一言も「漫画にしろ」なんて言っていないのだが、言葉を自分の都合のいいように捉えてしまう思春期の恐ろしさよ……。
特に気にいっていたのが「中納言参りたまひて」だった。
内容はこんな感じ。(解釈にはめっちゃ主観入っていますので、実際のストーリーは原文をお読みくださいませ)
私は、この作品に清少納言の性格が表れている気がして、ぜひ漫画にしたい!と思ったのだった。
まるで「私の言葉を、あの隆家様が自分のものにしたいと言ったのよ⁉️スゴくない⁉️超スゴくない⁉️」と言っているかのようではないか。
きっと、よほどうれしかったんだろうなあと思うと、なんだか微笑ましく思えてしまった。
さて、漫画の作成に取りかかろう。コマの中には、十二単を着た女性二人と、烏帽子を被った男性を登場させた。御簾や扇など、小物類も丁寧に描いていく。
中宮定子はお后様だから、顔は見せないよう、扇で隠す。本当は女房もいたかもしれないが、ここはご都合主義ということで。
結果的に、そこそこイイ漫画ができたと思う。そりゃ当然だ。原作が素晴らしいのだから。
書き上げた原稿は、大学生ごろまで取ってあったと思うのだが、引っ越しを繰り返すうちにどこかへ行ってしまった。残念。
余談だが、数時間かけて書いた漫画のおかげで、ストーリーは完全に頭に入った。当時は新たな勉強方法を確立した!と思ったが、時間がかかりすぎて効率悪いので、あまり人さまにはおすすめできない。
他にも、女子高生が平安時代にタイムスリップして高貴な貴族と恋に落ちる漫画を作ったり、平安を舞台にした小説を書いたりもしていた。
ご都合主義のストーリーばかりだったので、人には見せられず、一人で書いては「ぐふふふふ」とこっそり楽しむだけだったが。
こうやってnoteで昔を振り返っていたら、また平安を舞台にした何かを書いてみたくなった。
4コマ漫画から肩慣らししてみようかな。
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