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THEリターン・トゥ・ウォク 回鍋肉(ホイコーロー)

どーも。都内一流ホテルで16年勤務した、フリーシェフ、僕です。
今回5274字でした!
レシピ制作のポリシーを作りました。
もし気に入ってもらえたらご覧になってくださいね。

今回はホイコーローです。


フレンチのコック(自称)は何だってやるんですぜ。
Q.何でホイコーロー?
A.食べたかったら。


↑勝手にリンク。
ホイコーローの歴史です。
衝撃の事実。
『 ホ イ コ ー ロ ー は キ ャ ベ ツ で は な い 』
リンク貼ろうとしていた、中国料理の権威ある某サイトには
そもそもレシピがないサイトでした☆
某サイトの活動目的にレシピはないんです。
あくまでも、プロの中国料理コックに対して行うギルド的な団体です。
西洋料理は『司厨士協会』というギルドがあります。
リンク貼りましょうか。

さて。
中国料理で『肉』っていうとまず間違いなく豚肉を指します。
それ以外の肉を使う時に肉の種類を指定するくらいです。

ウォクって、中華鍋のことです。
鍋を回すことではなくて、一度焼いた食材を取り出し
鍋に戻すことが回鍋肉という名の由来です。
実は、現代のフランス料理の手順でもほぼ同じような手順で
行われます。

わざわざ書きますが、各食品メーカー様が出している中国料理のモトは
所謂合わせ調味料が調合されている状態です。
僕のレシピは各手順をかなり丁寧に説明していますが、
メーカー様の中国料理のモトと下処理の手順は同じです。
是非モノにしてくださいね。


THE)材料 


3~4人分

キャベツ 半玉
ピーマン 4個
長ネギ 20cmほど
豚肉(今回は肩ロース) 350g弱
☆あくまでもキャベツを食べる料理というイメージです。

ニンニク 1片
ショウガ ちょっと
長ネギ 10cmほど
鷹の爪小口切り 小匙1ほど

調味料)


胡椒
サラダ油

醤油
ごま油(お好みで最後入れてください)
水溶き片栗粉
(片栗粉+水同割 大匙1づつ混ぜる。全部入れません。後述)

☆今回は合わせ調味料を使います。AかBを用意してください☆
Aは複雑な味、Bシンプルでガツンとした味です。今回僕はAで行きました。
材料揃えるのが大変だと思いますのでBでも美味しくできますよ!

合わせ調味料A)複雑な味のほう
(今回はこれ使いました)

ラー油 ほんの少し
砂糖 大匙2
胡椒 少々
豆板醤 大匙2
甜麺醤 大匙1
豆鼓(トウチ) 小匙1
(刻んだ方がいいです)
コチュジャン 小匙1
醤油 大匙2
酒 大匙1
中華スープ 大匙1ほど

合わせ調味料B)シンプルな方
(この分量でやると仕上がりが黒っぽくなります
いかにも中国料理!という色彩です)

砂糖 大匙2
胡椒 少々
豆板醤 大匙3
甜麺醤 大匙2
醤油 大匙2
酒 大匙1
中華スープ 大匙1

☆材料揃えやすいのはBですね☆

工程)
ニンニクショウガ刻む、鷹の爪混ぜる→長ネギみじん切り刻む→ピーマン長ネギカット→キャベツカット→水洗い水切り→ポークカット→ポーク塩コショウ酒振る→合わせ調味料、水溶き片栗粉作る→
ポーク下焼き→長ネギみじん切り入れて→ピーマン長ネギ入れて塩振る→ポークピーマン長ネギを一つにしておく→ニンニクショウガ鷹の爪炒める→キャベツ入れて、ごく少量塩振って、ポークピーマン長ネギ入れて→合わせ調味入れて→味見して必要であれば調味料足して(後述)片栗粉で濃度止めて→好みでごま油入れて→完成

では行きましょう。

生姜です。このくらいあれば充分です。
生姜は皮付きで使って構わない食材ですが、かるく水洗いはしましょう。
生姜刻みました。このくらいの大きさです。
生姜のみじん切りという材料は、大きめのカットだと最後まで口に残ります。
ある程度は小さくしてください。ニンニクも同じくらいの量と大きさです。
両方混ぜて小皿に取っておいてください。
長ネギです。長ネギを刻むときの大きさって(何センチ)とされることが多いです。
それのがわかりやすいですね。
今回は10㎝程としました。
長ネギはこのくらいの大きさに刻んでください。
レシピ外の話ですが………実は、回鍋肉はこの長ネギと生姜ニンニク無しでも美味しく出来ます。
しかし、僕の考えでは豆板醤その他の味が強すぎるんです。
特に塩味。他の食材を入れることによってマイルドというか、全体的に丸くなるんです。
しかし、ガツンとした中国料理がお好みであれば
今回であれば合わせ調味料Bを使ってください。
このな感じで小皿に取ってください。
ショウガニンニクには鷹の爪を一緒にしておきます。
長ネギだけは入れるタイミング別なので端においてあります。
ちょっと混ざるのは仕方ないので気にしすぎないでくださいね。
ピーマン切ります。
天地落として、タネとって、中の筋を取ります。
開いて…
このくらいの大きさにカットします。
長ネギをカットします。
こっちはみじん切りではありません。
斜めにカットしてください。
カットの大きさ撮り忘れちゃった☆
ピーマンと長ネギです。
こんな感じで皿に取っておいてください。
キャベツ切りましょう。
芯だけは使いません。カットしてください。
ざっくり半分に切って、縦に切って横に切る…
んですけど、写真ないとわからないかも。
そんなにシビアな大きさにする必要はありありませんが、
同じくらいの大きさで、
お箸でつまんで口に入る位の大きさが目標です。
ちょっとでいいので流水に流してパリッとさせて、
泥を抜いてから水を切っておいてください。
豚肉です。今回肩ロースを使いました。

一度ペーパーで水分を拭いてからまな板に乗せてください。
少し斜めにカットします。
食感が良くなるとされる切り方です。
今回、塊肉を焼いてスライスするわけではないので
食感が色々になる料理を楽しんでください。
脂身と肉質の問題でもありますが、角切りにしても
極端な話、しゃぶしゃぶ用の肉でも出来ます。
こんな感じでカットした肉を置いておいてください。

合わせ調味料を調合してしっかり混ぜて、
水溶き片栗粉を作って一度混ぜておいてください。
そのあとに、豚肉に塩コショウ、ごく少量の酒を振って
器具と皿、調味料の整理をしましょう。
カットした食材達です。
ニンニクショウガ長ネギ撮り忘れちゃった☆

さて。
ここから一気に仕上げます
中国料理のここからの手順は『芸術』であると考えます。
手順、食材、火加減塩加減水加減、器具やお皿を用意してあるか。
ひとつずつ確認しましょう!

手順は確認しましたか?
フライパン、ヘラとお玉、盛り付け用のお皿、肉とピーマン長ネギを一度取り分けるお皿。
味見用スプーン。
サラダ油、塩コショウ、合わせ調味料、水溶き片栗粉、ゴマ油。
必要なものは思ったよりありますね。

これが全部ありますか?では行きましょう。
まずは豚肉を焼きます。
フライパンに油を敷いて焼いていきます。
『ここから指示があるまでずっと強火です』。
万が一肉から水分(か酒)が出ていたらそれは入れないで下さい。
脂身から美味しい油脂が出て全体にまとわりつきます。
本来、この作業は『油通し』の作業です。
一度ひっくり返しました。
この位になったら新しい取り皿に取ります。
さっきまで生肉載っていた皿に乗せてはいけませんよ。
フライパン洗わなくていいです。
サラダ油を足して、ピーマン、長ネギの順で炒めます。
長ネギが入ったらちょっとだけ塩コショウで下味をつけてください。
下味付けないと、合わせ調味料をものすごく使うことになります。
決してベロベロに炒めずに食感が残るようにしてください。
豚肉の皿においておきます。
今回僕は、2分炒めませんでした。
フライパン洗わなくていいのですが、万が一焦げてしまったら洗いましょう。
ただし、ある程度まではフライパンの温度を下げてください。
豚肉ピーマンネギがこのように準備されました。
この後鍋に戻すタイミングが同じだからです。
この後がハイライト。
再度申し上げます。
必要なものが全部ありますね?
しっかり確認してから臨んでください。
ただし、一度火を入れた食材はこの先ドンドン火が入ります。
手早く。そして慌てず急げ。
行きましょう。
冷たいフライパンに油とニンニクショウガ鷹の爪を入れて
『弱火で』チリチリ炒めます。
そこでフライパンをゆすって、フライパン全体に香りを移すイメージです。
チリチリしたら長ネギを加えて再度炒めます。
弱火で1分、強火…というかフルパワーで1分。
この先常にフルパワーです。

写真撮るの忘れました☆
キャベツ全部入れます。
入れた瞬間に下味の塩振ってください。
すぐに全体をかき混ぜ、塩分を全体に回すイメージです。
塩が振られたキャベツから水分が出て、
その塩味が効いた水分から他のキャベツに均一に塩が回っていきます。
炒めものって、口に入れた一口だけしょっぱい、美味しいのはダメです。
この場合、均一化していないとおいしくないんです。
このくらいまで炒めます。
多分3分ほど。
キャベツがシャキシャキにしたいのですが
キャベツが生のホイコーロー、火が入りすぎてべちゃべチャのもダメ。
実は、小さいカットにすると火が入りやすいですし食べやすいです。
だから、『口に入る大きさ』と指示したんです。
では、豚肉ピーマン長ネギを加えます。
まだ強火ですよ!
そこで中をかき混ぜて均一にします。
豚の旨味をキャベツにまとわせるイメージですか。
更に、ちょっと冷めた食材を温めることが出来ます。
モクモクイエー。

合わせ調味料を『8割か9割』入れてください。
8割か9割です。
すぐ焦げるので注意。

中国料理の自分で調合した
合わせ調味料は濃いので全部使わないと考えてください。
余ったら処分。使い道ありません。無いわけではないのですが…。
これをある程度きちんと調合してある食品メーカー様の企業努力は
すさまじいものがあると考えています。
後述しますが、合わせ調味料を少なく作って
足りない味を何かを足すか足さないかという方法もあります。
合わせ調味料を入れて沸いたら味見。
味が足りないのなら、合わせ調味料を足しましょう。
文末に何を足すべきか記載しておきます。
同じ写真使いまわしイエー。
味見して美味しければ水溶き片栗粉を加えて(全部じゃないよ!)
1分以上混ぜながら沸かします。
水溶き片栗粉の話は文末に銀座アスター様の
リンクを勝手に貼ります。名店の話ですので是非ご覧ください。
好みでごま油を一回しして完成。皿に盛りましょう。

余談ですが、味見してこれでOK、美味しい、という状態を
コックさん用語で『味が決まってる』と言います。
僕はフランス料理のコックなので、
塩味が決まっている=(ソースに対して)塩の量が足すことも引くことも出来ない最高の状態だ、という話はよくされました。
出来ました。
これは2人前。このページのタイトル写真は1人前です。
あっつい内にいただきましょう!

☆おまけ)

〇食べたいやつでレシピ作って記事にしてるんですよ。
じゃないと処分しなくてはいけなくなるし…。
作ったら食べないと!

〇豆板醤その他のいいサイズをお知らせします。

これは豆板醤複数個のロットですが、チューブ入り最高です。
月に10回以下ほどで中国料理作る僕としては、
チューブ入りが最高のロットです。1㎏は使いきれません。安いけど。
豆板醤、甜麺醤、豆鼓、XO醤、コチュジャンなどなど。
是非使いやすい形状のモノを手に入れてみてください。
また、それが手に入るスーパー数か所を覚えておくと
絶対に役に立ちます。

〇合わせ調味料足りなくなっちゃった場合、
再度調合するとその間に火が入り、ベチャベチャになります。
味見して、必要なものを足すイメージです。

☆塩味が足りない→醤油
☆コクが足りない、しょっぱすぎる→砂糖
☆辛みが足りない→ラー油かごく少量豆板醤
 (食べるときに卓上ラー油でもいいと思います)
 (ただし豆板醤は基本的に炒めた方がいい調味料です)
☆味に締まりがない→酢
☆味に締まりがなくてコクが足りない→トマトケチャップ

…今回、以上の手があります。全部大匙1弱加えてください。
合わせ調味料を加えて、味見して加える、もしくはそれ以上加えない
のは大切な方法です。

とある中国料理の方が『回鍋肉はちょっと辛い方がおいしい』
との話をされていましたので昔僕も試しました。
ホントにその通りだと思います。
それ以降、ちょっと辛くしています。

〇 Q.中華料理と中国料理って違うの?
  A.違います。
中華料理って、日本人が考えたのです…と、されています。
冷やし中国って言わないじゃん?
例として、冷やし中華、ラーメン、焼き餃子、とかですね。
でもねー、美味しけりゃいーの。

〇 Q.水溶き片栗粉なるものの使い方を詳しく知りたい!
  A.↓に勝手にリンク貼りました。

銀座アスターという中国料理の超名店様が
とても分かりやすい解説をしています。
和食のあんかけでも同じような考えですので、
見ておくと役に立つと思います。
今回のレシピ、水溶き片栗粉の件、いくつか参考にしました。


読んで下さってありがとうございました。

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