産卵した娘、布団でたたずむその表情は
今朝、5歳の娘が寝ている傍で朝を迎えた。
結婚して引っ越したこの町では、朝からウグイスが鳴くという、素晴らしい緑に囲まれている。
今朝は雨上がりの梅雨空。
日が長いので4時台でもすでに明るい。
鳥の声、エアコンいらずの適温、少し肌寒いけど夏用に変えたばかりのサラサラのお布団に包まれていると、頭から足の先まですべすべふわふわで究極に心地よい朝だ。
shaaaaaaaaaah・・・
聞き慣れた効果音
産卵(おねしょ)だ
私はすぐさま飛び起きた。
下宿中の夫※も目を覚ました。
※朝から晩まで仕事や勉強や趣味に明け暮れ三度の食事はしっかり食べる夫のことです。愛しています。尊厳の眼差しは忘れずディスる、褒めながらディスる。
下宿中の夫に急いでオムツを破ってよこすよう頼む。回りに置いてあった衣類やタオルを娘の下、周辺の濡れた布団に被せる。
オムツを布団へ吸収させる。
ここで私はきづく。
おねしょ予防シーツが中にセットしてあるやないか。
娘が目を覚ました。ゆっくりと体を起こそうとするが異変に気付く。
そこにいるのはまさしくエジプトのピラミッドにいるあれだ。
スフィンクス様!!!
その体の下に広がるのはそう、おねしょの万物だ。
その表情は、険しくもあり、しかしまだ夢の中にいるような混沌とした、難しさの中に愛くるしさがある。
スフィンクスの産卵
脳裏に浮かんだエジプトの朝の風景。
5歳の娘がエジプトの朝焼けの空の下でたたずむその表情は、控えめに言ってめちゃくちゃに可愛い。
娘よ、スフィンクスのように何事にも寛大な心で生きてくれ。
待て。スフィンクスって寛大な心なのか。