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ローリスクハイリターンの恋をしてみない?本に恋して、本に落ちる。
世界から本が消えたら、私は生きていけない。
そんな根拠のない自信が根底にある。
それほど本が好きなのだ。
反して、
「活字なんか見るもんじゃない」
「本は苦手でね」
と言う人も、世の中にはたくさんいる。
私の夫もその1人。
本を読む習慣もなければ、
本を読んでいるところや、
本を開いているところさえ、
見たことがない。
子どもたちの絵本の読み聞かせすら、
片手に収まる回数しかしたこともない。
もう10年以上、
2人で子育てをしているけれども、
読み聞かせしようとしている様子は皆無である。
そのぐらい本というものに、
憧れもなければ価値を置いていない。
私が唖然とするほど、
大事なものではないのだ。
そういえば、
結婚してから言われたことがある。
「結婚して、初めて図書館に行くようになった」
学校帰りに、
市が運営する図書館に寄り道する私には、
考えられない発言だった。
「あの子に聞けば、本の場所がわかる」と言われるほど、
いつでも図書館に行っていた。
図書館に行けば、私がいる。
座敷わらしのようだった。
折原みとの恋愛小説。
クレヨン王国のドタバタ劇。
シートン動物記のオオカミ王。
私の青春を作った物語を全く知らなかった。
本に対する価値観は、
人によってこうも異なるのか、
と学んだ瞬間でもあった。
もしも世界から本が消えたら?
びっくりするぐらい、殺伐とした空気になるのかもしれない。
本から学ぶ機会を奪われるのだから。
本の虫である私は、生きていけるのだろうか?
耐えられない気がしてしまう。
それでも『この話を後世に残したい』という情熱あふれる人たちは、
絶対に存在してたからこそ、
木の皮に書いたり石に掘ったり、動物の皮にかいたり。
かなり工夫して、どうしても伝えたいことを残していったんだろうなぁって感じる。
そのおかげで、今も本が読めるのである。
本が好き。本が嫌い。
私は「嫌い」という感覚が
よくわからないけど、
その感覚を持ち合わせている人たちも
確かにいる。
読書が好きすぎる本の虫チーム。
本はあんまり、と苦笑いする
ホンニガテチーム。
いつのまにか、ふるいにかけられて、
大人になると交わることがほとんどない。
大きな溝なのだ。
その感覚は、いつから出て来るんだろう?
保育士の母に言わせると、
6歳の年長さんまでは、みんな絵本が好きらしい。
母が保育園で保育士をしていたとき、
絵本が嫌いな子はいなかったそうだ。
落ち着いて見ていられない子は、確かにいる。
でも、絵本自体が嫌いな子っていうのはいないのだそう。
戦いごっこが大好きで、ヒーローに憧れている子もいる。
そんな子は、元気があふれているため、
静かに座って本を読むということが好きではない。
座って遊ぶくらいなら、
キックしたりパンチしたり、ヒーローになって遊ぶのだ。
しかし、その子たちが好きになる絵本も、
ちゃんと世の中には存在している。
ヒーローが出てきたり、
戦いがメインだったり。
ピーマンがヒーローになっている絵本もあったし、
たこ焼き5個がヒーローになっている絵本もある。
【絵本の内容がその子に合うか、合わないか?】なだけで、
絵本が嫌いな子はいないそうだ。
戦いごっこが好きな子
いろんな子と関わるのが好きな子
食べるのが好きな子
かわいいものが好きな子
折り紙など、なにか作るのが好きな子
明るい子、元気な子
おとなしめの子、いつも眠そうな子
いろんな子がいる中で、
王道と呼ばれるような、みんなが好きな絵本も存在するし、
こんな雰囲気の子が好みやすい本というものもある。
経験からなのか、母はそれを知っているのだ。
だから保育園のうちは「絵本なんかきらい!」って叫ぶ子はいないのだ。
だから、
「どうして小学校になると読書嫌いがいるの?」
と、母から私が質問されてしまった。
確かに、それはもっともな疑問だと思う。
子どもお料理教室に来る小学生は、
学年が上がるほど本好きが減っていくし、
嫌いという子もいる。
学校で半強制的に
音読をしなさいとか言われても、
その話が好きかどうかは別だ。
その物語は
自分には何も響かないなぁって言う本だってある。
そこから学び取るから学習というのかもしれないが、
本のおもしろさの追求ではない。
自分勝手に、
好きな本が読めるから、
私は本が好きなのだ。
強制されたいわけじゃない。
万人受けする良い本が、必ずしも自分が好きな本とは限らない。
から揚げは美味しいが、
100人中100人が好きと答えるかはわからない。
嫌いな人もいるかもしれない。
食べられない人もいるかもしれない。
本に関しても、そんなものなのだ。
いつの時代も、
本は私たちに勇気や希望をくれる。
想像力をかき立てる。
そんな本の魅力って、どこにあるのだろう?
私の個人的分配により、
ホンニガテチームに所属させられている、
夫と父。
でも、あの2人は漫画は読む。
ワンピースが、週刊少年ジャンプに
初めて連載されたとき
「これは面白いぞ!」と教えてくれたのは父だった。
今でも、毎週、週刊少年ジャンプやサンデーを買って来るのは夫である。
漫画のコミックだって、
少年ジャンプだって本なのだ。
読書と変わらないと思うのだが、
漫画と本は別らしい。
言い分を聞くと、
字がたくさん付いてある小説や
ビジネス本みたいな本は読まないけれども、
漫画だったら読むらしい。
絵の量と文字の量の差なのかもしれない。
そんなホンニガテチーム代表の夫が、
初めてネット小説に落ちたことがある。
きっかけは深夜アニメだった。
アニメを見て、面白くなって
ネットで漫画を探したのだ。
でもそれは、もともと原作が小説。
そうすると小説が
1番話が進んでいるわけだ。
どうしても先が気になったのだろう。
しかし、読了時間目安、
約4,088分(約68時間、2,043,550文字)という、なかなかにハードルが高い分量。
この小説を読まない限り、
先の話には進めない。
どうしても、先が気になり耐えられなかったのだろう。
夜な夜な読んでいた。
そして、1年かけて、3回も同じ小説を読むという偉業を成し遂げた。
今までの彼の人生からみると、考えられないことだった。
結局「きっかけ次第なのかな」と思ったりする。
自分が楽しいって思えることが、
文字になってたらやっぱり嬉しいし、
想像がしやすい。
子どもたちが、アニメ映画の小説版を読んでいるのは、そういうことなのだろう。
じつは、
本の魅力は、高校生のときに知った。
たまたま知り合った韓国からの留学生。
30代のお兄さん。
彼が私に本の魅力を伝え、さらに素敵なものに変えてくれたのだ。
「本って、
もう出会えない人に会えるでしょ?
出会うことができない……
もう亡くなってしまった人や
住んでいる場所が遠くて出会うことができない人。
あとは、雲の上のすごい人に、会うことができるんだ。
しかも、その人の頭の中を見せてもらえる。そんなツールなんだよ」
と。
高校時代の私は、
そこからさらに本が好きになり、
今では、子どもたちに同じように伝えてる。
本が好きって、
結局は、
自分が恋する本に出逢うことじゃないだろうか?
読書習慣がある人ほど年収が高い、などというデータもあるが、
ホンニガテチームは、
その事実だけで読むようにはならない。
恋をしたらホルモンが出て、
キレイになると言われても、
恋をしないのと同じなのだ。
実は、本との出逢いは同じだけあっても、
本に落ちるほどの衝撃的出逢いを味わったことがないだけかもしれないのだ。
本が好きでも
本屋さんや図書館に行って
正直、ピンとくる本がない場合もある。
ときめかなかったり、
読んでみたのに話に入り込めなかったり。
まるで、
付き合いで参加した合コンみたいに、
それなりに話は合わせられるけど、次はないな、
と感じた夜の2時間に近い。
本の場合は閉じてしまえるからいいけど。
1年間で70,000冊近くの本が出版されてる。
ということは、
毎年70,000種類の本との出逢いがあるわけで、
この海の中から、
1冊だけの自分と波長の合う本を見つけ出すのだ。
もう、これは、恋人を探すよりも困難なことなのかもしれない。
世界でたった1人の【大事な人に出会う確率】と、
世界でたった1冊の【自分にはなくてはならない本と出会う確率】は、
どちらも天文学的数字かもしれないから。
あきらめるのもひとつだが、
本の出逢いはローリスクハイリターンだからこそ、
旅してみるのはどうだろう?
いろんな本をつまみ食いして読んだところで、
『この浮気性!!』
と、本が泣いたりしないのだから。
恋に落ちるように、本に出逢う。
アニメから小説にハマった夫のように、きっかけなど、些細なことなのだ。
手が触れ合う。
思わず振り返る。
そんな出逢いがあるのだろう。
そして、
相手を深く知るように、本を読むのだ。
昔、
私を主人公にしてくれた小説を読んだことがある。
後輩が書いてプレゼントしてくれた。
長編小説という名の特大のラブレターだった。
当時は戸惑いが勝ったが、
最近、部屋の整理をしていたら出てきたのだ。
見つけて読み始めたとき、
そわそわする嬉しさが込み上げたのは、
ここだけの話だ。
本は、
その人の全てではないけど
その人の一部なのは間違いないから。
「この本、私のために書いてある!」
と思える本に出逢えたら、それは奇跡なのだろう。
そんな本を持っていることは、
きっと素晴らしいことなのだ。
そんな本に出逢ったら、いろんな人に自慢して、おすすめしたくなるのだ。
ねぇ、本に落ちてみない?
5000文字課題のたたき台で書きましたが、
3800文字くらいがnoteでは読みやすいMAXかな?と。
ゼミがんばります⭐️
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