レシピのないお料理教室
ありがたいことに
私はたくさんの子供と関わると言う仕事をしている。
しかもそれは、保育士や幼稚園の先生とかではなく、子供向けの料理教室の先生なのである。
ここの教室に、レシピはない
「レシピなくて作れるんですか?」
「子どもたちはどうやって考えるんですか?」
「どうやってレッスンをしてるんですか??」
まぁ、いろんな質問が届く。
現役で料理教室の先生をしている人だったら
なおのこと疑問に思うかもしれない。
料理を教えるところが、
レシピがないってどういうこと?
皆さんがイメージするのは、きっとプラモデルの感じなんだと思う。
野菜というパーツがあって
食材というパーツがあって
作り方というレシピがあって
それを組み立てていく。
その作業ひとつひとつに、みんなのやる気が出たり
一つ一つの作業が楽しいから料理を行う。
これがきっと従来の料理教室のイメージ。
残念ながら、ここは違うのである
真っ白なキャンパスに、
たくさんの色が置いてあって、好きな色を使ってよい。
しかも、ぬる筆も好きなものを使っていいのだ。
希望するなら、歯ブラシだって使っていい。
手を使ってもいいし、足の裏だってもちろんオッケー。
最終自分が納得できる。
「これで完成」と言うものが出来上がれば、それで完成なのである。
ここの料理教室は、そんなところなのだ。
料理は、本来クリエイティブなもの。
どんな味であったって、あなたは思った人が美味しいといえば100点である。
例えばお母さんに食べて欲しいんだったら、お母さんがおいしいって言えば、もうそれは100点満点花丸だ。
たくさんの人に、おいしいって言ってもらう必要は無い。
あなたは料理人なわけではないし、店長さんでもシェフでもコックでも何でもない。
あなたが届けたいと思った人、たった1人のその人が【おいしいね】って言ってくれたら、それでもう大満足で、100点満点なのだ。
私が、この境地に至った理由の1つに、九州大学の先生がいる。
その方は本を書いていて、それこそ九州大学の大学生に自炊の素晴らしさを教えている。
先生の何が凄いのかと言うと、先生自体は料理を全くと言っていいほどできなかったそうだ。
でもその中で、できないからこそ……わからないからこそ気づくことがたくさんある。
ちなみに、この本に感動して、Facebookで調べて、比良松先生にアポを取り、会いに行ったのはいい思い出だ。
その場でサインをいただけたのは嬉しかったが、この仕掛けについて、たくさん聞けて、本当最高な時間だった。
ここでも、やっぱり、レシピはいらないと書いてある。
その代わりに、用意してあるのは、たくさんのきっかけや気づき。
子ども自身が動かされるって言う仕掛けである。
当時、レシピのある普通の料理教室をしていた私が、協会を抜けてまで、これがやりたいと思った。
そして、今に至るのである。
自炊塾と、個々の生徒は、年が違いすぎる。
どこまでできるか、わからないが、思った以上の成果なのである。
ただ歳が小さい分、クリエイティブで、想像力豊かで、料理と向き合ってるので、
毎回、どんな化学反応が起こるんだろうってワクワクするんだ。
食べ方は生き方だし、食べ方はあり方である。
この教室の対象年齢は、4歳から小学校6年生。
全然、人生謳歌してないお年頃である。
まだどんなに長く生きてても、たった12年。
それでもたくさん考えているし、
それでもたくさんの気づきがあるし
それでもたくさんのアイディアを持っている。
だから最高なんだ!!
だからいいんだよ。
それを少しずつ、料理を通して前に出す。
その自信をつけていくのが、ここの教室の役割だから。
夏休み企画
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