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【蔵探訪】#11 富田酒造場(本格焼酎)

こんにちは
お酒が大好きで、霧島に赴任してから本格焼酎の面白さにどハマりした星野リゾート社員のはしもとです。

今回は奄美大島にある富田酒造場さんを紹介したいと思います。
奄美大島は鹿児島本土と沖縄本島の中間に位置する島であり、鹿児島ですが沖縄の文化も入り混じる独特なところです。

鹿児島空港から奄美空港までは約1時間ほど。
鹿児島空港は霧島市にあるのでとてもアクセスしやすい♪

綺麗な海〜!
海岸沿いを運転しているとどこも絶景スポット!📸

今日はそんな鹿児島県の奄美大島郡にある富田酒造場さんを紹介します。

奄美市の焼き鳥屋さんにて
地酒である富田さんの龍宮をいただく。

富田酒造場

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蔵探訪#11
酒造:富田酒造場
地域:鹿児島県奄美市名瀬
創業:1951年
代表銘柄:龍宮、まーらん舟、琥珀
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造っているのは米麹と黒糖を用いた黒糖焼酎。
黒糖のとても甘い香りが特徴で、普段焼酎を飲み慣れていない方にもおすすめな焼酎です。
黒糖焼酎は奄美大島でしか造れない、と法律で決められています。
以前星野リゾートの代表の星野に自前の焼酎を振舞った時に
一番気に入ってくれたのがこの富田さんの黒糖焼酎でした。

ウイスキー好きの代表
樽熟成した黒糖焼酎の琥珀に舌鼓をうってました🥃

富田酒造場さんを見学

富田酒造場さんは中心街にあります!
奄美の酒蔵の中でも一番小さいお蔵さん

蔵の中の造り

蔵の中には甕がびっしりと埋まっており、一次もニ次もこの甕で造られます。

中に入るとびっしりと甕がありました!
蔵の中の香りも甘くいい香りがします

黒糖焼酎は原料である黒糖が通年で入手できるので、富田酒造場さんは正月以外はノンストップで仕込みをされているとのこと。

原料となる黒糖
主に沖縄の離島のサトウキビが使われます。

ノンストップで造ること、これは全く普通ではありません笑
普通は造るシーズンとオフシーズンで分けていますが、小さい蔵だからこそ一回の仕込みに限られる。焼酎を多く造るには断続で造っていくしかないとのことで常に稼働。
機械メンテナンスなど含めると本当に休みなく造られていました。

断続的に造るからこそ、造りのデータを他の蔵よりも多く取れるようで
最近では得たデータを積極的に取り入れてブラッシュアップさせたり、新しい焼酎も造られるようです。
絶対に大変ですが、このようにフットワークを軽く対応する事で、大きい蔵とは違う造りを追求されており、イチ焼酎ファンとしてとても面白い蔵だなと感じております。

回転ドラムで米麹の米蒸しから麹の種付け、発酵まで行う
富田さんは主に黒麹で造っていきます
米麹に黒糖を入れた二次醪
綺麗なキャラメル色!
香りも甘い〜♪
蒸留機
蒸留された焼酎が垂れてます!
定期的に香りや度数を確認して味を決めていきます。

熟成

小さい蔵だからこそ、タンクで熟成するだけでなく、瓶で熟成、樽で熟成などで、差別化を図っていました。

蔵自体が狭くタンクを置くスペースも限られているため
瓶詰めしたものも保管している
2階には瓶詰めした焼酎を梱包した段ボールがたくさん!
1階には樽で熟成させている焼酎🤤
黒糖焼酎をウイスキーのように樽に入れて熟成
代表が気に入ったお酒はコレ。
透明ではなくウイスキーのように琥珀色🥃
本格焼酎らしく原材料の黒糖の香りが強く、樽の香りも相性よく
めちゃくちゃ美味しい!!

試飲

お言葉に甘えて沢山試飲もさせていただきました。

富田酒造さんの定番”龍宮”

まずは王道の定番ラベル龍宮!
黒糖焼酎では珍しい黒麹!
コクがあるボディがしっかりした焼酎!

徳之島産の黒糖を使った”まーらん舟”

富田酒造場にルーツのある徳之島(奄美大島の島)の黒糖を使用した焼酎”まーらん舟”。
超上品な味わいが特徴の焼酎。

黒糖焼酎に使われる黒糖

富田酒造場さんで使用している黒糖は大体が沖縄産です。更に、本島ではなく離島の(西表島などの)黒糖を多く使っております。
奄美産の黒糖が少なく、確保できないというのもありますが、離島の黒糖を使うことで、離島の経済も支えているとのことでした。
離島の人たちの生活も支えている黒糖焼酎。とても尊く感じます。

多くが沖縄産の黒糖を使っているなか、唯一”まーらん舟”という焼酎が奄美の黒糖を使用した焼酎です。
奄美大島郡の徳之島の黒糖を使用しており、何故徳之島かというと富田さんの出身のルーツが徳之島とのことで造られているとのことでした。

そんな徳之島の黒糖を特別に…!🤤

何故黒糖焼酎が奄美でしか造れないのか?

軽く前述しましたが、何故黒糖焼酎が他の地域で造ってはいけないのか。
元々(戦前)は黒糖でお酒をつくっていました。
そもそも米麹は必要なく、黒糖にアルコール発酵に必要な”糖”が含まれているので、お米や麹を使う必要はありませんでした。
※実はその前は泡盛が盛んでしたが、米不足の背景もあり泡盛〜黒糖酒〜黒糖焼酎という移り変わりがある。

奄美が日本に返還後、日本の酒税法によって、ラム酒の取り扱いになり高い税率がかけられてしまうことになりました。
経済負担が高くなってしまい、造り手がいなくなる、文化が廃れてしまうことを恐れて、特別に米麹を使うことで”本格焼酎”となり、変化し今に至ると言われております。

そんな”特別”な背景があるため、黒糖焼酎はこの奄美大島でしか造れない法律があります。
なかなか縛りがあり、沖縄をはじめ他でも是非自由にお酒造りができれば…と思いますが、ここでしか造れない限定的なところに惹かれてしまうのもひとつ。
僕はそんな黒糖焼酎が大好きです😎

文化、地域性、時代の流れなどの背景で今に至る、黒糖焼酎を是非味わってみてください。

お忙しい中ご案内頂いた富田さんとパシャリ📷
ありがとうございました!
本当に美味しすぎて飲食店でも🤤
特にまーらん舟。大好きすぎます!

是非鹿児島に旅行に来たからには、奄美大島の黒糖焼酎も飲みつつ、
興味があれば奄美も旅程に入れてみてください!

奄美に星野リゾートの施設ができたら是非行きたい、働きたい!


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