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#53 聞いたことのなかった集落営農。大阪にもあるの?

全国で農業支援をされている人と話をすると、たびたび「集落営農」という言葉を聞きます。

が、正直に言って「何ですかそれ(*_*;?」の状態でした。

そこで、集落営農がそもそも何なのか、大阪にどれくらいあるのかを調べてみました。


集落営農とは?

農業生産の一部分もしくは全部を集落単位で実施する組織を指しています。

こちらのページに詳細が載っていますが、例えば次のような形態があります。

①機械や施設を共同利用して生産を行う。

②中核となる農家やが機械や施設を使った作業を受託する。基幹となる作業は中核となる農家に任せ、それ以外は各農家が行う。

③作業内容ごとに人を割り振って生産を行う。

大阪では、地域の仲良し農家同士で共同で機械を貸し借りしている事例(①)や、ある農家が稲刈りを作業受託として受注し、収益の柱としている事例(②)は見聞きします。

いずれにしても個人や仲間内での取り組みです。

集落営農はこれをもっと大きな集落単位で組織だてて実施している状態なのかなと思います。

集落営農のメリット

集落で共同で行うことで、機械を共用することで経営を効率化できたり、人員配置を効率的に行うことができるというメリットがあります。

また農業関係の補助金は個人農家ではなく団体に対しての補助が多く、集落営農は個人農家よりも補助金を活用しやすいと思われます。

全国には数万件!?大阪には数件!?

全国の集落営農数をまとめたデータによると、全国の集落営農数はなんと14,364件あるそうです。

集落営農の件数(令和4年度集落営農実態調査より)

そして、その中で大阪府の集落営農は8件全国の0.1%未満でした。

都道府県別集落営農の件数

兵庫や宮城、秋田など稲作地帯で集落営農が多いことがわかります。

このグラフにはありませんが、和歌山8件、沖縄7件、山梨5件、神奈川5件、東京データなし など米産地でないところ(果物産地)や都市部では集落営農が少なかったです。

水稲はコンバインや乾燥機など大きな設備が必要であり、そういった状況下では集落営農が効果的な役割を担っているからだと思います。

集落営農組織への支援(茨木市の取り組み)

大阪府の集落営農組織が具体的にどこかを探したのですが、わかりませんでした、、、

その中で、茨木市見山地区には5つの集落営農があることがわかりました。

https://www.city.ibaraki.osaka.jp/material/files/group/38/koukokubun.pdf

そして、茨木市自体が集落営農に対してトラクターやコンバインなどの農業用機械の貸与事業をしていることがわかりました。

毎年機械本体の5%ずつの貸与料金を支払い、10年後に機械を借受者に譲渡するといった非常に手厚い内容です。

まとめ

全国には14000件もあること、そして大阪には8件しかないこととわかり、聞いたことがなかったのもなるほどと納得しました。

ただ集落営農に似たような取り組みを個々の生産者が独自にされている印象もあります。

補助金の枠組みにならないというデメリットはあるかもしれませんが、個人でやることで意思決定が早くなることや自分で決められるところはいい点ですね。

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