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昔の時代に思いを馳せるのも悪くない

『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』

この八文字を見てピンとくる人は、きっと儒教に精通する者、日本文学に興味のある者だろう。

これは儒教における八つの徳を表した言葉だ。
そして江戸時代の作家・曲亭馬琴(滝沢馬琴)の大人気長編小説『南総里見八犬伝』にも登場する重要なキーワード。

実は私、この作品との出会いが忘れられない。

以前このnoteでも書いたが、私は昔から理科が大好きだった。しかし、それだけではない。もうひとつ得意だった教科がある。

それは社会だ。

特に日本史には深い興味を持ち、年号や出来事を夢中で覚えていた記憶がある。その中で出会ったのが『南総里見八犬伝』だ。中学生の頃、日本史の授業で曲亭馬琴の名前を知り、この物語の存在を知った。そしてどうしても読みたくなった私は古本屋で偶然手に取った漫画版『南総里見八犬伝』に夢中になった。物語の中に流れる冒険、友情、そして運命のつながり。中二病まっただ中だった私には、この壮大なストーリーがたまらなく魅力的に映った。

特に感動したのは、江戸時代にこんなにもファンタジックな小説を書き上げた曲亭馬琴の発想力だ。そりゃ、当時の人々がこぞって読んだ理由も納得する。これほどの物語を生み出せる人がいた時代、どれほど心躍る世界だったのだろうと思いを馳せたものだ。

で話を元に戻すが、なぜこれが今日の記事になったかというと…冒頭の八文字がフワッと浮かんできたからだ。それは単純にそれだけなのだが、不思議と再び物語に触れてみたい気持ちが湧いてきた。

思い返してみると、あの時読んだ漫画版は最終巻までではなく、中途半端な巻で止まっていた気がする。大人になった今だからこそ、漫画ではなく活字で、この物語を最初から最後までじっくり読みたいと猛烈に思った。

きっと、中学時代に感じたワクワク感とはまた違うものが見えてくるだろう。あの頃の私が感動した冒険の数々、友情の美しさ。そして、江戸時代という時代背景の中で書かれたこの物語が持つ深みを、今ならもっと噛みしめられる気がする。

最近、読みたい本がどんどん増えている。
「読みたい」と思える気持ちが湧くのは、もしかすると心に少しゆとりが生まれている証拠なのかもしれない。

今年は、じっくりと時間をかけて、たくさんの本と出会う一年にしたい。
物語の中で新しい発見をし、自分の世界を広げる旅を楽しみながら。


それでは皆さま。今日はこの辺で。サラダバー!



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