アイヌ文化で読み解くゴールデンカムイ
家に漫画を二作持っている。
【バガボンド】と【ゴールデンカムイ】である。
二作ともノンフィクションとフィクションのバランスが絶妙で、レンタルできる世の中であるが手元に置いておきたいと思って買った。
先日、ゴールデンカムイ展に行ったことにより再燃してアイヌ文化に興味が湧き、この本を読んだ。
【アイヌ文化で読み解くゴールデンカムイ】
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①誤解されがちなカムイの意味について
②アイヌとギリシャの弁論、裁判の違い
①誤解されがちなカムイの意味について
カムイ=神 と日本語でよく訳されることが多いがそれは少し違う。
ネズミも、スマホも、火も、人間を取り巻いてる全てのものがカムイである。
全て神という考えはたしかに語弊がある。
著者曰く、環境が一番しっくりくるとのこと。
カムイを環境と置き換えると、「人間」が自分を取り巻く「環境」といい関係を保てれば、世界がうまくいくという考え。
他の宗教に無くておもしろいな思ったのが人間とカムイが対等であるということ。
例えば祈る時、「神様、どうかお助けください」と祈るのではなく、「私は臭いし食べても美味しくないから、やめた方がいいよ」と祈るらしい。
神は人の上に人を作らずではなく、神も人もモノも全部対等。
善いものは善く、悪いものは悪いという考え方好きだな。
②アイヌとギリシャの弁論、裁判の違い
アイヌは文字を持たなかった民族なので言葉の力を大変重視した民族。
隣のコタン(村)と揉め事があったら、双方の代表者が出てきてチャランケ(弁舌、裁判)が行われる。その勝敗の付け方が本当に面白い。
まず、当事者だけで行う。
つまり判事や傍聴者がいない。
え?どうやって勝ち負け決めるん?と思ったが明確なルールがある。
何時間も何日も繰り返して
①それ以上言うことがなくなったら負け。
②体力が尽きたら負け
つまり裁判、弁論には、知識+体力+忍耐力 が必要ということ。
もしこのルールがギリシャにもあったら不当な判決で死刑された哲学者が生き延びて、また全然違う世界になっていたのかなという妄想を30分した。
チャランケで決着がつかなかった場合はどうして決着をつけたか気になりません?
実はPK戦のようなルールがあってそれは、
両腕を固定されてどちらかが参ったというまでストゥ(制裁棒)で殴ります。
最後は忍耐力オンリーなんかい。
こんなルールにしたのは判事と裏で繋がっていたりすると、恨みを買ってまた新たな火種になるから。将来への禍根を残さずに済むからとのこと。
平和を愛したアイヌ民族。たしかに村一番の博識ある人間がボコボコで負けた〜と言って帰ってきたら負けを認めるだろうな。
アイヌは他の民族、宗教と違う独自の文化があっておもしろい。
🍙まとめーーーーーーーーーーーーー
アイヌという漫画にしにくい内容を最高に面白い漫画にした野田サトルさんありがとう。
余談①
アイヌに求められる三つの男の資質は
雄弁、度胸、美貌だそうです。
よかった、、和人(日本人)に生まれて、、、、、
余談②
雑誌「non-no」の由来はアイヌ語から。
アイヌ語で花という意味。
女性が花のように美しくあってほしいという願いを込めて名付けられた。
余談③
僕の推しは菊田杢太郎と海賊房太郎です。
イケおじと高身長長髪キャラに弱いオポポでした。
以上です。
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