イラストレーター、ハンドメイド作家の取引先との付き合い方
こんにちは金曜お昼になりました。刺しゅう作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターとハンドメイド作家のための「仕事とお金の授業」54回目となる本日のタイトルは「取引先との付き合い方」です。
1人で完結する仕事はない
前職の手芸店を退職してから15年が経ちます。その間に大小様々なお仕事をしてきました。会社に所属しないフリーランスとは言え1人で完結できる仕事なんて実際はほとんど無くてご一緒した取引先の担当者はこの間合わせると100名以上になりますでしょうか。
昨日、運営するギャラリーのお仕事でお世話になっているグッズ工場の担当者が退職の挨拶をしにきてくださいました。ご年配だったのでいつかその時が来るとは思っていましたが実際聞かされるとびっくりしました。そして同時に悲しい気持ちになり今も引きずっています。とても良い関係を築けていたと思っているからです。これまで本当にありがとうございました。
今日はギャラリーオープン前にテクノ手芸部の吉田さんが作る「手芸中ランプ」の新アイテムの打ち合わせを工場のショールームで行いました。みんなで話してるとアイデアがどんどん出てきます。12月 @tokyopixel ギャラリーBでイベント開催予定! pic.twitter.com/pceJTmVlyF
— 大図まこと (@makotooozu) October 13, 2023
私が仕事を進めていくにあたって重きを置いているのは関わる人全てが対等であることです。この事は何度も書いてきていますが誰かが無理をして成り立っている関係は長く続かないとこれまでの経験から知っているからです。
それはお仕事の依頼が先方から来るクライアントワークでもこちらから営業を掛けた場合でも同じです。単発で終わる仕事よりお互い気持ちよく長くお付き合い出来た方が本当は良いはずです。
クライアントもイラストレーターもデザイナーも工場もお店もお客さんも関わる人全てが上下関係が無く対等であることが望ましいと思っています。
クライアントワークの場合、成果物を納品して終わりというのが一般的だと思います。評判が良ければその仕事が次の仕事に繋がるでしょう。ではそうでは無かった場合どうでしょう?正直そこまで深く考えませんよね。お金をもらった後の事は相手任せということがほとんどだと思います。私は実際そうでした。だからクライアントワークでリピートされることが少なかったのかもしれません。このことは反面教師として学んでください。
工場とのお付き合い
手芸作家やギャラリー運営の活動と並行して雑貨を作って販売していくメーカー業になってからは工場とのお付き合いがとても多くなりました。
▼その経緯はこちらに詳しく書いています。
今10社ほど工場とお取引きをしているので、よくどうやって個人作家が工場と取引をはじめるのかと質問を受けます。結論から先に言うとやはり難しいような気がします。信用も信頼も無いので多くの工場は個人作家とは直接お取引きしてくれません。でも相手の立場からしたらそれは当たり前です。手間だけ掛かってリターンが多くは見込めないからです。
※私は現在法人化しています。
でもごく稀にこちらの想いに耳を傾けてくれる担当者がいます。それは本当に出会いとしか言えません。こちらからがんばってアプローチしまくるしかないです。
そして出会えた後はお付き合いを気持ちよく長く続けていくためにも私たちクリエイターは夢だけを語るのでは無く、結果を出す事で相手からの信頼を得ていく事が大事となっていきます。
退職の挨拶をしに来てくれたグッズ工場の担当者との出会いはこちらからの一通の営業メールでした。コロナ禍で潰れかけていたギャラリーを立て直そうといくつかの企画を作って何十社とメールを送りました。唯一打ち合わせまで漕ぎ着けはじめてあった日からあっという間に5年も経ってました。あの時やってみましょうかと言ってもらえた事ほんとに嬉しかったです。これまでありがとうございました。
今日の授業はここまで。それではみなさんまた来週金曜お会いしましょう!