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日の当たらない瞬間を真四角におさめてみると│そらもよう

くもりの日が、あまり得意ではありませんでした。

ただ、花を追いかけていると、晴れの日だけ撮影できるわけではなく。見頃と天気の良くない日が重なって、念の為に撮っておこうということもありました。

誰もが綺麗と言うわけではなさそうだけれど、くもりの日の写真には訴えるものがある気がします。


眩しい光が無くても素晴らしい瞬間があると気づくまでの、2024年の春から夏にかけての記録。





1.霧の中で見た桜


毎年のことだけど、桜の見頃と天候が合わなくて上手く撮影できませんでした。くもりの日に桜を撮っても、空は白くて薄いピンクの花色が目立たなくなってしまう。

けれど、山のふもとを歩いていた日のこと。霧の中で見る桜は幻想的でした。

目を凝らすと、奥の山にも桜が咲いていました。



2.白い花は綺麗に撮れるかもと気づいた

通勤路で見つけました。その頃は「白い花」に惹かれていて、帰る時間にはくもってしまったけれど近くで見たくて寄ってみました。

可愛い形。

くもりの日は、白すぎなくて眩しすぎなくて、逆に良いかもしれないと気づいた日です。



3.レトロ感が漂う団地あじさい


大きなあじさいは団地で見られるというイメージがあって行ってみました。

レトロ〜。くもりの日の夕方でした。
特に加工もしていないのに、うっすら茶色いのがまた渋いというか。

そして2週間後、満開。

パラパラと雨が降っていました。晴れた日だと、なぜか見たままの色が撮影できないことがあります。雨がやんだ瞬間に鮮やかな良い色が残せたので満足。うすい青とか紫とか、あじさいの中でも一番好きな色合いです。


さらに2週間後。

あじさいの見頃は過ぎて、少し茶色が混ざった色になっていました。背景の団地と相まって、なんとも言えない雰囲気があります。

同じような天候で同じような構図で撮っても、けっこう印象が変わって新鮮な気持ちになりました。背景や時間帯も大事な要素ですね。


錆びた手すりとか、白くない壁とか。
生えっぱなしの草とか。

はじめて見たときに、そこはかとなく感じたレトロ感は翳りだったのかもしれません。



4.混沌とした空を見上げた梅雨どき


雲を撮りたくなる日は、だいたい何か抱えているとき。見上げた空がスッキリしない自分のようで。雲が無かったら綺麗な夕暮れなんだろうと思う。けれど雲のおかげで深みが加わって、なんだか目が離せませんでした。

くもりの夕暮れ。
ただ美しいだけではない、
その深みは雲のおかげ。



見たままの茜色は撮れなかったけれど、
雲が紫色に染まって見えたのが綺麗でした。




5.葉影の額縁


大きな木を見上げるのも好きです。
晴れた日の緑はうっすら透けて本当に綺麗だけど、くもっていると影絵みたい。

四隅を彩る額縁みたいに撮れないだろうか。少し難しいけれど、こういう楽しみ方もあるな〜と気づきました。



6.夏の夕空


くもりの日は相変わらず得意ではないけれど、ここまで暑い日が続くと恋しくなります。逆に雨ばかり続いても不安になったり。

一日中雨だったのに、夕方だけ明るい時間があると少し嬉しくなりました。

分厚い雲と、その隙間。
夏の終わりの夕景。


いつまでも心に残るのは、明るく美しいものだけとは限らないのかもしれません。

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