📕自分の日常ご飯を認めることができた /「一汁一菜でよいという提案」土井善晴
「具沢山のお味噌汁とごはんと
漬物があればご飯は成立するよ」(汁飯香)、と
土井さんが言ってくれていることで、
たくさんの忙しい現代人が
「それでいいんだ…!」と救われた。
「一汁一菜」とは持続可能な家庭料理のスタイル。
日常のご飯とは、「一汁一菜」で十分。
日常のご飯というのは、
素材の味がじわーっと伝わってくるような
「普通においしい」が良い。
私も本屋さんで「一汁一菜でよいという提案」
というタイトルを見て、
普段の、日常の、なんでもない自分を
認めてあげられるような予感があった。
日常的なご飯は「ハレ」と「ケ」の「ケ」にあたり、
若者がよく口にする「普通においしい」という表現が
土井さん的にもすごくしっくりくる、と。
私も「普通においしい」というのは
「ちゃんとした褒め言葉」だと思っていつも使ってる。
「普通に」というのは、捉え方によっては
褒めているとは思われないのかもしれないなぁ…と。
でも一方で、
「大げさでなく、安定していて、安心感のある良さ」
というようなニュアンスを感じてほしいと思いながら使ってる。
土井さんとしても
こんなニュアンスに近い思いを
この言葉から汲みとっているのでは、と
知ることができて、
ちょっとわかってもらえた感じがして
嬉しかった。
日常のご飯は(「ハレ」の日と比べて)
そんなに美味しくなくてもいい、
というようなことが書いてあったけど(笑)、
私はこの本を読んで、なぜか
日常的なご飯を
毎度、もっと味わって食べたいなーと
思うようになりました。なんでだろ。
凝った料理ではなくても、
日常の忙しさの中で、
自分の健康や生活を守ってくれているご飯だと
認めてあげることができたからかな。
いや、単純に、土井さんが紹介する
「一汁一菜の実践」方法や、料理の写真が
すごく美味しそうだったからかもしれないな(笑)
「この季節はこれが美味しくて、
こうやって料理すると良いですよ」というのが
いろいろ書いてあって、
もっと旬の野菜を上手に取り入れたご飯を
作りたくなりました。
とご自身も書いているように、
実践方法だけではなく、
日本人の考え方、暮らしの背景などにも
触れられています。
日本人の自分が読むと
すごく暖かい気持ちになりました。
印象的だった言葉を最後に引用。
土井さんの人柄が素敵です。