【驚きの連続!】中学生の「没頭したこと」事例集
本日は、久しぶりに中学生たちと体験ワークショップを行いました。
テーマは、「独創性を育むコツ」になります。
これまで私は多くのクリエイターたちにヒアリングを行い、「クリエイティブ力を高めるコツ」を学び、体系化を試みてきました。
そのエッセンスを伝えながらの講座となりました。
面白かったのは、『過去に没頭したものを思い出す』という体験の時間でした。
実は多くのクリエイターたちが、「何かに没頭した体験」をしています。
「一見無駄」と思えることに費やす膨大な時間。
それが、自分ならではのアイデアを生み出す源泉になっていました。
本日の講座の受講生は、中学3年生の男女たち(+引率先生と校長先生)。
彼らの中に、どんな没頭の時間があったのか。
とても面白かったので、その内容を紹介させていただきます。
■A・Mくん=1人でオセロ
中学1年生のころ、1人でオセロゲームをプレイしていました。
新型コロナの影響で、学校の外で友達と会うことができなかった。その影響です。
学校から帰ったら、毎日1時間くらい、延々とやり続けていました。
対戦相手の気持ちになりながら、2人分のプレイをします。
この経験によって、自分以外の誰かの気持ちを想像する。
そんなことができやすくなったと思います。
■M・Mくん=クレーンゲーム
これまで何千回とクレーンゲームを行ってきました。そして攻略をしてきました。
機種が違えば、取り方が変わります。
膨大な時間をかけて、実践の中で、その方法を見つけていきました。
実は同じ機種でも、お店ごとに微妙に操作が異なることが多いんです。
そんなものにも、臨機応変に対応できるようになりました。
クレーンゲームに関するノウハウが、自分の中にめちゃくちゃ溜まっています。
それを生かし、友達にアドバイスすることも多いです。
どうすれば攻略できるか。景品をゲットできるか。それを言葉で説明をしてきました。
大木さんは「言語化が大切だ」とおっしゃっていました。
再現性を高めるためには、言語化が大切。それが自分の中でとても腑に落ちています。
また、「達人になると、言語化ができるやすくなる」。そのことも、納得がいく言葉でした。
■K・Sくん=「じゃがりこ」の食べ比べ
僕はお菓子の「じゃがりこ」が大好きです。
じゃがりこの新商品があれば、必ず買います。そして食べ比べをします。
旅行先で「ご当地じゃがりこ」を見つけたら、もちろん購入します。
これまで食べた「じゃがりこ」の数は、30種類以上だと思います。
商品ごとに、もちろん味が異なります。
「もっとこうしたらいいのに」、そんなことを感じる商品もいくつかありました。
好きなことに取り組んでいると、提案のアイデアが浮かびやすくなる。
そんな大木さんのお話しに、「なるほど。確かに!」と思いました。
■H・Rくん=オニヤンマをつかまえる
小学3年生の時、トンボをつかまえることにハマりました。
ある大人から、「オニヤンマをつかまえられたら、すごいよ」と言われたことがあります。
すごいなら、やってみたいと思いました。
それ以降、網を持ち、オニヤンマがいそうな場所に足を運びました。
オニヤンマは、すごいスピードで空中を飛び交います。
最初はまったく捕まえることができませんでした。
しかし失敗を重ね、先を読むこと。そして待ち構えることを学びました。
ある場所で捕まえることができたら、今度は違う場所で捕まえたくなる。
農家さんに許可をもらい、田んぼの中でとらせてもらったこともあります。
僕は、「これができたらすごいよ」という大人の言葉に反応をしました。
どうやら、「すごい」と思えるものに興味があるようです。
すごい人に会いたいと思うし、自分がすごい人になりたいと思う。
トンボのエピソードを思い出しながら、そんな自分の特長にも気づくことができました。
■H・Iくん=川への飛び込み
中学1年生と2年生の時、川への飛び込みにハマっていました。
少し高いところから水の中にダイブする。
独特の緊張感と快感があります。
夏は、時間があったらとにかく川に行きます。
春や秋にも、よく川に足を運んでいました。
実は最近学校から、「川へ飛び込みは禁止」という通知がありました。
だから3年生になった今年は、飛び込みを行っていません。
今日は校長先生もいらっしゃるので、そういうことにしておきます。(笑)
■N・Hくん=切り紙
小学3年生くらいの時、「切り紙」にハマりました。
カッターで紙を切り、絵をつくる。
テレビで切り紙をしている人を見て、興味を持ちました。
まずは簡単なことからはじめ、だんだん難しいものにチャレンジしていきました。
経験を重ねると、切り紙のコツがつかめてきます。
一番大切なのは、切り過ぎないこと。
切りすぎると、絵を切断してしまうことがあるのです。
そのため、切る時の緩急に気を付けるようになりました。
カッターを止める前は、必ず速度を落とす。
やりすぎないよう、ブレーキをかける。
人間関係などにも共通する学びかもしれないと感じています。
■A・Yくん=まるい形の小石ひろい
友人の家の庭に、小さな丸い石が敷き詰められていました。
かっこいいと思いました。
うらやましいと思いました。
自分の家の庭も、まるい小石で敷き詰めたいと思いました。
友人の家を出た後から、僕は、まるい小石探しをはじめました。
道を歩く時、公園で遊ぶとき、河原に行くとき、など。
とにかく、まるい小石を探しました。
石をみつけたら、自宅に持ち帰り、庭に並べました。
いつも何かにアンテナを立てながら、情報に触れてみる。
さっき大木さんが言っていたアドバイスですが、僕は小さなころにすでにそれを体験していました。
あのころは、外を歩くことがいつも楽しかったです。
■N・Tくん=ゲームキャラの育成
小学4年生くらいの時に、あるゲームにはまりました。
ゲームに登場する強いキャラがいるのですが、育成が難しい。
でもその育成に、僕はチャレンジをしました。
時間があれば、キャラの育成。
何かが育ち成長していくのは、楽しいことでした。
努力を努力とは感じませんでした。
また、自分が鍛えたキャラをつかい、ゲームで勝てること。
それには何ものにも代えがたい快感がありました。
■M・Tさん=アニメキャラの表情分析
私はアニメが大好きです。
アニメに登場するキャラは、表情がとても豊か。
同じ感情なのに、作品によって、またはキャラによって、その表現方法が異なります。
笑顔にも、いろんな笑顔の表現がある。
口の形、目の形、顔の形など。
色にも違いがある。笑う時に、頬が赤く染まるアニメ表現もある。
それらを注意深く見ていた時期があります。
比較しながら、その違いを興味深く楽しんでいた時期があります。
■H・Dくん=アリの行動調査
家の庭に8か所、アリの巣がありました。
アリは列を組んで庭を歩いています。
このアリたちは、いったいどこに向かっているのか。それが気になりました。
そこである時期、アリの追跡調査に没頭したことがあります。
あるアリたちは、隣に家に向かっていました。
そして驚くべきことに、あるドアから、家の中に侵入していたのです。
自分の家の中でも、時々アリを見かけることがあります。
このアリは、どこからやってきたのか。そしてどこに行くのか。
そんな追跡調査を行ったこともあります。
■S・T先生=きのこの標本づくり
小学4年生ごろ、近所の山で面白いきのこを見つけました。
色はむらさきで、花のような形をしていました。
こんなきのこもあるんだ!それが大きな驚きでした。
それ以来、きのこ探しを続けました。
毎日のように山に足を運び、面白い形のきのこを見つけては、写真を撮りました。
そして図鑑を見ながら、名前や特徴を確認しました。
自分で「きのこの標本図鑑」もつくりました。
没頭していた時間は、毎日が充実していました。
こんな場所に行くと、新しいきのこが見つかるかな。
そんな想像をすることが楽しかった。
私の宝物のような時間でした。
■M・N校長先生=ギターの改造
中学生のころから、ギターが好きでした。
たくさんのギターに触れてきました。そして、ギターによって音が異なることに興味を抱きました。
何がギターの音に影響を与えるのかを調べました。
そしてギターをいじり、どんな改造をすると、どんな音になるのかを試しました。
そんなギターいじりは、現在も行っています。
なにげない思い出の共有。
でも、こういう「没頭体験の記憶」が、自分ならではの個性につながります。
自己紹介や自己PRで語れる、ユニークなエピソードとしても使えます。
何かアイデアを考える時に、発想のヒントになることもあるでしょう。
またもしかすると、将来の仕事探しの道しるべになるかも知れません。
自分はどんなことに没頭したのか。
夢中になったのか。
時間がある時に、ちょっと思い出す時間を持ってみてください。
それが自分ならではのアウトプットに、きっとつながると思います。
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