<読書>神さまのビオトープ
まず、ビオトープってなに?
コロナの時に、お家時間が増えて
家で出来る趣味が好まれて
多くなったと聞きました。
はい、私も!です。
いままで、「植物殺人事件」を
何度も起こした常習犯の私が、
なんと一番難しいであろう
「バラ」の生育に挑戦したりして・・・
そのころから、ネットの植物屋さんに
「はじめてのビオトープ」
とかあったので、
金魚鉢にお花を植えこんで
めだかちゃんと小さな世界を
作っていくことだと思っていました。
が、違う。
もっと大きな意味があったのです。
自然の中に広がる草地、森、川池、
大きさにかかわらず
生き物の暮らしを支える場所
ギリシャ語からの造語で
bio(命)+topos(場所)だそうです。
今日のおすすめ「神さまのビオトープ」凪良 ゆう著
そんな壮大なタイトルの中に生まれた作品です。
(凪良先生のタイトルはいつも素敵!)
凪良先生と言えば、
ベストセラーになった
「汝星の如く」「星を編む」など。
そちらは、またいずれ話すとします。
ネタバレしてしまうと
いけないのですが、
こちらの作品、かなり展開が
スキでした。
”見えるものだけではなく、
見えないものとも一緒に生きている”
それは、他の人が何と言おうと
自分の基準で信じる。
そして、無駄も必要
無駄のない、コスパ、タイパが
良いのって魅力的で現代では
欠かせない力ですが、
昭和生まれの要領が悪くて不器用な私は
いままでも、無駄のデパート。
無駄や遠回りばかりしてきました。
心理描写がステキ
凪良先生の作品はどれも
描写に使う言葉に感動します。
深く人間を掘り下げていて、そして
心揺さぶる言葉でこちらに
説明してくる・・
時には、悲しくて、胸がきゅーっとなる
場面もあったりするけれど、
それも、人間の持っている美しさゆえの
悲しみなのかもしれないと感じさせてくれます。
今回の作品にも映画化した「流浪の月」
を彷彿とするエピソードもありますが
ていねいに人物を描かれていて
その人の苦悩がよく伝わってきました。
うーむ。
狂おしいほどの・・
なかなかの表現です。
私も、狂おしいほどの内的闘争を
わたしなりに
続けていきたいと思いました。