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<読書>アリアドネの声

新刊ラッシュの秋冬。
しかしながら、なかなか手が回りません。
そんな時に、6月に図書館予約した本が
やっと巡ってまいりました。

「アリアドネの声」井上真偽著
2023年6月に初版発行されています。

アリアドネとは
ギリシャ神話に出てくる王女で
テセウスに迷宮脱出するための糸玉を
与えた人物
そこから、アリアドネの糸は
何か困難な状況から解決に糸となるもののこと
を意味するようになりました。

今回もまさしく迷宮なんです。
そして、アリアドネとなるのが
ドローン。
ドローンで地震が起こり、地下深く閉じ込められた
要救助者を助けに行く物語。

ドローンの操作の仕方が事細かに書いてあるので
緊迫感があり、ページをめくる手もおもわず
早く熱くなります。

そして、何よりの課題が
その要救助者が、聞こえない、しゃべれない、見えない
のヘレンケラーのようなハンディキャップの方。
どのようにして、ドローンで救助するのかも
このお話の面白いところかもしれません。
(ヘレンケラーの文も引用されています)

無理だと思ったら、そこが限界なんだ

アリアドネの声 井上真偽著   

引用のこの言葉が、主人公を励まして
一緒に歩むのですが、この言葉の取り方も
本の後半になると少し違った方向から見えるのも
新鮮です。

そして、私が感銘を受けたのは
3重ハンディキャップを持った方の言葉

成功のコツは誰かと比べたりしないこと。あくまでも比べるのは
昨日の自分。
<無理>から<できそう>に<できそう>から<できる>に
そうやって一つずつ成長の階段を上って、自分の可能性を広げていくことを
お勧めします

アリアドネの声 井上真偽著

ラストはほんの少しだけ駆け足気味で
詰めの甘さも感じられなくもないですが、
「あ~、そうだったのか」
と納得のラストです。

自然災害は起きないことを祈っていますが
どうしても避けられないこと。
それならば、ドローンなどを駆使して
助かる命を少しでも多く助けたい!

ドローンは決して命を奪うためにあっては
ならない。命を救うため、人類のために
なくてはならない!

人の知恵と技術を合致させ
正しい明るい未来へと
思いを馳せることの出来る一冊です。


~読んでいただきありがとうございました~

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山河恩子(onshi)
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