「トリノ通信5 幻視都市-キリコとトラム」
入江正之(建築家/DFI フォルムデザイン一央(株)・早稲田大学名誉教授)
;イタリア、近代の画家といえばジョルジョ・キリコ Giorgio Chiriko があがるだろう。時代の新しい運動であるシュールレアリズムの先駆者との評価である。彼は「囘想録」(原書名は “Memorie della mia vita” 邦訳書名『キリコ回想録』である。)を残していて、そのなかで絵画作品の評価は画商と評論家という画家になれなかった者たちが連携して作り上げているに過ぎない。何がシュール