大竹高史

会社員|セキュリティコンサルタント|プロジェクトマネージャー。NECを退職後、日々、ITシステムの構想と実装に勤しんでいます。写真も撮ります。著書『さよならセキュリティ』も宜しくお願いいたします。CISSP、PMP、中小企業診断士。

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    さよならセキュリティ つながり、隔たる、しなやかなセキュリティの世界 (OnDeck Books(NextPublishing))

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ケアとテクノロジー|真鍋大度氏の個展「Continuum Resonance:連続する共鳴」

 大阪・梅田はグラングリーンの一角に生まれた文化装置「VS.」。安藤忠雄氏が監修したという建物は、その立地も手伝ってか、東京・六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」に似た佇まいをしている。しかし、エントランスへと続く階段を降りてみれば、ギャラリーというよりもクラブハウスのような雰囲気に驚かされる。スタジオと称される3つの展示スペースは広さも形もそれぞれで、その場を借りるアーティストやディレクターの創造性を刺激するに違いない。オープニングエキシビジョンを担う真鍋大度氏

    • 概念工学とは|LEXUSとAIR RACE

       渋谷ではレッドブルが主催するエアレースの最終戦が10月に行われる。とはいえ、実際に飛行機が空を舞うわけではない。世界各地でそれぞれに飛ぶ選手たちの姿をXR技術によって渋谷に集める試みは、デジタルラウンドと呼ばれている。単純な映像配信を意味するリモートラウンド・第一戦、第二戦とは全く違った観戦体験を提供してくれるだろう。リアルでの開催は新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、収益性の観点からも2019年に幕を閉じてしまった。幕張海浜公園に鳴り響くエンジンの音が懐かしい。確かに、

      • 世界は所有から成っている|「Rhizomatiks Beyond Perception」展

         実験的かつ実践的なアート作品を提供し続けているRhizomatiksが、天王洲のギャラリーで個展「Rhizomatiks Beyond Perception」を開いている。そのタイトルの通り、自らの知覚を超えた先に見る世界を紹介しようとする試みは、生成AIの可能性を模索するものだ。ステートメントにて、「誰もがAIを使って画像を生成できる現代において、改めて「生成される画像の価値とは何なのか?」」と問い掛ける。それはただ出力された画像や映像にこだわるのではなく、処理プロセスま

        • パリ・オリンピックとラグジュアリー・ブランド|カルティエ『結 MUSUBI』展

           ファッションの都・パリで開催されている2024年のオリンピックは、プレミアムパートナーを務めるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)に支えられている。170年の歴史を誇るメゾンをビジネスの核に据える同社はフランスの文化を象徴するだけでなく、時価総額ベースで同国最大の企業グループでもあるのだ。傘下のショーメ(CHAUMET)が金銀銅のメダルをデザインすれば、それを運ぶトレーやトランクはルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が提供する。そしてベルルッティ(Berlut

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          空を見上げてみれば|空間コンピューティング

           この7月に市政100周年を迎えた神奈川県川崎市は祝賀行事として「かわさき飛躍祭」を開催した。サッカーJ1リーグの強豪・川崎フロンターレが記念試合としてUvanceとどろきスタジアムにサンフレッチェ広島を迎え入れた他、川崎にゆかりあるアーティストがライブを行ったり、航空自衛隊のブルーインパルスが展示飛行を行ったりと、その賑わいは他県にも波及する勢いだった。特にブルーインパルスは球場を中心に、南は横浜から、北は東京の渋谷や新宿の上空まで長く航路を取ったことで、多くの人々の目に触

          空を見上げてみれば|空間コンピューティング

          万博を通じて|ティファニー ワンダー展

           ティファニーは虎ノ門・TOKYO NODEに500点もの作品を持ち込み、大規模なエキシビジョン「テファニー ワンダー」を開催した。目に鮮やかな水色の抱かせるイメージと、取り扱う商品の価格レンジの広さから比較的に身近な存在であるティファニーも、欧米では権威あるハイジュエリーブランドの一つ。創業の年が和暦にして天保8年(1837年)だと知らされれば、187年の歴史に一層の重みを感じるだろう。大阪では大塩平八郎が飢えに苦しむ市民のために立ち上がっていた頃、ニューヨークの市庁舎近く

          万博を通じて|ティファニー ワンダー展

          歴史を学ぶまでもなく

           Instagramのストーリーズを眺めていると、あるファッション系インフルエンサーの方の投稿に目が留まった。ご自身が持つセレクトショップのオリジナル商品に関する質問に答えたものだ。どうやら質問者はその商品をメルカリで買おうとしているらしい。「それがどれだけ私にとって残念で悲しい事かわからないのですかね」と、コメントされている。なるほど、二次流通は作り手に利益をもたらさない。しかし、着る機会の少ない服をすぐに捨てるわけでもなく、他の誰かに譲ろうとする姿勢は消費者の経済的な事情

          歴史を学ぶまでもなく

          観たいものを観るために|新型iPad ProとAI

           2024年5月に登場した新型iPad Proは事前の予想を裏切らず、高価格化した。標準的な11インチモデルのラインナップから512GBのストレージを選ぶだけで20万円。より大型の13インチモデルに、併せてリニューアルされたMagic Keyboardを含むフルオプションを組み合わせれば、50万円を越えてみせる。これは最新のMacBook Proにも並ぶ。それもそのはず、ハードウェアスペックは同等どころか一部で今回のiPadの方が上回っているのだ。リリースされたばかりのApp

          観たいものを観るために|新型iPad ProとAI

          最後に守るべきもの|坂本龍一氏のコンサート映画『Opus』

           病に倒れ、死と向き合うアーティスト。その最後の活動をしっかりと見届けるのは初めてのことだった。2023年3月にこの世を去った坂本龍一氏は、それだけ多くの記録と作品を私たちに遺している。例えば、今年4月に放送されたNHKのドキュメンタリー『Last Days 坂本龍一 最期の日々』を観れば、死の直前まで、精力的に活動されていた氏の姿を知ることができる。治療にあたった医師の、音楽制作に影響のない治療を望んでいたというコメントが心に残った。最後まで守るべき、自身のアイデンティティ

          最後に守るべきもの|坂本龍一氏のコンサート映画『Opus』

          土着信仰がひらくアート|シアスター・ゲイツ展

           六本木・森美術館では、シアスター・ゲイツ(Theaster Gates)氏の大規模な個展が開かれている。おそらくアフリカにルーツを持つアーティストとしては初めてのこと。雑誌『美術手帖』がブラック・アートを特集してからちょうど1年が経って、ようやく日本でも彼/彼女らに光が当たり始めたようだ。その象徴として、日本に所縁の深いゲイツ氏が選ばれたことは自然な流れだろう。今回はテーマに「アフロ民藝」を掲げ、それぞれの草の根的な思想に共通項を探る。そして、交差させる。現れてくるのは当然

          土着信仰がひらくアート|シアスター・ゲイツ展

          ひみつ道具の原理原則|映画『オッペンハイマー』

           米国から遅れること8ヶ月、今年のアカデミー賞を盛り上げた映画『オッペンハイマー(Oppenheimer)』が日本でも公開された。原爆の父として知られる稀代の物理学者が、なぜ今また取り上げられたのか。ロシアによるウクライナ侵攻が止まず、とうとう核兵器利用の可能性まで疑われる中、やはりこんなものを作るべきではなかったという歴史批判なのだろうか。それはそのまま、現代に突如現れ、私たちを混乱させている生成AIに対する警告とも捉えることができる。コンピューターだって、インターネットだ

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          AIにおけるセンスの欠如|『未来のかけら』展

           世の中はすっかりAIである。SNSのタイムラインに溢れる画像や映像の作り手の多くが、次々とAIに置き換わっている。それはフェイクニュースの文脈を受け継ぐものであり、だからなのか、AIは不気味なものという印象を強めている。先月、欧州議会は、AIに関する包括的な規制法案を可決した。今後AIを用いて生成した画像、映像、音声コンテンツには、その旨を明示することが義務付けられる。これが果たして、かつての私たちが夢見たテクノロジードリブンな世界なのだろうか。もっとカッコ良い社会の訪れを

          AIにおけるセンスの欠如|『未来のかけら』展

          音楽は誰のもの|Snarky Puppyの来日公演

           グラミー賞の常連、Snarky Puppyの5年ぶりの来日公演はBillboard Liveにて、いまや貴重なクラブ開催となった。前回、2019年はQUATTROとCITTA'というライブハウスでのオールスタンディングだったことを思うと、着座でじっくりと堪能できることがありがたい。自らがフェスを主催し、ライブレコーディングを好むご機嫌なパフォーマンス・コレクティブを今回このようなスタイルで迎えられるのは、日本の音楽ファンの懐の深さもあるのだろう。東京、大阪と即日完売し、ひそ

          音楽は誰のもの|Snarky Puppyの来日公演

          生きづらさ|横浜トリエンナーレ

           3年おきに開催される横浜トリエンナーレはいつも私たちに重くのしかかる。それぞれに強い力をまとったアート作品が群れをなして迫ってくる。今回のテーマは「野草」。決して目立たなくとも、たとえ踏まれようとも、折れない意思を表明している。それは執念とも取れる態度であって、観るものを圧倒する。消耗させる。引用元は魯迅(Lu Xun)の散文集のタイトルだという。形式も内容も様々な小作品の集まりがこのトリエンナーレ自体を想起させるだろう。中国文学者・竹内好氏いわく『野草』は「芸術的完成さで

          生きづらさ|横浜トリエンナーレ

          イギリスがひらく食と音|Yussef Dayesの来日公演

           代々木上原にオープンしてまだ半年のイノベーティブなレストラン「Ukiyo」のランチタイムには、ユセフ・デイズ(Yussef Dayes)氏の『Black Classical Music』が流れていた。忙しい時間帯にも関わらず、カウンターの脇に置かれたプレイヤーでわざわざレコードを掛けるほどの拘りだから、翌月に迫る来日公演を意識した演出だったのかもしれない。決して派手ではないけれど熱い音楽が、静かに高揚感を煽る。それは、おとなしそうに見せかけて、しっかりとスパイスを効かせたU

          イギリスがひらく食と音|Yussef Dayesの来日公演

          聴くことと、弾くことと|Meshell Ndegeocelloの来日公演

           グラミー賞にて、今年から新設されたベスト・オルタナティヴ・ジャズ・アルバム部門はミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が勝ち取った。1960年代生まれのベテランがシーンを牽引していると思うと頼もしい。8年ぶりのオリジナル盤『The Omnichord Real Book』は、老舗ブルーノートに移籍してのリリースだ。これまで様々なアーティストをサポートし、プロデュースしてきた氏の作品に相応しく、多くの話題のミュージシャンがクレジットに名を連ねる。ジ

          聴くことと、弾くことと|Meshell Ndegeocelloの来日公演